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頭を休める、心を整える:現役エンジニアのメンタルセルフケア戦略

頭を休める、心を整える:現役エンジニアのメンタルセルフケア戦略

ゴールデンウィーク明けは要注意

長期休暇のあと、特にGW明けはメンタル不調を感じやすい時期です。 休み中にも関わらず、「ずっと仕事のことを考えてしまう」という声もよく耳にします。 その結果、休み明けに気持ちが乗らず、パフォーマンスが下がることもあります。

では、エンジニアにとって理想的な「休憩」とは何でしょうか。 本記事では、日常に取り入れられるメンタルリフレッシュ法を詳しく紹介します。


テクパス

1. なぜ「休憩」が必要なのか?

エンジニアの仕事は、思考力や集中力を長時間維持する必要があります。

特に、PCと向き合い続ける時間が長く、常に論理的な思考を繰り返す日々。 その中で、思考はまるで海に潜って深海へと向かうように、徐々に集中の深みに入っていきます。
そんなとき、不意に話しかけられるとどうでしょう。 思考は一気に遮断され、まるで海面へ一度浮上させられるような感覚に襲われます。 そして再び潜るには、時間とエネルギーが必要です。

こうした中断が積み重なると、集中力も心の余裕も削られていくのです。

また、エンジニアは「コードの美しさ」にも強いこだわりを持つ方が多いです。 ロジックが整理され、読みやすく保守性の高いコードに仕上げる作業は、 まるでパズルを解くような繊細な頭脳戦。

数時間かけてようやく整えた構造に、思わぬ仕様変更が入ったときのあの喪失感。 それでも「よりよい構造」を目指し、黙々と画面に向かう姿勢はまさに職人です。

だからこそ、意識的な休憩が、作業効率だけでなく心の安定にも重要なのです。

・集中力は90分が限界

人間の集中力は一般的に90分が限界とされています。 そのため、ポモドーロ・テクニックなど、時間を区切って作業する手法が効果的です。

・自律神経のバランスを整える

長時間の緊張状態は、自律神経のバランスを崩しやすくなります。 5〜10分の軽いストレッチや深呼吸だけでも、心身に良い影響を与えます。

2. おすすめの休憩・リフレッシュ法

・目を休める「20-20-20ルール」

20分作業したら、20秒間、20フィート(約6メートル)先を見る。 これだけで、目の疲れをかなり軽減できます。

・外の空気を吸う

ベランダや近くの公園などで自然光を浴びましょう。 5分でも気分が切り替わります。

・昼寝は15〜20分で

短時間の昼寝は、脳のリセットに効果的。 30分以上寝ると、かえって頭がぼんやりすることも。

特におすすめなのは、椅子にもたれて目を閉じるスタイル。 横になるスペースがない職場でも実践しやすく、身体への負担も少なめです。

また、目をつぶるだけでも休息効果があります。 外部の刺激が遮断され、脳が一時的にリラックス状態になります。どうしても寝つけない場合でも、「10分だけ静かに目を閉じて深呼吸する」だけで、 脳の疲労感は軽減されます。

なお、昼寝前にカフェインを摂る「コーヒーナップ」もおすすめです。 20分後にカフェインが効き始め、すっきり目覚められるという研究結果もあります(参考:NASA Nap: How to Power Nap Like an Astronaut | Sleep Foundation)。

・作業環境を“自分仕様”に

エンジニアにとって、作業環境の快適さは集中力に直結します。 好きなガジェットに囲まれたり、お気に入りのマウスやキーボードを使うことも、 日々のモチベーションに大きな影響を与えます。

たとえば、打鍵音の心地よいキーボードや、手に馴染むトラックボールなど、 「触れて気持ちいいもの」に囲まれることは、知らず知らずのうちにストレス軽減につながっています。

3. メンタルケアの習慣化

・日記を書く

一日の終わりに、感じたことや良かったことを書き出す。 それだけで思考の整理ができます。

形式は自由で構いません。 簡単な一言だけの日記でも良いですし、絵を描いて気持ちを表現するのもおすすめです。

ある経営者の方と日記のお話をした際、毎日「今日やった仕事」を記録しているそうです。
誰かに褒められることもなければ、注意されることもないお立場だからこそ、 自身の成長を客観的に確認するために、あえて書き出すことを習慣にしているのだとか。そのとき、その社長がふとこんなことを言いました。

「このやり方、君が職務経歴書を書くときにも役立つんじゃないか?」

思わず、「え、転職しろってことですか?」とツッコミたくなったのを覚えています。

もちろん本気でそう言ったわけではなく、
 ・自分の成長を実感する
 ・日々の積み重ねを客観視する
 ・キャリアを棚卸しする力にもつながる
そんな“振り返りの力”の大切さを伝えたかったのだと思います。

・「感銘を受ける」読書を

日々の忙しさの中でも、心に響く一冊を読む習慣を持ちましょう。 他者の価値観に触れることで、自分の悩みを客観的に見つめ直せます。

・呼吸を整える

意識して深呼吸することで、心拍数や血圧も落ち着きます。 特に緊張した場面では、即効性があります。
また、腹式呼吸を取り入れることで、副交感神経が優位になり、 心身ともにリラックスしやすくなります。
余談ですが、腹式呼吸はお腹まわりが気になる方にもおすすめです。 インナーマッスルが自然と刺激されるため、呼吸しながら“ながらケア”も期待できます。

4. 休み中に仕事が頭から離れない人へ

「休み中も仕事のことを考えてしまう」方は多いです。 そんな時は、自分を責めず、意図的に“切り替え”を作ることが重要です。

・ToDoリストを書いておく

休み前にやるべきタスクを書き出しておくと、気持ちの整理ができます。
筆者のおすすめは、付箋を使ってタスクを書き出し、バインダーに貼り付ける方法です。
バインダーに「重要×緊急」の4象限で分類して視覚的に管理できるので、 優先順位も自然と整理されていきます。
一度書き出して貼ってしまえば、頭の中から“一時退避”できるのがポイントです。
そして、作業が終わったタスクの付箋を剥がすたびに、 「仕事が片付いていっている」という実感が得られ、視覚的な達成感にもつながります。

・趣味に没頭する

趣味に集中することで、脳を“仕事モード”から離れさせることができます。

・スマホ・PCを一時的に手放す

情報から距離を置くことで、思考の幅が広がりやすくなります。

デジタルデトックスとして、紙の本や漫画を集中して読む時間を作るのも効果的です。 ディスプレイの光から離れ、物語や知識に没入することで、 脳の疲れがやわらぎ、心がリセットされる感覚を味わえるでしょう。

5. 経験を活かす視点を持つ

不調を経験したからこそ、次に活かせることがあります。 休憩やメンタルケアも、自分に合った方法を見つけることが大切です。

・自分の傾向を知る

どんな時に疲れるのか、どんな休憩が効くのか。 その傾向を知っておくだけでも、次回の対処が楽になります。

・他人の方法を試してみる

誰かのやり方を真似してみることで、新たな発見があるかもしれません。

 

まとめ:休む力が、思考を整える

エンジニアの仕事は、論理と集中の連続です。 だからこそ、意識的に「頭を休める」時間をつくることが、 結果的に質の高いアウトプットや冷静な判断につながります。

心の余白があるからこそ、思考に深みが生まれます。 日々のメンタルケアは、単なる“回復”ではなく、 パフォーマンスを支える“土台”なのです。

自分に合ったセルフケアを見つけ、 それを習慣として積み上げていきましょう。

この記事が、GW明けの不調を感じているエンジニアの皆さんにとって、 少しでも新たな視点や行動のヒントになれば幸いです。

 
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監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】

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