年間休日110日とはどのような勤務?|完全週休2日制の可否と多い・少ない業種例
「転職先でしっかりとした休みを取れるか不安」
「年間休日110日って実際どれくらい休みが取れるの?」
「業種を変えてみたいけどちゃんと休みがもらえるかわからない」
いま勤めている企業の休みが少ない、という理由で転職を検討する方は少なくありません。転職をするにあたって休日の在り方はとても大切です。休日の時間をしっかりと確保して、自分の時間を大切にしていきたいと考える人も多いでしょう。
本記事では、年間休日110日ほど取れる企業はどんなところがあるのか、完全週休2日制の多い業種・少ない業種について紹介しています。
この記事を読むことで、求人サイトで提示されている休日に関する基礎的なことから、業種ごとの休日の在り方を知ることができます。それらの知識を知ったうえで転職を考えることで、休みについての不安を払拭することができるでしょう。
転職を考えている方はぜひ、この記事をチェックしてみてください。
目次
そもそも年間休日とは
年間休日とは、その企業が定めている年間休日数の合計のことです。年間休日の日数は企業ごとに異なります。休日の定義は労働基準法で定められており、企業ごとに算出されます。
年間休日の最低日数に決まりはある?
年間休日の最低日数は、労働基準法で定められた以下の内容から105日以上が妥当とされています。
・労働時間は1日8時間、週40時間まで
・最低週に1回、または4週間に4回の法定休日を取る
これらをもとに計算していくと、年間労働時間は40時間×52週=2080時間とすることができます。この2080時間を1日の労働時間の8時間で割ると、260日という年間労働日数を出せます。
1年を365日として、そこから年間労働日数260日を引くことで最低限必要となる年間休日は105日と割り出すことができます。
出典:労働基準法素朴な疑問Q&A 1 新入社員から「うちの会社は休日が少ない」といわれてしまいました|東京労働局
年間休日110日にはどのような勤務形態がある?
年間休日110日とはどのような勤務形態があるのでしょうか。
ひとつは完全週休2日制で祝日は出勤するパターンです。前述した計算から年間休日の最低日数は105日です。残りの日数を夏季休暇や年末年始の休みにあて、祝日は出勤するとするパターンになります。
もうひとつは一部の土日を出勤日として祝日は休みとするパターンです。日曜日と祝日を完全に休日として扱い「土曜日は隔週で出勤」「月に一度は土曜日も出勤」というパターンです。その場合は、残りの休みを夏季休暇や年末年始の休みにあてられます。
完全週休2日制は可能?
会社は従業員に対して、1週間に1回または4週間の間に4日以上の休日を与えなければならないと義務付けられています。そのため、完全週休2日制にする場合は、1日の労働時間が8時間、1週間での労働時間を40時間にすることで、可能になります。
年間休日110日の場合は、前述しているように、年間休日の最低日数は105日になることから、完全週休2日制を取り入れられるでしょう。
年間休日120日の場合との違いは
完全週休2日制ではなく年間休日120日としている場合の違いは、さきほど算出した年間休日の最低日数105日に国で定められている国民の祝日がを加算されていることです。週の休みは、不定期の場合もあるため注意が必要です。
年間休日の平均はどのくらい?
厚生労働省のホームページにて掲載している資料「令和3年就労条件総合調査の概況」によると、1企業平均年間休日総数は110.5日、労働者1人平均年間休日総数は116.1日です。
また、企業規模別にみた時、「1,000 人以上」が 116.8 日、「300~999 人」が 115.2 日、「100~299 人」が 112.9 日、「30~99 人」が 109.0 日となっていることから、企業規模が大きくなるほど、年間休日の数も多くなる傾向があることがわかります。
年間休日110日程度の業種4選
ここからは、年間休日110日程度を得られる業種について紹介していきます。以下で参照している統計データをもとに、4つの業種を選出し紹介してくため、参考にしてみてください。
1:卸売業・小売業
「卸売業・小売業」の平均年間休日数は107日と110日よりもやや少ないデータとなっています。なお、卸売業だけの平均年間休日数は113.5日と多く取得できる傾向がありますので、卸売業に注目してみると良いでしょう。
2:医療・福祉業
「医療・福祉業」の平均年間休日数は112.4日と年間休日110日以上となっています。また、110日以上取得できる割合は、全体の53%と高いのも特徴と言えるでしょう。
3:建設業
土木・建築・大工・電気など工業系の業種とされる「建設業」の平均年間休日数は107.6日となっています。
平均は110日以下ですが、日本建設業連合会が週休2日制を定着させる取り組みをしているなど、今後、平均年間休日数の増加が期待されています。
4:サービス業
インテリアデザイン業や商業デザイン業、セメント工場や製紙工場などの業種が当てはまる「サービス業(他に分類されないもの)」の平均年間休日数110.4日となっています。
年間休日110日より休日が多い業種6選
続いて、平均年間休日が110日よりも多い業種について見ていきましょう。ここでは、おもに6つの業種を紹介します。おおよそ、各業種でどのくらい日数があるのか確認しましょう。
1:電気・ガス・熱供給・水道業
発電所や変電所、ガスの製造工場・供給所、浄水場や下水処理場など、ライフラインに直結する業種が該当する「電気・ガス・熱供給・水道業」の平均年間休日数は120.1日となっています。
2:金融・保険業
銀行や信用金庫、生命保険会社などの業種が該当する「金融・保険業」の平均年間休日数は123.3日となっています。
なお「金融・保険業」の年間休日総数120~129日に該当する割合が90%ととても高く、就職後には安定した休みを得ることができるでしょう。
3:複合サービス業
郵便局や協同組合などが該当する「複合サービス業」の平均年間休日数は115.2日となっています。
なお、郵便局は施設内で行う窓口や仕分け業務のことであり、配達などは後述している「郵便業」に該当するので、間違えないように気をつけましょう。
4:学術研究・専門技術サービス業
理学・工学・農学・医学・薬学といった研究所や法律・特許・司法書士事務所などが該当する「学術研究・専門技術サービス業」の平均年間休日数は121.8日となっています。
5:製造業
ソーセージやベーコンなどの畜産加工品や缶詰、調味料、パンやお菓子といった、おもに食品の製造に関係している業種が該当する「製造業」の平均年間休日数は113.3日となっています。
6:情報通信業
映像制作やラジオ放送、出版業などが該当する「情報通信業」の平均年間休日数は123.2日となっています。
こちらも「金融・保険業」に続いて年間休日総数120~129日の割合が85.2%と高く、安定した休みを重視する方におすすめの業種となっています。
年間休日110日より休日が少ない業種4選
最後に、平均年間休日数が110日よりも少ない業種についてです。少ない業種について知っておくことで、入社後に「こんなに少ないと思わなかった」などのギャップを回避できるでしょう。
ここではさまざまな業種の中から、4つの業種について紹介していきます。
1:宿泊業・飲食サービス業
「宿泊業・飲食サービス業」の平均年間休日数は98日となっています。100日を下回る数字となっていますが、「宿泊業・飲食サービス業」の多くはシフト制を採用しており、自身の生活環境によっては適することもあるでしょう。
2:生活関連サービス業・娯楽業
クリーニング業やビューティサロン・理髪店といった美容系の業種、カラオケや遊園地などの娯楽施設での業務が該当する「生活関連サービス業・娯楽業」の平均年間休日数は105.6日となっています。
3:運輸業・郵便業
新幹線や地下鉄、モノレール、タクシー、海運、空運など運送業務全般と郵便物の引受、取集・区分及び配達を行う業務が該当する「運輸業・郵便業」の平均年間休日数は100.4日となっています。
4:鉱業・採石業・砂利採取業
金や銀、鉛・亜鉛、大理石や花こう岩、砂岩の採掘行う業種に該当する「鉱業・採石業・砂利採取業」の平均年間休日数は106.7日となっています。
紹介してきた他の業種に比べて多く休める可能性が高く、年間休日総数120~129日の割合も20.3%と高いことから、選択する企業によっては安定した休みを得られるでしょう。
年間休日110日未満で休みが少ない時は転職も検討しよう
いま勤めている会社の業務に不満はないものの、休みが少ないことに不満を持っている場合は、いま一度、年間休日がどれくらいあるのかを調べてみてはいかがでしょうか。
年間休日が110日未満だったりちょっとでも少ないと感じていたら、本記事で紹介してきた業種別の休日に関する情報を参考にしつつ、転職を検討してみるのをおすすめします。
また、転職を検討する際に「カレンダーどおりの休みがほしい」「完全週休2日制は絶対ほしい」など、希望する休日の在り方について条件をつけてみるのも良いでしょう。
自身が希望する仕事の内容はもちろんのこと、休日のことについてもしっかりと調べておくことで、失敗することのない転職活動にしていきましょう。
監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】
株式会社エーティーエスが運営する本サイト「キャリテ」では、みなさまの「キャリア」「働く」を応援する記事を掲載しています。みなさまのキャリアアップ、より良い「働く」のために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。
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