目次
1. はじめに:初任給の明細を見て「あれ?」と思ったあなたへ
新しい職場での第一歩、期待に胸を膨らませて迎えた初めての給与日。
しかし、手元に届いた給与明細を見て、「提示された年収から考えるともっと多いはずでは?」「前職より手取りが減っている気がする……」と、不安や戸惑いを感じてしまう方は少なくありません。
特にITエンジニアの世界では、裁量労働制や固定残業代、あるいは時給制の派遣など、企業によって給与の仕組みが大きく異なります。
そのため、仕組みを正しく理解していないと、せっかくの転職成功が「お金の不安」で曇ってしまうことも。
この記事では、転職後の初任給が想定より少なくなる「5つの正体」と、IT業界特有の給与事情、そして「手元に残るお金」を賢く守るための具体的な方法を、エーティーエスが分かりやすく解説します。
2. そもそも「額面」と「手取り(手元に残るお金)」は何が違うのか?
基本に立ち返り、給与明細の構造を改めて整理しましょう。ここはボリュームが出るよう、各項目の背景まで詳しく解説します。
額面(総支給額)とは
基本給に加えて、残業手当、通勤手当、住宅手当など、会社から支払われるすべての合計金額です。求人票に記載されている「月給」はこの数字を指します。
控除(引かれるお金)の内訳
額面から自動的に差し引かれるお金には、大きく分けて「社会保険料」と「税金」の2種類があります。
・健康保険料・厚生年金保険料: 会社と本人が折半して負担します。転職により標準報酬月額が変わると、この金額も変動します。
・雇用保険料: 失業した際の給付などのために支払う保険料です。
・所得税: その月の収入に応じて概算で引かれ、年末調整で最終的に精算されます。
・住民税: 前年の所得に対してかかる税金です。ここが「初任給の落とし穴」の最大の要因となります。
3. 【正体1】住民税の「タイムラグ」と「二重払い」の誤解
なぜ転職すると手取りが減ったように感じるのか。その最大の理由は住民税にあります。
住民税は「後払い」の仕組み
住民税は、1月〜12月の所得に対する税額を、翌年の6月から翌々年5月にかけて分割で支払う仕組みです。
・前職を辞めた時: 最後の給与から残りの月分が一括で引かれるか、自分で納付する「普通徴収」に切り替わります。
・新しい会社に入った時: 会社での天引き(特別徴収)が始まるまでには1〜2ヶ月のタイムラグがあります。
「手取りが減る」と感じる分岐点
転職直後、会社での天引きが始まっていない期間は「手取りが多くなった」と錯覚しがちです。
しかし、その後天引きが始まると「急に手取りが減った」と感じます。
さらに、前職の未払い分が自宅に「納付書」として届くと、給与からの天引きと重なり、心理的に「二重に払っている」という感覚に陥りやすくなります。
4. 【正体2】IT業界特有の「固定残業代」と「裁量労働制」
ITエンジニアの求人でよく見かける「固定残業代」も、初任給のギャップを生む要因です。
固定残業代(みなし残業)の罠
例えば「月40時間分の固定残業代を含む」という契約の場合、残業が0時間でもその分は支払われます。
しかし、転職直後は研修や引き継ぎがメインで、
残業が発生しないことが多いため、前職で「基本給+実残業代」で稼いでいた人にとっては、月々の支給額が物足りなく感じることがあります。
裁量労働制での「深夜・休日手当」
専門業務型裁量労働制では、通常の残業代は出ませんが、22時以降の深夜労働や休日出勤には手当がつきます。
これらは「事後精算」になるため、初月の明細には乗らず、2ヶ月目以降に反映されます。
5. 【正体3】派遣エンジニアならではの「時給制」と「稼働日数」
エーティーエスで派遣エンジニアとして活躍する場合、時給制のメリットと注意点を理解しておきましょう。
稼働日数がダイレクトに反映される
派遣の最大のメリットは「働いた分だけしっかり稼げる」という透明性です。
1分単位で残業代が出る現場も多く、納得感が高い働き方です。
しかし、転職した月が大型連休(GWや年末年始、お盆)と重なると、稼働日数が少なくなるため、
月給制の正社員に比べて初月の振込額が少なくなることがあります。これは仕組み上の問題であり、稼働日の多い翌月には解消されます。
交通費の「非課税限度額」の賢い見方
交通費が別途支給される場合、月15万円までは税金がかかりません。
基本給の中に交通費が含まれている契約よりも、別途支給される契約の方が、所得税や住民税の計算対象となる金額が低くなるため、結果として「手元に残るお金」がわずかに多くなる傾向があります。
6. 【正体4】給与の「締め日」と「支払日」のギャップ

意外と見落としがちなのが、会社ごとのスケジュールの違いです。
「当月払い」から「翌月払い」への変更
・前職: 20日締め・当月25日払い
・現職: 末締め・翌月15日払い このようにスケジュールが変わると、
転職した月は「1円も給与が入らない空白の1ヶ月」が発生することがあります。
これは「給与が少ない」のではなく「入金タイミングがズレた」だけですが、生活費の管理には注意が必要です。
7. 【正体5】社会保険料の「入退社」のタイミング
社会保険料は「月末」に在籍しているかどうかで、その月の分をどちらの会社が負担するかが決まります。
二重払いは起きないが、一括徴収はある
月の途中で退職し、同じ月の途中で入社した場合、健康保険料などが前職の最後で見られるか、現職の最初で見られるかで、引かれるタイミングが調整されます。
これにより、初任給から「2ヶ月分」の保険料が引かれるようなケースが稀にあり、手取りを圧迫することがあります。
8. 差をつける!初任給から始める「エンジニアの資産防衛術」
初任給の仕組みを理解したら、次は「手元に残るお金(自由に使えるお金)」を最大化するためのアクションを起こしましょう。
会社のサポートを「自分自身の力」に変えるために
初任給の明細を見て、自分一人で家計をやりくりすることに少し不安を感じた方もいるかもしれません。
そんな時こそ、ぜひ一度、エーティーエスの「福利厚生」や「社内制度」をゆっくりと見直してみてください。
実は、社内で用意されているサポートを賢く活用することは、手元に残るお金を守りながら、自分自身を成長させる「最も確実なステップ」になります。
1. スキルアップを支える仕組みを味方にする
エンジニアとしての市場価値を高めるための学習には、どうしても書籍代や受験料などのコストがかかります。
もし社内にスキルアップを支援する制度や、技術情報の共有といったサポートがあるなら、それを利用しない手はありません。
「自分のポケットマネーから出すのは少し迷う」という時でも、会社の制度という背中を押してくれる仕組みがあれば、より積極的に新しい技術へ挑戦できるはずです。
まずは、今自分が受けられるサポートがないか、社内の案内をチェックすることから始めてみましょう。
2. 健康という「一番の資産」を大切にする
お金と同じくらい、あるいはそれ以上に大切なのが、皆さん自身の健康です。
法律で定められた毎年の健康診断はもちろん、もし会社が提供している健康維持のための相談窓口やサポート体制があれば、それは皆さんを支えるための大切な仕組みです。
心身ともに健やかでいられるからこそ、日々の開発や運用に全力で向き合うことができます。
「少し疲れたな」と感じる前に、会社が用意している安心材料がどこにあるのかを知っておくだけでも、心のゆとりが生まれます。
3. 「分からない」をそのままにしない相談体制
転職直後のお金の不安や、制度の使い方が分からない時は、一人で抱え込まずに相談してください。
エーティーエスでは、エンジニアの皆さんが納得感を持って働けるよう、制度面でもサポートを行っています。
「こんなことを聞いてもいいのかな?」と迷う必要はありません。皆さんが制度を正しく理解し、安心して長く活躍できる環境を整えること。
それが、私たちエーティーエスが大切にしている思いです。
「スキルシート」を毎月更新する
給与を上げる最短ルートは、自身の市場価値を上げることです。
転職して1ヶ月目に学んだこと、触れた技術(AWS、Docker、新しい言語など)を、忘れないうちにスキルシートに書き溜めておきましょう。
これが次の更新時や昇給交渉の強力な武器になります。
9. まとめ:お金の不安を解消して、技術を研鑽する日々へ
転職後の初任給が少ないと感じる理由は、多くの場合、仕組みによる一時的な「ズレ」や、税金の支払タイミングによるものです。
仕組みさえ分かってしまえば、必要以上に不安になることはありません。
大切なのは、目先の振込額に一喜一憂するのではなく、長期的なキャリアと「手元に残るお金」のバランスを整えることです。
エーティーエスでは、エンジニアの皆さんがお金の不安を感じることなく、100%の力で開発や運用に打ち込める環境づくりを大切にしています。
もし、給与明細の見方や今後のキャリアパスについて少しでも不安があれば、いつでも担当者にご相談ください。
皆さんのエンジニアライフが、より豊かで納得感のあるものになるよう、私たちは全力でサポートし続けます。
監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】
株式会社エーティーエスが運営する本サイト「キャリテ」では、みなさまの「キャリア」「働く」を応援する記事を掲載しています。みなさまのキャリアアップ、より良い「働く」のために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。
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