【事務職】総務課の仕事内容とは?社内での役割や業務例など具体的に紹介
「総務ってどんな仕事をしているの?」
「やりがいのある仕事を探しているけど、どの部署が良いの?」
「中途採用でも総務課に就職できるの?」
転職を考えているときに、このような悩みを抱く人もいるでしょう。
本記事では、企業で働く社員を幅広くサポートすると言われている「総務課の仕事内容」について解説します。実際に総務課が携わっている仕事内容や、求められる能力などを紹介しているため、転職を考えている人もイメージしやすくなるでしょう。
幅広い業務内容を請け負っている総務課に向いている人の特徴や、役立つ5つの資格もあわせて紹介します。資格が求められない場合もありますが、資格を取得することで総務課への転職を有利にする知識を習得することができるでしょう。
総務課への転職に興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
未経験から総務を目指すことは可能?
未経験でも総務職を指すことは可能です。業務内容は多岐にわたり、パソコンスキルやコミュニケーション能力が求められやすいでしょう。
新卒や中途採用、どちらでも総務に就くチャンスはあります。未経験だからと諦めず、興味がある方はぜひチャレンジしてみてください。
新卒の場合
新卒で総務職を目指している場合、総合職として採用されるのが一般的でしょう。そこで経験を積み、適性があれば総務へと配属されます。就職してから、どれだけの業務を吸収できるかが重要となってくるでしょう。
中途採用の場合
中途採用でも総務に就けるチャンスがあります。事務経験がないと不利というわけではなく、さまざまな職務経験が総務の仕事には役立つとされます。
中途採用の募集は即戦力が求められる場合が多いため、簿記などの資格やパソコンスキルがあると良いでしょう。
総務課の4つのやりがい
業務内容が多岐にわたる総務課での仕事に、やりがいを感じる方も多いでしょう。企業環境を整えたり、社員の福利厚生に携わったりするため、同僚にお礼を言われることもあります。
ここでは、総務課の仕事におけるやりがいについて紹介していきます。
- 多くの働く社員をサポートできる
- 会社全体に関連する業務に携われる
- 多岐にわたる業務スキルや経験が積める
- キャリアチェンジやキャリアアップも目指せる
1:多くの働く社員をサポートできる
総務課は、同じ企業で働く社員たちのサポート役となることが多いでしょう。共に働いている社員たちが業務に集中できるよう、快適な環境を整えることが主な仕事になります。
日頃から顔をあわせる人たちのサポート役となるため、感謝の言葉を伝えられる機会にも恵まれ、やりがいを感じやすいでしょう。
2:会社全体に関連する業務に携われる
会社全体に関連する業務に携われるため、日々新鮮な気持ちで仕事に向きあえます。通常のデスクワークの他に、会議の準備や各部署との打ちあわせなどもスケジュールに組み込まれ、ルーティンワークになりづらいでしょう。
3:多岐にわたる業務スキルや経験が積める
企業内のあらゆる部署とつながり、仕事の依頼を受けるのが総務課の特徴です。来客対応ではコミュニケーションスキルが、日々の多様な業務内容ではスケジュール管理スキルが磨かれるでしょう。
企業内の業務を把握しやすいため、部署異動があったときにも戦力ある人材として重宝される傾向にあります。また幅広い部署とかかわるため、人脈を広げられるのも魅力の1つです。
4:キャリアチェンジやキャリアアップも目指せる
企業内で多くの業務に携われるのは、自分のスキルアップにつながります。偏ることなく幅広くスキルを身につけられるため、キャリアチェンジを考えているときにもプラスに働くでしょう。
総務課の仕事内容
総務課とは、どのような仕事内容を請け負っている部署なのかを解説します。企業内で働く社員の労務環境を整えたり、会議の準備などをしたりとサポート役だけではなく、来客対応なども仕事内容の1つです。
専門部署をおくほどではないという業務内容を、総務課が請け負っている場合もあります。総務課とはどんな仕事をしているのかを解説していきます。
- 備品・消耗品等の管理
- 機器・設備等の保守管理
- 施設管理
- 文書管理
- 株主総会等の企画・運営
- 社内行事の企画・運営
- 社内規定の作成・改定
- 冠婚葬祭・社内外トラブルの対応
- 顧客・来客対応
- 福利厚生業務
1:備品・消耗品等の管理
文具や電灯・備蓄品などを管理し、発注するのも総務課の仕事です。コピー用紙やトナー・名刺といった働く上で必要になる備品も定期的に発注し、社員たちの業務がスムーズに行えるようにサポートします。
2:機器・設備等の保守管理
社員が使用している机や椅子、OA機器などの管理をするのも総務課の仕事です。台帳を作成し、機器や設備の個数や状態を管理しています。
例えば、コピー機が故障すれば業者に修理依頼をしたり、新しい備品として購入したりします。
3:施設管理
総務課とは、企業全体を見守る役目と言っても良いでしょう。社員が安全かつ快適に働けるように、照明や空調の管理なども行っています。
設備に不具合が生じた際、業者へ連絡するのも総務課の仕事です。現状維持をするための施設管理だけではなく、オフィス移転を行うときにも総務課が担当します。
4:文書管理
企業内の業務を円滑に進めるために必要となる文書の作成も総務課が請け負います。作成だけでなく、今後も必要となる書類を正確に管理するのも総務課の仕事です。
文書を種類や日付別に管理し、必要とする社員たちが見やすい状態に整えていきます。
5:株主総会等の企画・運営
総務課は株式総会などの企画・運営にも携わっています。その際、進行表の作成や会場の準備なども行います。また、総会までの株主からの問い合わせや当日の窓口業務なども担うことがあります。
6:社内行事の企画・運営
入社後の社員の士気を高めるために、社員が楽しめるイベントの企画・運営も総務課が行います。予算作成やイベント告知、当日のスケジュール管理などを担当し、イベントが成功できるように尽力します。
7:社内規定の作成・改定
企業にもよりますが、担当部署を設置していない場合には、社内規定の作成や改定も総務課の仕事です。総務課とは社会の規律を整える立場とも言えます。
法務部が設置されていない企業では、社員から寄せられた法律相談のサポートや知的財産権の管理に携わる場合もあります。場合によっては、専門的な知識も必要になるでしょう。
8:冠婚葬祭・社内外トラブルの対応
総務課では、イレギュラーな対応も多く求められるでしょう。落とし物や紛失、問い合わせなど社内外の対応の窓口となるのが総務課です。
また、取引先や社員で冠婚葬祭があったときの対応も、総務課が行うことがあります。挨拶状やお祝いの品を手配するだけではなく、社葬の準備をする場合もあるでしょう。
9:顧客・来客対応
受付を専門とする部署のない企業では、顧客・来客対応を総務課が行います。企業に訪れたお客様を待合スペースに通して、お茶を出すなどの対応をすることもあるでしょう。また、企業の窓口を総務課としている場合もあります。
10:福利厚生業務
総務課は福利厚生業務にも携わります。本来であれば人事部が対応する業務内容ですが、企業によっては総務課が担うこともあります。
社会保険の加入、交通費の管理、年末調整なども総務課の仕事内容の1つで、金銭面においても社員をサポートします。
総務課に求められる4つの能力
幅広い業務に携わる総務課の人材に求められるのは、次に紹介する4つの能力です。
専門的なスキルがなくても、総務課に転職できるチャンスはありますが、パソコンスキルやコミュニケーションスキルがあった方が、転職を考えているときに有利に働くと言えるでしょう。
- 事務処理能力
- コミュニケーション能力
- PC・ネットワークスキル
- スケジュール管理能力
1:事務処理能力
幅広い仕事内容を任されることが多い総務課では、事務処理能力が求められます。各部署から対応を求められるため、全く異なる内容に同時に対応する状況も出てくるでしょう。
求められる仕事に応じた情報収集スキルや、柔軟に対応するスキルも求められます。幅広いジャンルで求められる仕事を要領よくこなす処理能力があると、総務課の仕事に活かせるでしょう。優先順位を素早く見極めることも求められます。
2:コミュニケーション能力
コミュニケーション能力も総務課では求められるでしょう。デスクワークだけではなく、社員のサポート、窓口業務、取引先の対応といった業務も含むため、ビジネスマナーが必要です。
また、企業業務の全般を請け負っている総務課は、経営陣と現場社員の橋渡しとなることもあります。業務を淡々と処理するだけではなく、人間関係が円滑にできるコミュニケーション能力が求められます。
3:PC・ネットワークスキル
メール文書の作成や、発注業務、書類作成のサポートなどの業務をするにあたり、パソコンやネットワークスキルが必要となります。業務内容によってはエクセルの関数についての知識も必要な場合があるため、仕事に就いたあとも学ぶ意思を持ち続けることが大切でしょう。
前職でデスクワークをしていなかった場合は、文書作成などで一般的に使われているエクセルやワードの操作方法を身につけておきましょう。
4:スケジュール管理能力
期限つきの業務も多いため、スケジュール管理能力が総務課には求められます。
さまざまな部署の仕事を請け負う特殊な業務内容から、急なトラブルや突然のスケジュール変更も考えられます。スケジュール管理能力があり、マルチタスクをこなすことを得意とする人は総務課に向いているでしょう。
総務課に向いている人の4つの特徴
ここでは、どのような人が総務課に向いているのかを紹介していきます。求められるスキルの他に、以下にあげる特徴があると、より即戦力として力を発揮できるでしょう。
自分のこれまでの経験が、総務課で活かせるかチェックしていきましょう。
- コミュニケーションをとるのが好きな人
- マルチタスクをこなせる人
- 人の役に立つのが好きな人
- 自主性を持って行動できる人
1:コミュニケーションをとるのが好きな人
コミュニケーションをとるのが好きな人は総務課に向いているでしょう。総務課は来客などの窓口となるため、いわゆる企業の顔です。社会人としてのマナーや電話対応などを得意とする方が活躍できるでしょう。
社外対応だけではなく、社員の悩みや不安を解決する立場でもあります。多くの人の話を聞き、解決に導くことが仕事の一部であるため、コミュニケーション能力が重要になってきます。
2:マルチタスクをこなせる人
マルチタスクをこなすことを得意とする人も、総務課では重宝されるでしょう。本記事で紹介している総務課の仕事内容からも分かるように、日々さまざまなジャンルの業務を平行して行います。
全てがスケジュールどおりに遂行せず、トラブルが発生することもあるでしょう。トラブルが発生したときでも慌てず、対応できる冷静な処理能力が求められます。
3:人の役に立つのが好きな人
人の役に立つのが好きな人、サポート役に徹することができる人は、総務課に向いているでしょう。総務課の仕事とは、働いている社員たちが働きやすく環境を整えることです。
社員たちが何に悩み、どのようなことを求めているのかを知り、現状を経営陣に報告するなど橋渡しをする役目でもあります。人間関係にも大きくかかわるため、気配り上手な人も重宝されるでしょう。
4:自主性を持って行動できる人
与えられていることや、求められていることだけをこなすだけではなく、自主性を持って行動できる人が総務課では必要とされます。
企業側も総務課の人材は、どんな依頼でも快く受けられるかを重視している傾向にあります。日々変化する仕事を自主的に取り組むことは、企業経営の向上につながると考えられているためです。
また、総務課は企業全体をサポートする役割のため、ミスなどに早く気づき、自分から対応する力も求められるでしょう。
総務業務を円滑に進めるための5つのポイント
総務課は幅広い業務を請け負うため、多くの人々とかかわりを持ちます。企業によっては、労務や人事の業務を総務課が担当することもあるでしょう。
仕事やコミュニケーションを円滑に進めるために必要なのは、次に紹介する5つのポイントです。業務量も多いことが考えられる総務課に携わる際には、これらのポイントを押さえておくと安心でしょう。
1:自分の業務を可視化し効率化を図る
企業全体をサポートする立場である総務課は、効率化の促進や規則などをアナウンスすることもあります。アナウンスする立場として、自分たちの業務の効率化は、率先して取り組むべき課題となります。
さまざまな部署とかかわりを持つ立場であるからこそ、総務課の業務内容が分かるように可視化することも大切です。現状の業務を把握し整理することで、効率化を図っていきます。
2:経営層と現場とのコミュニケーションをとる
現場社員にとって経営層は遠い存在に感じやすく、コミュニケーションがとりづらいという方もいます。経営層の指針が現場に正しく伝わらないと、現場社員は不満を抱いてしまうこともあるでしょう。
社員たちが不満を抱くことがないよう、潤滑剤のような役割となるのが、現場とも経営層とも近い存在である総務課です。経営層の意思を伝えたり、現場の状況を正しく伝えたりすることで円滑に業務が進めやすくなります。
3:現場で働く人の目線に立って考える
総務課の業務を円滑に進めるために大切なのが、現場で働く人の目線に立って考えることです。総務課として経験を重ねていくと、自社の企業としての考えやルールなどが自然と身についていくでしょう。
しかし、その考え方やルールが、社員としての常識と考えるのは避けてください。正しいルールを伝える際にも現場で働く人の目線に立ち、コミュニケーションをとった上で伝えないと、総務課全体がネガティブなイメージを持たれてしまう恐れがあります。
4:公正な視点に立って業務を進める
公正な視点に立ち業務を進めることも、総務課に求められる考え方とされます。
多くの部署と関係を持つため、さまざまな声が耳に入ってくるでしょう。自社を良くするためと社員の声に耳を傾ける際、公正な視点に立つことを意識してください。
声が大きい人、権力を持っている人の声ばかりに耳を傾けてしまっては、企業業務は円滑に進められない状況に直面するでしょう。
5:促進役と制御役を臨機応変に使い分ける
企業の活性化につながる促進役と規律を守る制御役を臨機応変に使い分けるのが、総務業務を円滑に進めるコツです。
日々の業務を楽しく行えるように、イベントを企画、運営するのも仕事ですが、コンプライアンス遵守のためにアナウンスするのも総務課の大切な仕事とされます。
気持ちの振り幅が大きい業務となりますが、企業業務を円滑にするためには大切なポイントと言えるでしょう。
総務課で役立つ5つの資格
総務課を目指すにあたっては、資格取得を必要としない場合もありますが、業務に関連する資格を持っておきましょう。キャリアアップなどを考えている方は、キャリアを積むための準備の一環として資格取得を検討してください。
ここでは、総務課で働く際に役立つ5つの資格を紹介していきます。
- 日商簿記検定試験
- ビジネス・キャリア検定
- 安全衛生技術試験
- 産業カウンセラー検定
- メンタルヘルス・マネジメント検定試験
1:日商簿記検定試験
1つ目に紹介する総務課で役立つとされる資格が「日商簿記検定試験」です。
学生向けの全商簿記や全経簿記ではなく、日商簿記を学んだ方が良いでしょう。企業の経理・会計を担当するときや、コスト管理をするときに役立つ資格となります。
2:ビジネス・キャリア検定
2つ目に紹介する「ビジネス・キャリア検定」も総務課の仕事に役立つ資格としておすすめです。この検定では、人事・労務管理や企業法務・総務、経営戦略といった試験を選択できます。
総務課で役立つ資格を身につけようと考えるのであれば、企業法務・総務の試験にチャレンジするのが良いでしょう。
3:安全衛生技術試験
総務課で役立つ資格として3つ目に紹介するのが「安全衛生技術試験」です。社員が働く環境を整える業務を整えるのが、衛生管理者の役目になります。人事課や総務課に携わる人たちであれば、役立つ資格とされています。
労働安全コンサルタントと労働衛生コンサルタントとがあるので、気になる人はチェックしてみましょう。
4:産業カウンセラー検定
4つ目に紹介する「産業カウンセラー」は、近年注目度が高まっている資格の1つと言われています。さまざまな環境で働く社員をカウンセリングすることにより、問題を解決に導きます。
企業で働く社員のメンタルケアを目的として注目されている産業カウンセラー検定では、社員の職業人生を尊重・実現するための専門的な知識を身につけられるでしょう。
5:メンタルヘルス・マネジメント検定試験
5つ目に紹介するのが「メンタルヘルス・マネジメント検定試験」です。心の不調により離職や休職が増えてきている近年、産業カウンセラー検定と共に注目されている資格と言われています。
仕事の悩みやストレスが原因で離職する社員が増えないようにサポートするためのノウハウが学べます。社員がストレスなく働ける環境を作りたいときに活用したい資格です。
総務課の仕事内容を知って挑戦してみよう
幅広い業務内容を請け負っている総務は、やりがいがある仕事の1つです。人脈も広げやすく、感謝されることも多くなりやすい部署です。
多岐にわたる業務内容に不安を感じる人もいるでしょう。しかし最低限のパソコンスキルがあれば、未経験でも採用している企業もあります。本記事で紹介した総務課に必要な能力や資格を参考にしながら、気になる人はぜひ挑戦してみてください。
監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】
株式会社エーティーエスが運営する本サイト「キャリテ」では、みなさまの「キャリア」「働く」を応援する記事を掲載しています。みなさまのキャリアアップ、より良い「働く」のために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。
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