総務に向いている人の特徴10選|メリット・デメリットや役立つ資格などを紹介
「総務に興味があるけど、自分は向いていないのでは?」
「総務は何だか仕事が多いイメージで、難しそう」
など、転職を検討する際に、このように最初から総務を除外してはいませんか。
一般的なイメージの通り、総務は多岐にわたる仕事を行う部署です。そのため、営業部のように向き不向きが分かりやすい部署ではありませんが、それを理由に「向いていない」と判断することはできないでしょう。
本記事では、総務に向いている人の特徴を紹介するとともに、総務で働くメリットとデメリットや、総務で働く際に役立つ資格やスキルを解説しています。
この記事を読むことで、総務に向いている人の特徴が把握できるため、自分が総務に向いているか判断できるようになるでしょう。
総務に必要な資質が分かりにくい、自分は総務に向いているか分からないと考えている人は、ぜひこの記事を参考にしてください。
そもそも総務の仕事内容って?
総務の仕事内容を簡潔に表すと「他部署では担当できない仕事」となるでしょう。
総務はコーポレート部門のひとつですが、ビルの契約から什器備品の調達、施設内の温度管理や社内安全に至るまで、事業所の中で行われる業務を円滑に行うために、さまざまな業務を担当します。
営業に向いている人とそうでない人とがいるように、総務にも向き不向きがあるため、自分は総務に向いているのかを知っておくことは大事と言えるでしょう。
総務に向いている人の特徴10選
総務の仕事に興味があったとしても、自分が総務に向いているかは判断に悩むところではないでしょうか。
しかし、総務に向いている人の傾向が分かれば、比較して自分が総務に向いているか判断しやすくなります。
協調性がある人、人の役に立つことを厭わない人、裏方に回ることを気にしない人など、向いている人が総務の仕事に就けば、日々充実感を伴った仕事をすることができるでしょう。
ここからは、総務に向いている人の特徴を紹介するため、ぜひ参考にしてください。
- 人から何かを頼まれることや役に立つことが好き
- 物事を整理するのが得意である
- 会社のことに詳しく細部まで把握している
- 他部署と連携しながら仕事を進められる
- 何事もスピーディーな対応ができる
- 並行して業務を行うことが苦ではない
- ルール作りが得意である
- 社内での交友関係が広い
- 細やかな気配りができる
- リスク管理が得意である
1:人から何かを頼まれることや役に立つことが好き
営業の部署とは違い、目立った活動が少なく裏方に回ることが多いのが総務です。
社内で起こる困り事の大半は総務に持ち込まれるため、いろいろな頼まれごとに対して嫌な顔をせずに気持ちよく対応できる人が向いています。
たとえば新年会や忘年会なども、裏方である総務が準備し運営するからこそ実施できる社内イベントでしょう。
そんな時に、裏方に回って役立ちたいと考える人は総務に向いている人です。
2:物事を整理するのが得意である
社内の机や椅子、バインダーやファイル、封筒や糊などの文房具、コピー用紙やクリップに至るまで、備品の管理をするのも総務です。
いつ社員が備品を取りに来てもいいように収納場所を決め、足りなくならないように発注や在庫を管理することまでが仕事になるため、物事をきちんと整理することが得意な人に向いています。
また、プリンターやシュレッダーなどが故障した際にすぐに修理を手配できるように、保証書などを決まった場所に確実に保管することも大事な仕事です。
3:会社のことに詳しく細部まで把握している
総務は会社の全ての部署と関わるため、各部署の人員や業務内容など、あらゆる情報を把握していると仕事がスムーズにできます。
物事を円滑に運ぶために誰に話を持っていくか、どの順番で話を通せば角が立たないかといった情報は、会社ではとても大事です。
他にも、官公庁からの企業情報提供依頼や四季報への掲載に対応することや、取締役会の議事録や固定資産の管理、人事部のない会社では労務管理を行うのも総務のため、会社のことに詳しく、細かな事情まで知っている人に向いています。
4:他部署と連携しながら仕事を進められる
総務は全ての部署と関わるため、中立の立場と協調性が求められます。
何か依頼があったときには、依頼部署の立場を考慮すると同時に会社全体のことを考え、依頼部署や他部署と連携・調整を行いながら物事を進める必要があります。
また、社内に限らず、引っ越しや什器の購入など、業者との調整が必要なケースもあるため、協調性があり、調整が得意な人は総務に向いていると言えるでしょう。
5:何事もスピーディーな対応ができる
総務の仕事は、備品の補充やイベントの準備など「やって当たり前」と思われる仕事が多いと言われています。そのため、あらゆる仕事に対してスピーディーに対応し、自分から働きかけられる人は総務に向いています。
備品や名刺の発注などに限らず、他部署からの面倒な依頼であっても、なるべくすぐに行動に移せば「頼んだらすぐに対応してくれる存在」という安心感を相手に与えられるでしょう。
6:並行して業務を行うことが苦ではない
総務の仕事は細かい上に多岐にわたるため、ひとつの仕事に集中することが難しい部署です。
ひとつの事務処理に集中して時間を割きたくても、他部署の依頼や他の仕事も同時進行させる必要があるため、並行処理できる能力が求められます。
優先度の判断や時間配分だけでなく、日常的にマルチタスクな業務を行うことに抵抗がない人は総務に向いているでしょう。
7:ルール作りが得意である
多くの人が出入りする会社では、施設を運用していくための細かなルールが必要になります。
夏場のエアコンは何度に設定する、最後に退出する人は電源の確認を行う、仕事での服装の許容範囲を決めるなど、細かなルールであっても会社にとって必要なものであれば、それを整備するのは総務の重要な仕事です。
誰もが納得できるよう何度も折衝や調整を繰り返し、ルール作りに尽力できる人は、総務に向いていると言えるでしょう。
8:社内での交友関係が広い
社内の交友関係が広い人は、実際には話したことがない相手であっても、話題に挙がることが多いことでしょう。そして、普段よく名前を耳にする人には親近感がわきやすいため、依頼なども受け入れられやすいと言われています。
人は同じ内容の依頼でも、相手と面識があるかないかで、態度や対応が変わります。
同じ依頼でも、名前を知っていたり、話したりしたことがある人の方が頼みやすく、受け入れられやすいため、社内で顔や名前が広く知られている人は総務に向いていると言えるでしょう。
9:細やかな気配りができる
会社の代表番号にかかってくる電話を取るのも総務の仕事ですが、電話対応の仕方ひとつで会社の印象が決まると言われています。
たとえば「営業部に掛けたいが電話番号が分からない」「担当の名前だけで部署が分からない」などのケースは意外に多く、困っている相手の身になって一緒に確認するなどの気配りが必要な場面は、総務に付きものと言えるでしょう。
社外に限らず社内の依頼でも、相手が困っていることを汲み取って、丁寧に対応できる人は総務に向いています。
10:リスク管理が得意である
総務の仕事では、取締役会の議事録など、一般の社員が閲覧できない秘密事項が記載されている書類を見る機会が多くあります。
他には、安全衛生管理や労働時間の管理、他部署が閲覧できない契約書の管理、内部監査やリスクマネジメントも、専門部署のない会社では総務の仕事です。
そのため、ひとつ間違えば会社に損害を与えかねないリスクを、ひとつひとつ予見して対策を立てることが得意な人は総務に向いています。
総務で働くメリット
規模の差こそありますが、総務はどこの会社にもある部署です。
法務や財務を兼任する場合もありますが、総務自体が無くなることはまずないという点では、リストラの対象になりにくい安定した部署と言えるでしょう。
また、細かな仕事の多い部署ではありますが、他部署と比較すると残業が少ない傾向の部署でもあり、有給休暇を取得しやすいという利点もあります。
コミュニケーションの取り方が上手くなる
コミュニケーションが少し苦手という人であっても、総務の仕事に携わっていれば、次第にコミュニケーションスキルが身についてきます。
相手の依頼を正しく聞き取り、要望を把握し、場合によってはその情報を別の相手に伝えることも必要になるため、日々総務の仕事を繰り返していく中で、自然にコミュニケーションの取り方が上手くなるでしょう。
パソコンのスキルが身につく
総務の仕事では、「パソコンを触らない日はほぼない」と言えるほど、パソコンを使用する頻度は高いでしょう。
書類の作成、表計算、メールのやり取りなど、最初からスキルがあるに越したことはありませんが、パソコンに毎日触れる中で書式の設定や関数などの細かなスキルも身についていきます。
また、役所や公的機関とのやり取りもあるため、公文書や対外的なやり取りに関する知識も身につけられるのも総務のメリットと言えるでしょう。
法律や会社運営の知識が学べる
法務部が別にある会社であっても、会社が結ぶ契約に関する稟議書や契約書を扱うのは総務の仕事です。
総務や法務以外では目にすることのない書類を見られるため、法律や会社運営のためにどんな知識が必要なのかを知ることができます。
経営に近いところにいる部署のため、他部署では学べない重要な知識が学べるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
総務で働くデメリット
総務の仕事は、メリットばかりではありません。
ルーティン業務が多いため残業が少ない一面もありますが、終業間際にトラブルが発生すれば、対応してから退社する必要も生じます。
また、場合によっては一部署の依頼を聞き入れることが他部署の不利益になる場合もあるため、喜ばれることばかりではないと覚えておきましょう。
成果が分かりづらい
総務の仕事は会社の運営サポートなどの事務処理が多いため、目標や結果を数値化しやすい営業職に比べると成果が分かりづらいという一面があります。
事務処理の速度や正確さを成果の指標とする会社もありますが、コーポレート部門である総務の仕事は売り上げに直結しません。
そのため、貢献度をアピールしづらいというデメリットがあり、他の点では総務に向いている人でも働きを認めてほしい人にとっては、物足りなく思う可能性もあるでしょう。
ルーティンワークが定期的にある
備品の補充や発注、温度管理など、毎日決まって行うルーティン業務が多いのが総務の仕事です。
ほとんど変化のない業務を毎日コツコツ行うため、地道な作業が向いている人以外には少し物足りなく感じる場合もあるでしょう。
しかも、デスクワーク以外は他の社員からは見えづらい場所での仕事が多いため、自分が行っている仕事を他の社員に分かってもらえないこともあります。
総務で働くときに役立つスキル・資格を紹介
総務で働くために、必要なスキルを身につけておきたいと考えるのは良いことです。
ただ、総務に必須という資格はありません。資格の取得を主目的にするのではなく、あくまでも仕事に必要な知識をつけることを目標にしましょう。
ここでは、総務の仕事に役立つスキルや資格を紹介します。
パソコン操作のスキル
総務の仕事は、日常的にパソコンを使います。
特にエクセル、ワードの使用頻度は高く、エクセルの四則計算はもちろん、関数やピボットテーブル、ワードの書式設定やレイアウトなどは、必須ではなくても役立つ知識です。
他にもアクセスなどのデータベースを使うこともありますが、基本であるMicrosoft Officeは一通り使えることが望ましいです。
事務処理のスキル
総務では、他部署が担当しない幅広い業務を行うため、事務処理能力が必要になります。また、総務では複数の業務が同時進行するため、並行処理能力も求められるでしょう。
事務処理のスキルは総務特有のものではなく、どの部署でも役立つものです。事務処理スキルが上がれば、他の仕事も任せられるようになるといったメリットも生まれるため、積極的に身につけることをおすすめします。
スケジュール管理のスキル
同時進行が多い総務の仕事では、スケジュール管理能力が必須です。仕事の期限や所要時間、誰に報告するかなどを理解することが重要になります。場合によっては、他の業務とのスケジュール調整も必要になるでしょう。
さらには、突然急ぎの仕事が入る可能性もあるため、できるだけ余裕を持ったスケジュールを立てることが求められます。
簿記
経理も兼ねている総務の場合、日常的にその知識を使う資格です。
直接経理や財務の担当ではないとしても、決算書に目を通す機会もあれば、四季報に掲載するデータを扱うこともあるため、知識を身につけておいて損のない資格でしょう。
社会保険労務士
難易度の高い国家資格で、採用から退職までの広範囲をカバーしているため、大企業の総務には必要な資格です。
労働に関する多くの知識を身につけることができるため、外部の社会保険労務士に委託していたとしても、取っておいて損のない資格でしょう。
ビジネス・キャリア検定試験
ビジネス・キャリア検定は、職業能力評価基準という厚生労働省が定めた基準に準拠した、実務能力を評価するための検定試験です。
総務関連の試験では、総務2,3級などがあり、社内規定や受付業務、文書管理やリスクマネジメント、資産管理やCSR(企業の社会的な責任)といった問題が出題されます。
客観的に自分の能力を評価できるとともに、総務の仕事を行うために必要な知識を得られるため、これまでに延べ60万人以上が受験しています。
衛生管理者
衛生管理者は、会社の衛生全般を管理することが仕事です。
労働者が常時50人以上働いている会社では衛生管理者の選任は義務になっているため、該当する会社に勤務している場合は必要な資格になります。
従業員の労務管理は、総務の業務の中でもとても重要になるため、ぜひ取得しておきたい資格でしょう。
自分は総務に向いているのか確認してみよう
総務は会社の運営を支える重要な部署ですが、その仕事はあまり表には出づらく、一見地味にも見えます。
しかし、事務処理能力はもちろん並行処理能力やコミュニケーション能力など、多くのスキルを必要とする仕事でもあるため、ある程度社会経験を積んで転職してくる人の方が、採用されやすい部署とも言えるでしょう。
これまで総務経験がないとしても問題はないため、本記事で紹介してきた項目に自分のスキルや能力が当てはまるのであれば、即戦力として役立つことをアピールしてみましょう。
監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】
株式会社エーティーエスが運営する本サイト「キャリテ」では、みなさまの「キャリア」「働く」を応援する記事を掲載しています。みなさまのキャリアアップ、より良い「働く」のために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。
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