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年の瀬が近づくと気になる「年末調整」
秋の風が少し冷たく感じられるようになると、街にも冬の気配が漂ってきます。
そんな季節に話題にのぼるのが「年末調整」です。
年末調整とは、会社が従業員に代わって1年間の所得税を正しく計算し直す手続きです。
毎月の給与から天引きされてきた税額と、実際に納めるべき税金との差を調整します。
普段は意識することの少ない税金ですが、この時期は生活の一部として向き合う機会になります。
たとえば保険料控除や扶養控除など、正しく申請すれば還付金が受け取れることもあります。
一年の働きを振り返りながら、「しっかり整えて新年を迎えたい」と思う方も多いのではないでしょうか。
2025年度(令和7年分)の年末調整で変わる主なポイント
2025年度の税制改正では、基礎控除や給与所得控除などの所得控除が見直されました。
ここでは、国税庁が公表している『令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A』
(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0025005-051.pdf)
に基づき、改正内容を正確に紹介します。
基礎控除の見直し
・基礎控除:一律48万円 → 最大95万円の階層制へ。
合計所得金額132万円以下の方は控除額が95万円。
所得が増えるにつれて控除額が段階的に減少し、
合計所得金額2,350万円を超える方については改正なし(現行の逓減・消失ルールが維持)となります。(出典:国税庁『令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A』PDF)
すべての人に一律で適用されるわけではなく、所得金額によって控除額が変化する仕組みです。
給与所得控除の見直し
・給与190万円以下の給与所得控除の最低保障額:55万円 → 65万円へ拡大。
給与等の収入金額が190万円を超える場合の控除額や上限は従来どおりです。
(出典:国税庁『令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A』PDF)
今回の改正は、低〜中所得層の方を中心に支援する内容です。
扶養親族・配偶者・勤労学生の所得要件
・扶養親族および同一生計配偶者の合計所得金額の要件:58万円以下(改正前48万円以下)
・ひとり親の生計を一にする子の要件:58万円以下(改正前48万円以下)
・勤労学生の合計所得金額の要件:85万円以下(改正前75万円以下)(出典:国税庁『令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A』PDF)
多様な働き方や家族の形に合わせ、柔軟な制度設計へと変わっています。
新設「特定親族特別控除」
対象:19歳以上23歳未満の生計を一にする親族(合計所得金額58万円超〜123万円以下)
控除額:所得に応じて段階的に最高63万円まで(出典:国税庁「No.1177 特定親族特別控除」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1177.htm)
若年層の就業支援を目的とした新制度で、学生や社会人1年目の方などを支える内容です。
筆者エピソード:気づけば年末、慌てて選ぶ「ふるさと納税」

実を言うと、私は毎年ふるさと納税を「早めにチェックしておこう」と思いながらも、
気づけば年末近くになってしまうタイプです。
「今年こそは早めに寄附を」と思いつつ、仕事や日常に追われてつい後回しに。
結果、12月の終わりに慌てて寄附先を探すことも少なくありません。
それでも、返礼品を選ぶ時間はやっぱり楽しいものです。
お米や果物、お肉など、地域の魅力が詰まった品々を見ると「一年頑張ったご褒美だな」と感じます。
私自身は、ワンストップ特例制度を活用しており、確定申告をする必要がありません。
忙しい人にとってはとてもありがたい仕組みです。
ワンストップ特例制度とは
ふるさと納税を行った人が、5自治体以内への寄附であれば、
「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を提出することで確定申告を省略できる制度です。
申請期限:寄附を行った翌年の1月10日(必着)
対象:確定申告が不要な給与所得者など(出典:総務省「ふるさと納税制度に関するご案内」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/topics/20150401.html#block02)
この制度を利用すれば、年末の忙しい時期でも簡単に手続きができます。
制度を理解することが安心につながる
税や控除の仕組みは複雑に感じますが、
正しい情報を知ることで、自分の生活を守る力になります。
とくに2025年度の改正は、所得や家族構成によって内容が異なります。
ニュースの要約ではなく、国税庁や総務省など公的機関の情報を確認することが大切です。
年末調整をスムーズに進める3つのコツ
控除証明書は早めに整理
生命保険や地震保険の控除証明書は10月〜11月に届きます。
届いたら一箇所にまとめておくと安心です。
ふるさと納税は年内決済が条件
寄附を行った日がその年の対象になるため、12月31日までに決済完了が必要です。
サイトが混み合うため、できるだけ早めに準備しておきましょう。
ワンストップ特例申請は年内に発送
締切は翌年1月10日必着です。
年末年始の郵送混雑を考えると、12月中に送るのが安心です。
制度を知ることで、暮らしがもっと整う
税金や控除の話は少し難しく感じられます。
しかし、制度を知っておくことは、自分の暮らしを守る第一歩です。
たとえば控除をうまく活用すれば、税金の負担が軽くなります。
その分、家計や将来の備えに回すこともできるでしょう。
知識は安心につながります。
そして、安心は前向きな日々を生む力になります。
少しずつ変化する制度を、前向きに受け止めて
2025年度の税制改正は、「より公平に、より柔軟に」をテーマにしています。
働く人の多様な形を支え、生活の安定を守るための改正です。
ふるさと納税も、地域を応援する大切な仕組みとして続いています。
寄附を通して誰かの役に立てるという実感は、日常に小さな誇りを与えてくれます。
制度の変化を受け止めながら、自分のペースで取り入れていくことが大切です。
それが「賢く、心穏やかに」年末を過ごすコツでもあります。
まとめ|制度を味方に、心穏やかな年末を
2025年度の税制改正は、私たちの暮らしに寄り添う形で設計されています。
改正の背景には、「公平さ」や「安心して働ける社会」を実現するという意図があります。
制度をうまく活用することで、日々の生活がより豊かに、そして前向きに変わっていきます。
年末調整の準備やふるさと納税を通じて、自分の働き方や暮らし方を見直す機会にしていきましょう。
エーティーエスからのメッセージ
今年も残りわずかとなりました。
お仕事に関して少しでもお悩みやモヤモヤがあれば、ぜひエーティーエスへご相談ください。
もしかすると、次の一歩につながるヒントをお伝えできるかもしれません。
キャリテはこれからも、皆さまのキャリアを丁寧に支え、前向きなスタートを応援してまいります。
監修:監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】
株式会社エーティーエスが運営する本サイト「キャリテ」では、みなさまの「キャリア」「働く」を応援する記事を掲載しています。みなさまのキャリアアップ、より良い「働く」のために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。
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