親に転職を反対された場合の対処法|快く賛成してもらえない理由も解説
「新しい環境で自分を試してみたいけど、親はいい顔をしない」
「親に転職を切り出したら、大反対されてしまった。どうしよう」
転職について本格的に考えている人にとって、大きな難関の一つは親が難色を示した時の対処法ではないでしょうか。
本格的な転職活動を決意する際に、親から反対されたり、賛成してもらえなかったりする可能性は意外に高いものです。そんな時、一方的に感情を悪化させるだけでは、解決になりません。
今回は、転職を決意する際、特に親から反対されたり、難色を示されたりした場合にどうしたらいいか、その対処法や心の持ち方を中心にまとめています。これを知ることで、親の考えや反対する理由を理解し、具体的な転職への行動を取れるようになります。
これを参考にして自分の信じる道を親にも理解してもらえるよう、親の立場も理解しながら自分の考え方を見つめ直す機会にしてください。
目次
親に転職を反対されたけどどうしたら良い?
来年をめどに転職を考えていると言った時、両親に反対されたら、どんな反応をするといいでしょうか。
転職に反対する親の考え方や理由は千差万別です。子どもからすれば、賛成して応援してほしいと思うものですが、現実はそうとばかり限らず、転職について親から反対されることがあります。
今、実際に転職を反対されている人も、これから転職について親に話そうとしている人も、感情的になってばかりはいられません。これこそ転職への第一歩だと思って、対策を練っていきましょう。
親が転職を反対する10の理由例
ここからは、なぜ親は転職について難色を示すのか、10のポイントにしてまとめています。まず親の立場から見て、反対する理由について考えてみましょう。
今まで自分の考えだけでは思いもしなかった視点に気づいて、親の気持ちを理解する機会になることもあります。
1:転職先の企業をよく思っていない
転職先として具体的な企業名を言ったけれど、その企業に対するイメージがよくなければ、親はひとまず反対意見を言う可能性があります。
その企業が過去に何かよくない事件に関わっていたのか、親が実際に嫌な体験をしたのか、それ以上に何か理由がある場合もあります。
その意見が妥当であれば、これはむしろあなたにとって参考になることです。否定的に考えている理由が何であれ、あなたにとって参考になる機会にもなりますから、一度はきちんと聞いてみましょう。
2:転職によって自分たちにもデメリットがあると思っている
今、子どもが働いている環境について親が満足している場合は、転職自体が自分たちにとってデメリットに映ることがあります。
これに該当するのは、子どもが転職することによって、精神的、金銭的に親の負担が増える可能性がある場合です。さらに孫の世話を押しつけられるかもという心配をする親も、最近では増えてきています。
親の立場からはどう見えているのか、じっくりと話に耳を傾けてみましょう。解決の糸口があっさりと見つかる可能性があります。
3:転職自体を快く思っていない
終身雇用が当たり前で一生同じ組織に属する人が大部分だったという世代であれば、転職ということ自体に否定的なイメージを持つ親もいるでしょう。
転職するということは、組織から外れた人、能力に問題がある人などという昔の概念が、どうしても拭いきれていないからです。
転職することにプラスのイメージを持っていないため、子どもが突然転職すると言ったら、ひとまず反対してしまうというのが親心というものでしょう。考え方に違いがあるということを、客観的に受け止めるようにしましょう。
4:安定を手放すことが惜しいと思っている
親から見て、子どもが今いる職場が安定的だと思っている場合、転職することは不安定なイメージに見えるでしょう。
転職して新しい組織に入ると、大なり小なり試行錯誤を経ることになりますし、不安定な環境にならざるを得ません。そのこと自体を心配するのは、親がそれだけ人生経験が豊かだからです。
親のいいなりになることが全てではありませんが、子どもが安定した収入と地位を得て、幸せになってほしいと思えばこその親心も理解しましょう。
5:遠く離れて住むのが不安だから
万一、転職によって子どもが県外など遠くへ引っ越さなければならない場合、特に娘の場合は心配して反対する親が多いようです。
多くの親は、子どもをずっと手元に置いておきたいと思うものです。転職に漠然とした不安を持っていたり、家族に病気の人がいたりすると、離れて暮らすことに不安を感じることもあります。また、子離れができていない親も不安がる可能性があります。
これは論理的な説明だけでは、納得させることは難しいでしょう。少し時間をかける必要があると、心にゆとりを持ちましょう。
6:他の家族にも迷惑がかかるリスクがある
子どもが転職することによって、親だけでなく他の家族にも影響を与えることはあり得ます。例えば、すでに独立している他の兄弟と同居するとか、引っ越しの費用を頼ることになるなど、現実的な面でのリスクがあるからです。
親は先を心配するので、そういったことによる家族の不和やリスクを心配し、転職そのものも反対するという可能性があります。
しかし、これは転職の当事者であるあなたが、真剣に解決しようとする態度を見せることが一つの解決策になるでしょう。
7:終身雇用の世代なので価値観が違う
以前の日本は、一度就職したら、定年退職まで同じ企業に所属することがよいことと思われていた時期がありました。そういう価値観の影響を受けている世代の親は、単純に転職することに対して否定的な価値観を持っている場合があります。
そのため、転職しないで同じ会社にいることがむしろリスクになる可能性があるという考え方など、転職を決意した子どもがよく説明して理解を得る努力をしましょう。
今は、転職することに世間的な偏見はありませんが、家族だからこそ、親は少し保守的に反応する可能性もあります。
8:本気がどうかよくわからないから
子どもが転職すると言った時、言下に反対されたなら、親はあなたの真剣さを疑っている可能性があります。
転職活動や転職後、予想外のつらい経験をする場合もあり得ます。そういうことがわかっている親からすれば、子どもの真剣さが疑わしいならば反対したくなるでしょう。
転職にどれだけ本気なのか、説明するあなたの態度で親は判断しているのです。
9:子どもが就活で苦労していたことを知っているから
新卒で就職活動をした時の子どもの苦労を知っている場合も、親が転職に反対する人が多いようです。
自分の子どもには楽に幸せになってもらいたいと思うのが親心です。苦労してやっと就職したのに、また転職活動だなんて、給与が下がるのでは、と頭から反対したくなるのもまた親心でしょう。
10:今いる会社を気に入っているから
子どもが今いる会社が大手だったり有名だったりする場合、親は満足している傾向が高いとされています。
実際に働いている子どもにとって今の会社はどんな環境なのか、親にはわかりようがありません。見た目やイメージがいい会社にいる子どもが急に転職したいと言えば、親としては反対したくなってしまうこともあるでしょう。
その他にも公務員など安定感のある職場にいる子どもには、定年まで転職してほしくないと思ってしまうようです。
親に転職を反対されやすい人の特徴
ここでは転職しようとした際、親に反対されやすい人はどんなタイプか10のポイントにしてまとめています。
これは大なり小なり誰もが持っている部分ですが、自分にはどんな面があるかを振り返るつもりで客観的に見ながら、改善する手がかりにしてください。
親に心配をかけないように生きてきた
小さいころからしっかり者と言われて、親には特に心配をかけた記憶がないという人も多いでしょう。
親を不安にしたことのない子なのに、何も言わないで急に転職を切り出されて衝撃を受けたせいで反対してしまったという親もいるものです。
しかし、これは時間をかければ十分に親の理解を得られる部分ですから、焦らずに説明して納得してもらいましょう。
いつも親に頼りがちである
これまでの人生で大事なことはいつも親の意見に従ってきた人は、転職についても同じ傾向があります。
少しでも親の反対にあって転職を考え直すことができるなら、今の会社でもう少し頑張ってみるということを考えてみるのも一つの方法です。
転職後のプランを考えていない
転職は、それ自体がゴールではありません。新たな職場で自分の力を発揮しながらどんな仕事をしていきたいのか、最終的にはどんなキャリアを積みたいのかを先にプランニングする必要があります。
その上で、必要な手段として転職があると説明することができれば、あえて反対する親は多くないでしょう。転職後のキャリアプランを考えていなかった人は、今すぐにでも考えてみてください。
優柔不断である
自分はふだんから優柔不断な性格だと思っている人や、人の話に流されやすい人は自覚を持つことが大切です。
転職とは人生に大きな影響を与える出来事です。親に少し反対されて、どうしようかと悩むようであれば、今の職場でもう一度頑張ってみるということも考慮してみましょう。
優柔不断なことが悪いのではありません。転職についても内心で葛藤するようであれば、それは考え直す余地があるという意味にもつながります。
常に親の言いなりである
これまで進学先選びや受験などにおいて、いつも親のアドバイスに従ってきた人は、親からこの子は自分がコントロールできると思われている可能性があります。
確かに、親の言うことに従っていれば何かと楽かもしれません。いつも親の助言に従うタイプの人は、本能的に親の言うことを信じて間違いないと思い込んでいる可能性があります。
しかし、転職するのはあなた自身です。自分の人生の今後を決める大切な問題ですから、まずは自分の考えをきちんと決めることが先です。
変化に不安を感じている
これまで生きてきた中で、新たな変化には常に不安を感じてきたという人もいるでしょう。
人は誰しも将来に多少の不安を持つものです。しかし、現状のままだからといって、必ずしも安心できるとも限らないということを、ここで再認識してください。
同じ会社にいても、自分の意志と関係なく仕事が変わることもあるわけですし、何も変わらないという保障はありません。
自分を信じることができていない
思い切って転職を決意したのはいいけれど、そこで自分が通用するか不安だという人もいるでしょう。
結論から言えば、誰よりもあなたがあなた自身を信じてあげることが大切です。転職する時だけでなく、誰かと交流する時でも、これまでの自分に自信を持つことはとても重要なことです。自尊心ではなく、自己肯定の気持ちを持ちましょう。
自己判断が苦手である
これまで自分で何も決めずに生きてきた人はいないでしょう。
例えば、いつ食事をするか、どの道を通って家に帰るか、小さなことでも自己判断してきているでしょう。自己判断が苦手だと思っている人は、それだけ慎重な可能性があります。
しかし、心の奥には自分だけの価値観というものがあるため、苦手意識を持たずに本当に自分はどうしたいのかを考えてみましょう。
親の敷いたレールを外れずに歩いてきた
今まで、親の意見は絶対だと思って育ってきた人は、親の意見どおりに学校も進路も選んできた可能性があります。
親の意見や評価が自分を判断する基準だと思い込んでいる人は意外に多いものです。しかし、社会に出た後は、親でも経験したことのない世界が広がっています。ここから先は親にも判断しかねることばかりでしょう。
自分のレールは、自分で敷く時が来ているのです。
なんでも親に相談してしまう
親子関係がフレンドリーで、何でも相談できる間柄だというのはとても素晴らしいことです。
しかし、親に相談できるということと、決定まで親に任せるということは意味が違います。あなたの人生を決める時、自分のことのように考えてくれる親の存在はありがたいけれど、最終的には自分の人生ですから、自分で決断しましょう。
親に転職を反対された場合の11の対処法
ここまで、転職を親に反対された時の理由と、反対されやすい人はどんな人かを見てきました。自分の弱い点を指摘された気分になった人もいるかもしれませんが、客観的に自分を見つめるための助言だと受け止めましょう。
それでは、転職を反対する親にどう接するべきか、11のポイントを中心に具体的な対処法を見ていきます。
これによって、もし現実に転職を反対されたとしても、本当に望むことであれば、感情的にならずにしっかりと前に進むことができるようになるでしょう。
1:何度も説得をする
本当に転職しようと決意したなら、ある程度は親の反対も覚悟したほうがよいでしょう。
じっくり考えて、転職するための準備とその理由について心の整理がついていれば、何度でも説得する自信がつきます。親がある程度納得してくれるまで、根気よく説得するという真摯な姿勢を示すとよいでしょう。
2:真剣に自分の思いを話す
何度も説得するのと同様に、自分の思いを真剣に話すことも大事です。
一過性の会社辞めたい病ではなく、真剣に考えて結論を出したことなのだという点を親にわかってもらうことが重要です。親はあなたのことを心配しているからこそ、あえて否定的な意見を言っている場合もあります。中途半端な思いではないことを表現するようにしてください。
3:何も言わずに転職する
熱意を持って説明しても、わかってもらうまでに相当な時間がかかりそうな時はどうしたらいいでしょうか。
あまりお勧めできることではありませんが、転職することで親に直接的な影響がないのであれば、何も言わずに転職するという方法もあります。そんな時は、転職エージェントを積極的に活用して客観的な情報を得るようにしましょう。
あなたは、自分で判断して行動に移すということもできる年齢です。
4:転職後に事後報告をする
転職活動自体は、親の力を借りなくても可能なことですから、先に転職することもできます。転職にはタイミングも大切ですし、親の理解を得るには時間がかかりそうだと言う場合は、こういう方法もあるでしょう。
親には事後報告になってしまいますが、結局は責任を持って行動できる大人なのだということをわかってもらえるように誠意を持って話すことで理解してもらうのも一つの方法です。
5:自分で転職のことを見直す
親の反対が強く、理解を得るまでに時間がかかりそうな時、心が折れそうだと思った人もいるでしょう。
どうしても転職したい、しなければならないという考えを、一度は客観的な目で見る時間を持つこともいい方法です。今いる会社が嫌だから転職したい、と心の中で叫んでいるなら、そんな時こそ自分を冷静に見直す努力をする必要があります。
6:転職後のプランまで説明する
親に理解してもらう方法の一つに転職後のプランを説明するという方法があります。
自分はどんなキャリアプランを持っているか、すぐにきちんと説明できるでしょうか?そのためには転職が必要なのであれば、仮に実現する可能性が高くないとしても、どれだけ真剣に考えているかということの証明にもなります。
例えば資格取得にプラスになるとか、キャリアに大きなプラスになるなど、論理的な説明があれば説得力が増します。
7:親が納得できるように業界のことを調べる
業界のことを調べるということは、親に説明する以前に、自分自身が納得いくまでやるべきことです。自分の人生を懸けて転職するのですから、自分自身が納得いくまで業界のことを調べるのは最初にすべきことでしょう。
転職前よりも一時的にでも年収が下がるかもしれない、転職先の企業は、今の企業よりも小規模だなど、特に親が不安に考えるような点は重点的に調べて、答えられるようにしてください。
8:他の信頼できる人にも相談してみる
転職を考えた時に特に頼りになるのは、外部の専門家やエージェント、尊敬する先輩などの存在です。
転職したいと思うあまり、冷静さを少し欠いている場合もあります。親の意見はあまり耳に入ってこないという時もあるでしょう。
そんな時は、具体的な転職先の検討だけでなく、キャリアプランや人生設計も含めて、第三者の信頼できる人に相談してみることをお勧めします。
9:しっかりと自分の考えを持つ
転職するということも、実際には大変なエネルギーを必要とします。またその前に現在の会社を円満に退職するということも、想像以上にエネルギーを必要とします。
いくら親でも、あなたの人生に最後まで責任を持ってくれることはできません。とにかく自分のキャリアプランや人生設計をしっかり考えて、自分というものを持つことが大切です。そして、自分を信じることも大切です。
10:転職した後にとにかく成果を上げる
すでに内定をもらっている場合、親の承諾を得るまで待っていられないということもあり得ます。社会人なのですから、自分でよく考えて先に転職するという手もあり得るでしょう。
そんな場合は、転職後になんらかの成果を親にも見せて、理解を得るという解決策もありです。そしてもう一つ、あなた自身が転職後に充実した日々を送っている様子を見せることも大切です。
後からでも、親にわかってもらえるように努力することは大切です。
11:親の意見も一度受け入れてみる
転職を反対された時、いったんは親の意見を受け入れてみることも大切です。
理由としては、親の意見をまず受け入れるという姿勢を見せると、親も子どもの意見を聞いてくれるようになるという相乗効果が期待できるからです。
親にはつい感情的になってしまいがちですが、少し冷静になる時間を持つつもりで、いったんは受け入れることも大切です。それが見た目だけの態度だとしても、親に対しては必要な場合もあります。
転職を計画し始めた時から親には相談しておこう
自分の親は転職に否定的だと思う場合や、逆に何でも話してほしいと思っている親だと感じた場合は、転職を考え始めた時から親にそれとなく話しておくといいでしょう。
特に転職に対する親の不安感は、あなたの正直な話を聞くことで少しずつ解消できます。また、転職の過程を親に話すことで、強く反対していた親が応援する側に変わることもあり得ます。
親には気持ちを伝えるだけにせよ、相談するにせよ、前もって話しておきましょう。
親に転職を反対されても自分の意志を強く持とう
ここまで、転職する際に親に反対された場合の接し方や考え方について紹介してきました。この内容を参考にして、親の意見をどう受け止めるべきか、どう見つめ直すかをもう一度考え直してみるきっかけにしてください。
転職は誰よりも当事者であるあなた自身の考えと決意が大切です。まずはその部分をよく見つめ直して転職活動にのぞんでください。
監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】
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