営業職がストレスを抱えやすい理由とは?自分を見つめ直す対処法も解説
「営業職がストレスを抱えやすいのはなぜ?」
「営業の仕事でストレスを抱えた時、良い対処法はある?」
このように、営業の仕事にストレスを感じる方や、ストレスを抱えないためにどうしたらいいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、営業職がストレスを抱えやすい理由とは何か、さらに自分を見つめ直す対処法についてなど解説します。
この記事を読むことで、営業職はどのような点で心身に過剰な負荷がかかってくるのか、ストレスがたまった場合はどう向き合えばいいのかなどがわかってくるでしょう。
また、営業職として就職する際の注意点についても紹介しています。営業職で転職を考えている人は、転職を成功させるためにもぜひ参考にしてください。
目次
ストレスが限界になるとどうなる?
ストレスが限界になると「夜寝ようとしても翌日の仕事が不安で眠れない」「仕事に行かなければならないのに朝起きられない」など、意識と行動が一致しないような状態に陥る可能性があります。
どのような形で現れるかは人によってさまざまですが、今まで問題なくできていたことが急にできなくなってしまい、戸惑ってしまうことがあるでしょう。
ただし、ストレスが限界まで進む前に、何らかの不調を知らせるサインが出ていることがあります。
仕事の忙しさからこうしたサインを見逃していると、ストレスが限界になり、大きく心身のバランスを崩してしまうでしょう。
営業職がストレスを抱えやすい10の理由
まず営業職がなぜストレスを抱えやすいのかという点から見ていきます。人によっては、ストレスを感じていても、具体的に何が嫌なのか明確ではない人もいるでしょう。
ストレスを軽減させるためには、自分の中でネガティブな気持ちを持つ理由について、きちんと確認することが大切です。自分を見つめ直すためにも、ぜひチェックしてみてください。
1:顧客の要望に応えなければならない
営業職は、製品やサービスを売る仕事であることから、買う相手である顧客を大切にしなければならない部分があります。そのため、できるかぎり、顧客の要望に応えなければならない面があるでしょう。
顧客によっては無理難題を言う人もいるため、振り回されて大きなストレスを抱えることもあります。
このような場合、要望に丁寧に応えることで顧客に誠意が伝わり、いつしか売り上げにもつながることもあると考えると、気持ちは少し楽になるでしょう。
2:常にノルマに追われる
営業マンのストレスの多くは、常にノルマに追われているということでしょう。ノルマが達成できなければ、部署では肩身の狭い思いをしたり、自分に自信をなくしてしまったりする原因にもなります。
また人事評価もノルマの数字が指標になるため、プレッシャーもかかってくるでしょう。
しかし、明確な数字が示されていることで目標ができ、モチベーションを上げやすいというメリットもあります。ノルマに追われるという意識から、目標を目指す意識に変えていくと良いでしょう。
3:なかなか休みを取れない
営業職は、顧客の要望に応えることが強く求められる傾向にあるため、状況によっては、なかなか休みを取れないことがあります。
本来休みであったはずの日でも、顧客にその日しか都合がつかないと言われてしまえば、予定をあける必要が出てきます。プライベートの時間を確保しにくい状況が続いてしまうと、心身共に疲弊し、ストレスが溜まってしまうでしょう。
あまりにも休みが取れない場合は、上司に相談することも必要ですが、営業である以上顧客が必要としてくれた時に寄り添う姿勢は大切です。「頼りにされて嬉しい」という捉え方もしてみましょう。
4:納得できない商品でも売らなければならない
営業職は、自分が勤めている企業の商品を売ることが仕事です。納得できない商品でも、会社からの指示で売らなければならない場面もあります。
本音では「おすすめできない」と感じているものを売っていると、顧客を騙すようで辛くなってしまい、ストレスを感じることも増えてくるでしょう。
迷いがあるとトークも控えめになってしまい、思うように売り上げを伸ばせないという負のループに陥ってしまう可能性もあります。
しかし、商品の見方を変えることで、売れるターゲットが見えてくることがあります。納得できない商品の場合は、一度主観を捨てて、顧客の目線で商品を見つめ直してみるようにしましょう。
5:社内での人間関係が大変である
社内での人間関係が大変で、周りに気を遣いすぎてストレスが蓄積していくこともあるでしょう。
営業職は、自分の部署だけではなく、マーケティング部門や制作部門、経理、事務などの営業部署以外の人とも連携することも多いです。関わる人数が多ければ、それだけ気を配る人が増えます。
相性の悪い人がいた場合は、ストレスを抱えやすい面がある一方で、いろいろなタイプの人と関わる機会をメリットと考え、対応力やコミュニケーション能力アップにつなげていきましょう。
6:残業が多い
営業職は、顧客の都合に合わせて対応することもあるため、自分が計画していた通りにいかず、残業が多い傾向がある職種です。
残業が多いと、それだけ自分のプライベート時間を削ることになります。「本当は今頃家に帰っていた」「残業したけれど成果になるのか」など、不満を感じてストレスになってしまうことがあるでしょう。
7:上司が厳しい
営業成績が振るわないと、上司が厳しい態度をとってくることもあるでしょう。上司の厳しい言葉で、精神的にショックを受けてしまい、ストレスを抱えることも少なくありません。
しかし、上司から見れば、部署全体の数字を上げていくことが職務です。また、今後のためを思ってあえて厳しい言葉を口にしている可能性もあります。
ネガティブに受け止めすぎず、「次は良い成績を残そう」というモチベーションに変えて乗り越えていきましょう。
8:今後の将来性を感じられない
今後の将来性を感じられず「この先ずっと営業を続けて良いのだろうか」と、思い詰めてしまうことも、営業職がストレスを抱えやすい理由にあります。
今後、今以上に機械化やAIが発達すれば、営業職の需要が減ってしまうのではと危惧する人も多いでしょう。しかし、営業は対人コミュニケーションが必要とされる仕事です。機械化やAI化が進んでも、簡単には置き換わらないでしょう。
9:スキルが身についたことを実感できない
営業職で身についていく能力には、ヒアリングやプレゼンテーションスキル、交渉力、情報収集能力などもありますが、技術職のように「プログラミング言語を使える」「○○のツールを使いこなせる」など、目に見えるスキルとして把握しにくい部分があります。
ルート営業の場合は特に、営業範囲が決まっていることから新規顧客開拓をしないため、提案場面がなく、スキルアップの機会も少ないでしょう。
そのため、スキルが身についたことを実感できないという悩みも、営業職が抱えるストレスとして大きいでしょう。
10:自分が利己的になっていくことに嫌気がさす
営業職は利益を出し、数字を上げていくことを会社から求められる仕事です。そのため売り上げを上げることばかり意識して、「ともかく買ってもらえれば何でもいい」「上手いこと言って買ってもらおう」という自分本位な気持ちが出てしまうことがあります。
目標の数字に届いていない時など、焦りからかそういった自分本位な気持ちが湧きやすいでしょう。
また、顧客にとって必要ではないような商品を買わせてしまった場合にも、利己的な自分に嫌気がさしてしまうこともあるでしょう。
営業職の人がストレスを抱えている場合の10の対処法
ストレスの理由が見えてきたところで、次はストレスの改善に向け、対処法について考えていきましょう。ストレスによって「自分には、営業は向いていないかもしれない」と限界を感じている方は、そこで諦めてしまわず、まずは下記の方法を実践してみてください。
1:ストレスの根源と向き合う
ストレスの根源と向き合うのは、自分の弱い面を明らかにすることになるため、気が向かない人もいるでしょう。しかし、ストレスの根源と向き合うことで、解決しやすいものか、自分の力だけでは解決しにくいものかなどが見えてくることがあります。
まずは、ストレスの元が何なのか、苦手な顧客がいるからなのか、自分の能力不足を感じているからなのかなど、この機会に考えてみましょう。
2:少し立ち止まって休んでみる
大きなストレスを抱えている場合は、少し立ち止まって休んでみるという方法もあります。イライラしている時こそ、仕事中の休憩時間を大切にして何も考えない時間を作ったり、休日は、ゆったりした時間を過ごしてみたりしてみましょう。
頑張り続けることも立派ですが、必死になりすぎて心に余裕がない状態では、些細なことでも苛立つことがあります。
一度立ち止まって休めれば、冷静さを取り戻して「そんなに腹を立てることだったのか?」と、思うようなことも出てくるでしょう。
3:信頼できる関係者に悩みを相談してみる
ストレスと感じている内容を人に話すだけで、気持ちが落ち着いてくることもあるため、上司や同僚など、自分が信頼できる関係者に悩みを相談してみましょう。
自分の悩みを話すことに抵抗を感じる場合は「仕事でストレスを抱えた時、良い解消法はありますか?」「営業スキルをアップさせたいのですが、具体的なアドバイスが欲しいです」など、ポジティブな言い方がおすすめです。
4:自分の思いを書き出してみる
自分の思いを書き出してみることで、心に抱えているモヤモヤしたものを吐き出せるため、気持ちの整理につながるでしょう。
人によっては、ストレスが大きくかかる部分がはっきり見えていないこともあります。その時の気持ちを書きだしていくことで、自分の本音と向き合うきっかけにもなるでしょう。
5:瞑想の時間を作る
心を静めて無心にする瞑想は、集中力やストレス軽減、安心感などの効果があると言われています。瞑想することで、緊張がほぐれてリラックスできるでしょう。
瞑想の効果を高めるには、短時間でも良いので毎日行うことが大切です。1度だけやってもよくわからないまま終わってしまう可能性は高いでしょう。効果が実感できるように継続してみましょう。
出典:瞑想|厚生労働省eJIM
6:業務の効率を上げられる方法を考える
営業職でストレスを抱えている原因が、多忙や残業の多さである場合、業務効率を上げられるか考えてみましょう。
営業の仕事は、新規顧客獲得、既存顧客への対応、書類作成、事務処理などと幅広いため、要領の悪い人は残業が多くなってしまう傾向があります。
業務効率を上げるためには、業務の優先順位をつけることから始めてみましょう。新しい業務が入ってきた際も、すぐに取り掛かるのではなく、優先順位を考えてから動きます。
日頃からツールを利用して、タスクを整理しておくこともおすすめです。スケジュールの把握が容易になるでしょう。
7:ストレスの根源の捉え方を変える
ストレスの根源が何か見えている場合、捉え方を変えてみる方法もあります。物事には良い面と悪い面があるため、ストレスに対しても捉え方次第で不快に感じない可能性があります。
感情的に捉えてしまうと、自信がない人の場合はネガティブな方向で考えてしまうことがあるでしょう。また、悪い方向で考えるとストレスを抱えやすいため、ポジティブな方向で物事を捉えるようにしましょう。
8:思いついたことはすぐに実践してみる
思いついたことはすぐに実践してみてください。何も変化がない状況は、ストレスを大きくしてしまうことがあります。
たとえば、一般的にストレスを解消すると言われている内容に取り組んでみても良いでしょう。音楽を聴く、森林浴をする、定期的にジョギングを行うなど、少しでもやる気がわいた内容にチャレンジしていきましょう。
9:トップセールスマンの本を参考にしてみる
営業スキルについて思い悩んでいてストレスを抱えている場合は、トップセールスマンの本を参考にしてみましょう。
トップセールスマンの仕事への姿勢、考え方などを知ることで、「自分も頑張ろう」という前向きな気持ちを持てるようになり、その本をきっかけに意識が変わっていくこともあります。
どの本を購入しようか迷った場合は、多くの人から評価されているベストセラーがおすすめです。
10:異動や転職を検討する
これまで紹介した対処法を実践しても改善しないと感じた場合は、異動や転職も検討しましょう。そのままの状態で営業職を続けていると、ストレスが限界になってしまう可能性が出てきます。
今の職場の同僚との人間関係に悩まされている場合は、異動で職場環境が変わると改善されることもあります。会社に不満がある場合は、転職すると解決しやすいでしょう。
営業職として就職する際の3つの注意点
最後に営業職として就職する際の注意点を紹介します。営業職でストレスを感じやすい人は、実は営業職への適性が低かったり、会社選びの時点で失敗していたりすることがあります。
営業職として就職した後にストレスを抱えないためにも、これから紹介する内容はぜひ参考にしてください。
1:あらかじめ自分が営業に向いているのかチェックをしておく
「営業がやりたい」という熱意があることは良いですが、向いていない場合は苦労してストレスを抱えることがあります。
たとえば、営業が向いている人は、初対面の人でも自然に話せる、話を聞くのが上手、清潔感がある、スケジュール管理が得意、連絡はこまめにできるなどの特徴が見られます。顧客から良い印象を持ってもらうためには、どれも必要な要素です。
一方で人と話すのも人の話を聞くのも苦手な場合は、顧客の現況や抱えている課題を聞き出すことに苦戦するため、営業をかけるチャンスを逃す傾向にあるでしょう。
2:長時間労働が容認されている会社ではないか確認する
残業や休日出勤などがあまりにも多すぎると、気を抜く瞬間がなくなりストレスを抱えやすいでしょう。そのような状況を回避するためにも、会社選びの段階で、長時間労働が容認されている会社ではないか確認することが大切です。
労働時間や休日は、1日に8時間、1週間に40時間を超えて働かせないなど決められています。志望する会社の口コミなどをSNSやインターネットで調べて、基準を上回るような企業には注意しましょう。
3:どのような商品を売る会社か調べる
企業によって扱っている商品は違います。営業はその会社の商品を売ることが仕事です。しかし、自分の興味が薄いモノやサービスを扱っているところに入社してしまうと、自分が扱う商品に興味が持てず、自信を持った提案がしにくいでしょう。
強気の売り込みができず、数字が出せなければストレスになっていきます。そのため、転職では、応募する企業がどのような商品を売る会社か調べておきましょう。
営業職でストレスを抱えてしまった時は自分を見つめ直してみよう
営業職でストレスを抱えてしまった時は、ノルマが厳しい、残業が多い、スキルが身についたことを実感できないなど、ストレスを把握することから初めてみてください。
嫌だ、苦痛だと感じるポイントは人それぞれです。しかし、そういった気持ちをため込みすぎてストレスを抱えすぎるのは精神衛生上良くないでしょう。限界まで到達すると、心身のバランスを崩すこともあります。
営業職でストレスを抱えていると気づいた時は、自分を見つめ直す機会です。ストレスの軽減、改善につながるように、自分に合った対処法を考えて、実践していきましょう。
監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】
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