「営業企画ってどんな仕事をするんだろう」
「営業企画は営業や商品企画とどう違うの？」
営業企画という仕事にこのような疑問を持つ人は少なくありません。

本記事では、営業企画が行う仕事内容や営業、商品企画との違い、やりがいや魅力、営業企画へ転職する際のポイントを紹介しています。

この記事を読むことで、営業企画がどのような役割を担っているのか、どのような能力が求められるのかを知ることができます。また、営業企画のキャリアパスややりがい、大変な点、転職前にやるべきことも紹介しているため、営業企画への転職を検討する際の手助けとなるでしょう。

営業企画への転職を検討している方や営業企画に興味がある方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

「営業企画」について

営業企画とは、営業部が目標を達成できるようにあらゆる角度から戦略を立て、バックアップする職種のことを指します。

営業企画がどのような業務を行うのか、以下で確認しましょう。

営業企画の主な仕事内容

営業部の目標達成に向けてあらゆる角度からサポートを行う営業企画は、マーケットのリサーチや分析、自社製品やサービスの分析、分析に基づいた戦略の立案や実行、通常の営業が行う仕事を行います。

1：マーケットのリサーチや分析

営業企画の主な仕事内容の1つ目は、マーケットのリサーチや分析です。

営業部が目標を達成するためにどのような活動をすれば良いのか考えるにあたって、まずはマーケットのリサーチや分析を行わなければなりません。

自社製品の市場がどのように動いているのか、競合他社の動向や顧客のニーズなどをリサーチ、分析します。

2：自社製品やサービスの分析

営業企画の主な仕事内容の2つ目は、自社製品やサービスの分析です。

マーケットのリサーチをもとに自社製品やサービスの強みと弱みを分析し、競合他社の製品やサービスとの差別化を行います。

価格設定やターゲットはもちろん、自社製品の特徴を様々な角度から分析して理解を深めることも営業企画の仕事です。

3：分析に基づいた戦略の立案や実行

営業企画の主な仕事内容の3つ目は、分析に基づいた戦略の立案や実行です。

マーケットと自社製品のリサーチや分析の結果をもとに、具体的にどのような営業活動を行うかを考えます。

具体的には、顧客に向けた販売戦略の立案や商品提案時に使用する資料の作成、販促イベントの実行などが挙げられます。また、販売状況の分析と予測を行い、どのタイミングで立案した戦略を実行するのが効果的かを考えることも必要です。

4：通常の営業が行う仕事

営業企画の主な仕事内容の4つ目は、通常の営業が行う仕事です。

企業によっては独立した営業企画部がなく、営業部が営業企画の業務を担う場合があります。

そのような場合は営業企画の業務内容に加え、通常営業部が行う営業先の検討や決定、自社商品やサービスの売り込み、商談、受注といった仕事をこなさなければなりません。

現状では、営業部が営業企画の業務を並行して行う企業がほとんどです。

営業や商品企画との仕事内容の違い

営業部が目標達成できるように、マーケットのリサーチや分析、営業活動のための戦略の立案や実行を行う営業企画ですが、営業や商品企画とはどのような違いがあるのでしょうか。

以下では、営業や商品企画との仕事内容の違いを紹介します。

営業との違い

営業は自社の製品やサービスを顧客に販売することが仕事ですが、営業企画は営業部の目標達成や売り上げの向上のための戦略を立て、実行することが仕事です。

営業企画と営業の業務を兼任することも多いですが、営業と営業企画の業務は全く違ったものと言えるでしょう。

商品企画との違い

商品企画とは、新商品や既存商品のリニューアルについての企画をすることが仕事です。

商品企画も企画を立案する上でマーケットや自社製品の分析を行いますが、あくまでも新商品や既存商品のリニューアルが目的であるため、営業部の目標達成や売り上げ向上のために業務を行う営業企画とは違った職種であると言えるでしょう。

営業企画に求められる5つのスキル

営業部の目標達成や売り上げ向上のためのサポートを行う営業企画ですが、営業企画にはどのようなスキルが求められるのでしょうか。

以下では、営業企画に求められる5つのスキルを紹介します。

• 商品を魅力的に紹介するアピール力
• データを正しく理解する分析力
• 他部署との連携を強くするコミュニケーション能力
• 多方面から物事を捉える能力
• 実現可能な企画を立案・実行する能力

1：商品を魅力的に紹介するアピール力

営業企画に求められるスキルの1つ目は、商品を魅力的に紹介するアピール力です。

前述で紹介したとおり、営業企画では営業の業務を兼任することがほとんどです。より多くの顧客に自社の商品を購入してもらうには、商品を魅力的に紹介するアピール力が必要になります。

また、営業と営業企画の業務が独立している場合でも、現場に関する知識や経験が無ければ効果的な戦力の立案や実行は厳しいでしょう。このことからも、営業企画には商品を魅力的に紹介するアピール力が必要と言えるでしょう。

2：データを正しく理解する分析力

営業企画に求められるスキルの2つ目は、データを正しく理解する分析力です。

営業企画はマーケットや自社の商品のリサーチや分析を行うことが仕事です。データを正しく理解できなければ、市場や競合他社の状況を把握して効果的な戦力を立案することは難しいでしょう。

このことからも、データを正しく理解する分析力は営業企画になくてはならないスキルと言えます。

3：他部署との連携を強くするコミュニケーション能力

営業企画に求められるスキルの3つ目は、他部署との連携を強くするコミュニケーション能力です。

物事をスムーズに進めるためにはコミュニケーション能力は不可欠です。自身が立案した営業計画を遂行して成果を上げるには、営業担当者や関連部署との連携が必要になります。

企画の目的や内容を正確に理解し、実行してもらうためにもコミュニケーション能力は大切なスキルと言えるでしょう。

4：多方面から物事を捉える能力

営業企画に求められるスキルの4つ目は、多方面から物事を捉える能力です。

営業企画を行う際には、自社の利益の向上や企画内容の精度だけでなく、世論やユーザー、競合他社や営業担当者など様々な目線から考えなければなりません。

1つの視点に固執することなく多方面から物事を捉える能力は、営業企画にとって重要な能力と言えるでしょう。

5：実現可能な企画を立案・実行する能力

営業企画に求められるスキルの5つ目は、実現可能な企画を立案・実行する能力です。

どれだけ正確に分析を行い企画を立てたとしても、実現不可能であれば意味がありません。顧客にとって魅力的な企画を立てることはもちろん、工数やコストといった面からも実現可能かどうか考える必要があります。

営業企画という仕事の魅力ややりがい

マーケットや自社製品、サービスの分析や戦略の立案だけでなく、時には営業の業務を兼任することもある営業企画の仕事は多忙なイメージを持つ人も多いでしょう。

以下では、営業企画という仕事の魅力ややりがいを3つ紹介します。

• 様々なスキルを磨くことができる
• 会社の業績アップに役立つことができる
• 達成感が大きい

1：様々なスキルを磨くことができる

営業企画の仕事の魅力ややりがいの1つ目は、様々なスキルを磨くことができるということです。

営業企画の仕事を行うには、アピール力や分析力、コミュニケーション能力といった多くのスキルが必要となります。

これらのスキルは営業企画だけでなく様々な仕事で役立つため、営業企画で経験を積み、これらのスキルを磨くことで更なるキャリアアップを目指せるでしょう。

2：会社の業績アップに役立つことができる

営業企画の仕事の魅力ややりがいの2つ目は、会社の業績アップに役立つことができるという点です。

営業企画は、営業部の目標達成や売り上げ向上のために企画を立案、実行することが仕事です。営業企画の仕事を通して会社の業績アップに役立つという点にやりがいを感じる人は多いでしょう。

自身が立案した企画によって業績を上げられる、会社の売り上げに貢献できるという点は営業企画ならではの魅力と言えるでしょう。

3：達成感が大きい

営業企画の仕事の魅力ややりがいの3つ目は、達成感が大きいということです。

営業企画の仕事は、個人のためでなくチームや営業部全体、さらに言えば会社全体の売り上げ向上のために行います。大きな目的のために仕事をするため、目的を成し遂げたときの達成感も非常に大きくなると言えます。

また、自身で分析して立案した企画が顧客のニーズと合致したときに、やりがいを感じる人もいるでしょう。

営業企画の大変なところ

営業企画の仕事は、様々なスキルを身に付けながら大きな達成感を味わうことのできる魅力的な仕事ですが、大変な点もあります。

一般的な営業では、顧客のニーズを探りながら完成された資料をもとに商品を売り込むことがほとんどですが、営業企画はゼロから分析して企画を作らなければなりません。毎回新たなことを企画しなければならないのが営業企画の特徴であり、大変な点でもあります。

また、営業企画と営業の業務を兼任する場合は、仕事内容が多岐にわたるため業務量も多くなります。その点も大変と感じる人は少なくありません。

営業企画の仕事向きな人の特徴

多くの魅力ややりがいを持つ反面、大変なことも多い営業企画には、どのような人が向いているのでしょうか。

営業企画の仕事を行う上で大切なのが、市場やユーザー、競合他社、世論といった様々な観点から分析を行いアイデアを生み出すことです。より良い企画を作るためにも、社会全体に興味を持つことが大切です。

また、正確な分析を行うには何度も仮説を立て、検証を行わなければなりません。そのため、営業企画には好奇心旺盛な人、粘り強い人が向いていると言われています。

営業企画の気になるキャリアパス

営業企画の仕事に就くためには、まず現場での経験を積まなければなりません。

現場を知らずに効果的な戦略の立案や実行することは厳しいため、顧客はどのような情報を知りたがるのか、どのようにアプローチすれば購入に繋がるのかなどを現場で実際に経験を積み、知る必要があります。

また、営業企画は会社の利益を左右する仕事であることから、企業の目線で物事を考える力も必要になります。そのため、まずは営業職として経験を積みながらマネージャーなどの管理職を目指し、営業力と企業の目線で物事を考える力を身に付けると良いでしょう。

営業企画としての知識を身に付けるために、マーケティングや経営学について学ぶのもおすすめです。

営業企画になるには？

営業企画は、会社の売り上げに大きな影響を与える責任のある仕事ですが、営業企画になるにはどうすればいいのでしょうか。

以下では、営業企画になるための2つの方法を紹介します。

現在の会社でアピールする

営業企画になる方法の1つ目は、現在の会社でアピールする方法です。

自社で営業職に就いている場合は、営業企画へと転属できる可能性があります。社内の面談等で、営業企画にチャレンジしたいという意思を積極的にアピールすることが大切です。

また、自社に営業企画部がない場合は積極的に企画を提案するなどして営業企画的な業務を行える可能性もあります。

転職をする

営業企画になる方法の2つ目は、転職をするということです。

心機一転、営業企画として経験を積みたい場合や、現在の会社に営業企画がない、営業企画に就くことが厳しい場合は転職を検討しましょう。

しかし、営業企画の求人は営業とセットになっていることが多く、実際の仕事内容も営業職寄りの可能性があるため注意が必要です。希望する業務ができるように慎重に検討しなければなりません。

営業企画への転職でやっておきたいこと

営業企画になるには大きく分けて2つの道がありましたが、転職する際にはどのようなことをやっておくといいのでしょうか。

以下では、営業企画への転職でやっておきたいことを2つ紹介します。

営業の専門知識を身に着けておく

営業企画への転職でやっておきたいことの1つ目は、営業の専門知識を身に着けておくことです。

営業企画は現場についての知識が必要になるため、営業職の経験を求められることが多くあります。また、マーケットのリサーチや分析を行う際には、多くの知識が必要です。

そのため、営業企画へ転職する際には営業の専門知識を身に着けておくと良いでしょう。具体的には、商学、マーケティング理論、経営学などが挙げられます。

有利になる資格を取っておく

営業企画への転職でやっておきたいことの2つ目は、有利になる資格を取っておくということです。

営業企画への転職に必須の資格はありませんが、取っておくと転職を有利に進められる資格がいくつかあります。具体的には、マーケティング・マスターコース、ネットマーケティング検定、マーケティング・ビジネス実務検定などが挙げられます。

これらの検定は難易度がやや高めと言われていますが、営業企画の仕事を行う上で役立つものばかりです。実務に役立つ知識を得られるため積極的に取得を目指しましょう。

昨今高まっている営業企画の重要性

現在、多くの企業がマーケティングを自動で行い、顧客の情報を一括管理できるマーケティング・オートメーションを導入しています。

マーケティング・オートメーションの導入によって営業企画に就く人々の負担は減少しましたが、デジタルマーケティングが主流になったことでマーケティングの手法が拡大したため、営業企画の重要性が高まっているのが現状です。

営業企画の負担は減少したものの、会社の業績を左右する責任ある仕事のため、業務が楽になったということはありません。デジタルマーケティングにおいて、営業企画はなくてはならない存在になりつつあります。

営業企画の仕事内容を理解して転職を検討しよう

営業企画は、マーケットのリサーチや分析、戦略の立案などを通して営業部の目標達成や会社の業績アップを図る重要な職種です。

会社の利益を左右するため、データを正しく理解する分析力や社内の連携を強めるコミュニケーション能力、実現可能な企画を立案・実行する能力など多くの力を求められます。

営業企画は責任ある仕事のため大変な点もありますが、様々なスキルを磨きながら会社に貢献できる魅力的な職種です。

営業企画の重要性や仕事内容を正しく理解し、転職を検討しましょう。