「経験を生かす」の使い方とは?「活かす」との違いや言い換えもあわせて紹介
「経験を生かすと経験を活かすの使い方の違いって何?」
「どういった場面で使うのが正しい?」
「そもそも意味に違いはあるの?」
どちらも一般的に使われる言葉ですが、同じような意味を持つため、違いがよくわからないという方もいるのではないでしょうか。
この記事では「いかす」という言葉の意味から「活かす」と「生かす」の違いや、それぞれにどういった使い方があるのかについて紹介しています。
面接の場面で誤った使い方をしてしまうと、自己アピールが上手くできず、不甲斐ない結果を引き起こしてしまう可能性があります。とくに転職活動中の場合は、履歴書に「経験をいかす」と記載する機会があり、意味を正しく理解する必要があるでしょう。
そのため、この記事を読むことで「活かす」の正しい使い方や、言い換えのパターンなどを知ることができ、転職活動を有利なものにできるでしょう。
「経験を生かす」の言い換えの方法や例文の使い方を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
経験を「いかす」の意味
「経験をいかす」は普段よく耳にする言葉ですが、漢字で書くと「経験を生かす」と「経験を活かす」に分けられます。
それぞれ同じような意味を持ちますが、使い方やニュアンスが異なります。転職活動中の方は、履歴書などの書類の記載にも関わるため、十分に理解しておく必要があるでしょう。
「経験を生かす」と「経験を活かす」の意味の違いについて、下記で解説していきます。
- 「経験を生かす」の場合
- 「経験を活かす」の場合
「経験を生かす」の場合
「経験を生かす」には「今まで経験したことを再度使い今後に役立てる」という意味があります。
「生かす」には生き物の誕生や再生、新しく生きて使用するという意味があり「経験を生かす」を言葉で用いると、今後力を生んで段々と成長していくというイメージを与えます。
面接の際は「経験を生かす」を使うことで、入社後の職場での対応力や能力発揮の可能性を相手に感じてもらえるでしょう。
「経験を活かす」の場合
「経験を活かす」とは「これまでの経験を原動力として行動をプラスの効果に導く」という意味があります。
本来「活かす」には物事の動きを活用するという意味があり、「経験を活かす」と書くことで、これまでの経験で積んだ力を未来に貢献するという印象を与えます。
「経験を生かす」の使い方
「経験を生かす」の「生かす」には「死」とは反対の生命の意味があり、命の誕生や再生というニュアンスがあります。
そのため、命に関することや物事を活用するときに用いられることが一般的です。主な使い方について解説していきます。
- 生命に関するものに使う
- 何かを活用する場合に使う
- 今後の成長の可能性を伝える場合に使う
1:生命に関するものに使う
「生かす」には生死や命などの意味合いと強い結びつきがあります。
よく使われる表現方法として「命を生かされた」や「歯が生える」などがあります。新しい命の誕生や再生を表したいときは、「生かす」の使用が一般的といえます。
2:何かを活用する場合に使う
転職活動などで、履歴書に自分の長所や特技を記載するときは「活かす」と表すことが一般的です。そのため、自分の経験を今後に役立てたい場合には「経験を活かす」と記載できます。
しかし「活」という字は常用漢字でないことから、「生」を使用しても問題はないでしょう。
3:今後の成長の可能性を伝える場合に使う
過去に勤めた業種と、同じ関わりを持つ会社への転職を希望する際は「経験を生かす」と表記します。
これは、自分が培ってきた経験を会社へ貢献することや、今後の成長の可能性を伝える意味があるためです。これまで経験した仕事と関係する会社に応募するときは、履歴書の志望動機の欄に「これまでの仕事の経験を生かしたい」と記載すると良いでしょう。
「経験を活かす」の使い方
つぎに「経験を活かす」の使い方について解説します。
もともと「活」という字には物事の動きを表す意味があり、力や能力を能動的に使う場面で用いられています。経験をプラスに使いたいときに表現されることが一般的です。具体的な2つの例を紹介します。
- 持っている能力を表す場合に使う
- 経験が良い方向へ作用する場合に使う
持っている能力を表す場合に使う
「活」には「活性」「活気」「部活」などの熟語があるように、敏感に行動する様子を表しています。そのため、自分の持っている能力をアピールしたいときは「経験を活かす」と表現します。
志望動機や自己アピールで使う場合で、今までの経験をさらに向上させることや、積極性を伝えたいときは「活かす」と表すのが良いでしょう。
経験が良い方向へ作用する場合に使う
企業との面接では、入社後に、自分がどれだけ貢献できるかをアピールしなければなりません。
経験があることを伝えると、志望する業種について正しい認識があり、乗り越えなければならないこと、目標や困難への理解があるという良い印象をもたらします。
そのため、自分の経験をモチベーションとして、企業へアクティブに貢献したい場合は「経験を活かす」と記載すると良いでしょう。
「経験を生かす」の言い換え
「経験を生かす」には、様々な言い換えや表現方法があります。面接官に入社後の意欲を伝えたいときに、表現のバリエーションを広げておくと今後に役立つでしょう。
また、言葉は、伝え方やニュアンスで相手の持つ印象が変わります。面接のときに同じ言葉ばかりを繰り返していると、単調でマイナスのイメージを与えかねません。転職活動中は言葉を上手に活用して、会社にとって必要不可欠な人材だと思われるように努めましょう。
ここでは4つの言い換えのパターンを紹介します。
- 四字熟語で言い換える
- 経験を利用する
- 経験を活用する
- 応用する
1:四字熟語で言い換える
「経験を生かす」を四字熟語に言い換えると「百戦錬磨(ひゃくせんれんま)」や「海千山千(うみせんやません)」などがあります。
「百戦錬磨」とは「多くの経験があること」「幾度と経験を重ねて鍛えている」という意味で、困難や壁を打破して、自己の能力や技術を向上させていることを表します。
また「海千山千」は「経験を重ねて世の中の酸いも甘いも良く知りタフで抜け目がないさま」という意味を持つ四字熟語です。
その他には「千軍万馬(せんぐんまんば)」などの四字熟語もあります。「何度も戦に出て経験豊富なさま」という意味があり、現場慣れしており即戦力となる印象を与えるでしょう。
2:経験を利用する
「利用する」とは「すでにあるものを役立つように使うこと」や「機能や性能を活用する」という意味があります。
このため「経験を利用する」は「経験を効果的に使うこと」を表現したいときに使います。
「経験を生かす」を「経験を利用する」と言い換えることで、「自分の経験や技能を使って向上したい」という意味を、異なるニュアンスで相手に伝えられるでしょう。
3:経験を活用する
「経験を活用する」という言葉も「経験を生かす」と同じ意味合いを持ちます。
「活用する」とは「すでに持つ力や機能を役立てて使う」という意味です。「利用する」のときと同様に、面接官に向けて「自己の能力を貢献したい」旨をアピールしたい場合は「経験を活用する」と表現すると良いでしょう。
4:応用する
「経験を生かす」は「応用する」と言い換えることもできます。
自分の経験を、今後別の場面で飛躍させたいときは「経験を応用する」と相手に伝えることで、「経験を生かす」と同じ意味のアピールができるでしょう。
「経験をいかす」の書類での使い方
日本語には読み方が同じでも、意味やニュアンスの異なる言葉が多々あります。例えば「回答」と「解答」や、「機会」と「機械」などです。これらはそれぞれ違う意味を持つため、使うべき場面が変わっています。
しかし「活かす」と「生かす」は読み方も意味もさほど変わりません。書類での使い方について知識を備えておくことが必要です。
ここでは書類で使う際のポイントを紹介します。
- 意味が適している方で書く
- 迷ったらどちらでもOK
- 公的文書に「活かす」は避ける
1:意味が適している方で書く
「生かす」と「活かす」のそれぞれが持つ意味を理解して、ふさわしい場面で書くことが正しい使い方といえます。
自分の能力や特技などを貢献してこれから役立てたい場合は「経験を活かす」として、過去の経験を同じ種類の仕事で引き続き使いたいときは「経験を生かす」と使い分けると良いでしょう。
2:迷ったらどちらでもOK
「生かす」と「活かす」は辞書で並べて表記しているため、「生かす」を「活気」という意味で使用することや、逆に「活かす」を「命の誕生」として用いても問題はありません。
そのため、迷うときは臨機応変に使い分けても良いでしょう。
また、正しい答えがわからないときは、「いかす」と平仮名で記載することや、「使用する」などと表現自体を変えることも、ひとつの方法といえます。
3:公的文書に「活かす」は避ける
「活」の字は、常用漢字で認められてないため、公的文書に記載するときは「活かす」の使用は控えましょう。
公的機関の書類に記載する場合は「生かす」の使用が正式といえます。「生」という字は常用漢字のひとつであり、古くから使われているためです。不明な場合は「いかす」と平仮名で記載すると安心でしょう。
「経験を生かす」の例文5つ
転職活動での面接は「自分のビジネススキルを売り込む」ための場です。面接官は、応募者が自分の会社で活躍できるかどうかを判断しています。そのため、質問パターンを予想して、ふさわしい回答を準備しておかなくてはなりません。
ここでは「経験を生かす」を使用した例文を5つ紹介します。応募する職種に関係した経験があるときは「生かす」を使用することがポイントです。履歴書の志望動機や自己PRの欄で迷った際の参考にしてください。
- ボランティア活動の場合
- アルバイトスタッフの場合
- 部活動での場合
- インターンの場合
- 前職がある場合
1:ボランティア活動の場合
ボランティア活動では、幅広い人々の交流で社会への思いやりや多様性を学ぶことができます。活動中に得たものは入社後の業務で役立つでしょう。とくに、清掃美化や福祉施設での手伝いなど、活動の内容が応募する部署と関係がある場合は、自分の強みや長所となります。
例として「私は以前にボランティア活動に参加したことがあり、様々な世代の人と関わることで、思いやり支え合う気持ちを学びました。この経験を福祉業で社会に貢献している御社で生かしたいと思い志望いたしました。」などです。
2:アルバイトスタッフの場合
学生時代のアルバイト経験を志望動機に使いたい方もいるでしょう。経験があることを伝えることでノウハウや知識があり、入社後すぐに活躍できる人材と評価されるため、良い印象に働きかけるでしょう。
例文としては、「私は学生時代、レストランでアルバイトを経験しました。接客業では先輩の指導のもと、マナーや言葉遣いなどを学ぶことができました。このアルバイトでの経験を生かして、人のために役立つ仕事に就きたいと考え御社を志望いたしました。」などです。
3:部活動での場合
部活動に励んでいた場合は、部活動を通して、困難を乗り越える力や協調性についてなどをアピールできます。自分の強みをしっかりと面接で伝えましょう。
例文は「学生時代はバスケットボール部に所属していました。仲間同士助け合う気持ちや、問題の解決に向けた思考力など、部活動で学んだ経験を生かしたいと考えています」などがあります。
4:インターンの場合
インターンの経験があると、自分自身が入社後の実際の勤務について想像しやすいことや、会社側も選考の際の評価材料のひとつにする可能性があります。そのため、インターンでの経験を今後どのように会社に貢献したいか、具体的に考えることが大切です。
例文としては「私はインターンに参加した際、営業職の業務をさせていただきましたが、自分の言葉で自社の魅力をアピールすることにやりがいを感じていました。インターンの経験を生かして御社のサービス向上に貢献したいと考えています。」などです。
5:前職がある場合
転職活動の面接では、前職の経験を聞かれることが多くあります。前職がある場合は、会社側が求める即戦力となりようにしっかりとアピールしなければなりません。
例文としては「私は前職で◯年間事務職に従事してきましたが、これまで得た知識や経験を御社で生かしたいと思い志望いたしました。」などです。
「経験を生かす」と「経験を活かす」の違いを理解しよう
「経験を生かす」と「経験を活かす」は漢字が異なりますが、意味が重なる部分が多くあります。それぞれが本来持つ意味にふさわしい使い方をすることが大切です。
記事の情報を役立てて、今後の転職活動の参考にしてください。
監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】
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