事業所得とは?計算方法や青色申告するメリットなどをあわせて紹介
「事業所得にはどのようなものが含まれるの?」
「事業所得の計算方法がよくわからない」
「副業するときの事業所得はどうなるの?」
このような悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では事業所得の内訳や課税との関係、計算方法や雑所得との違い、経費計上の方法、所得を青色申告する際のメリットなどについて詳しく紹介しています。
記事の内容を読むことで、事業所得の概念や計算方法がわかるだけでなく、雑所得との間違いを防ぎ、青色申告で得られるメリットを存分に活用できるようになります。
これから副業をしたいと考えている人や、個人事業主に興味がある人、副業にあたっての確定申告に不安があるという人はぜひ読んでみてください。
目次
事業所得とは
事業所得とは、農業や漁業、製造業、サービス業などの事業から生ずる所得のことを指します。不動産貸付けや山林所得・譲渡所得に該当する所得を除いて、計上しなければなりません。
不動産貸付けや山林所得などの、いわゆる不労所得に該当するものは、不動産所得や山林所得に該当します。
事業者は確定申告をスムーズに行うためにも、事業所得の計上方法や正確な数字をしっかりと把握しておくことが重要です。
出典:No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)|国税庁
事業所得の計算方法
事業所得の金額は、総収入金額から必要経費を差し引いた額で、損益計算書や収支内訳書によって算出します。計算方法は、総収入から必要経費を引いて出た金額が、事業所得となります。
正確な金額を算出するためにも、日頃から帳簿の管理を徹底しておくことが大切です。必要経費を差し引くことで、事業所得の金額も減らすことができるため、納める税金も少なく抑えることができるでしょう。
出典:No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)|国税庁
総収入金額(売上など)とは
総収入金額は、わかりやすく言うと主に事業の売上金額のことで、売上が発生した時点で収入金額として計上されます。
総収入金額は、売上金などの金額がわかりやすいものだけでなく、仕入割引などといった形のないものであっても、その価値が収入とみなされることが特徴です。得た時点での価値を知っておくことや、仕入割引などの金額を把握しながら正確な金額を算出しましょう。
出典:No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)|国税庁
必要経費とは
必要経費は、売上原価や販売費、管理費など、収入を得るために必要になった費用の総称です。給与や減価償却費、家賃などもこれに該当します。
例えば店舗での事業であれば、テナント代や光熱費、通信費、従業員を雇うための賃金、販売するために仕入れた商品の原価額などが必要経費として算出されます。
必要経費は事業所得を得るための、業務上必要なものに対する費用です。特に、減価償却費は金額が変動しやすいため、慎重に算出する必要があるでしょう。
事業所得と混同しやすい雑所得とは
事業所得の金額は、総収入金額から必要経費を差し引いた額で、損益計算書や収支内訳書によって算出します。計算方法は、総収入から必要経費を引いて出た金額が、事業所得となります。
正確な金額を算出するためにも、日頃から帳簿の管理を徹底しておくことが大切です。必要経費を差し引くことで、事業所得の金額も減らすことができるため、納める税金も少なく抑えることができるでしょう。
出典:No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)|国税庁
総収入金額(売上など)とは
総収入金額は、わかりやすく言うと主に事業の売上金額のことで、売上が発生した時点で収入金額として計上されます。
総収入金額は、売上金などの金額がわかりやすいものだけでなく、仕入割引などといった形のないものであっても、その価値が収入とみなされることが特徴です。得た時点での価値を知っておくことや、仕入割引などの金額を把握しながら正確な金額を算出しましょう。
出典:No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)|国税庁
必要経費とは
必要経費は、売上原価や販売費、管理費など、収入を得るために必要になった費用の総称です。給与や減価償却費、家賃などもこれに該当します。
例えば店舗での事業であれば、テナント代や光熱費、通信費、従業員を雇うための賃金、販売するために仕入れた商品の原価額などが必要経費として算出されます。
必要経費は事業所得を得るための、業務上必要なものに対する費用です。特に、減価償却費は金額が変動しやすいため、慎重に算出する必要があるでしょう。
事業所得と混同しやすい雑所得とは
事業を行う上で、所得の正しい計上方法を知っておくことはとても大切です。そのためには、事業の収支がどの分類に当たるのかを正確に割り振らなければなりません。
その中でも、特に分類が分かりにくいとされているのが雑所得です。雑所得は事業所得として混同されることが多く、間違えたままで申告してしまう人もいます。
何が雑所得に該当するのか、正しい知識をあらかじめ身に付けておくことで、計上時に間違いが起きにくくなるでしょう。
雑所得とはいずれの所得にも当たらない所得
雑所得とは、給与所得や事業所得、不動産所得、一時所得などのいずれの所得にも当たらない所得のことです。
例えば、副業で行っているハンドメイド作品の販売や、シェエアリングエコノミーで得た収入、FXなどの投資で得た利益や個人年金などの保険で得られる収入、書籍出版で得られる印税、金銭の貸与による利子なども雑所得に当たります。
本業か副業かによっても区分が分かれてくるので、雑所得と事業所得を混同しないように計上しましょう。
副業は雑所得に該当する場合が多い
副業で得た収入は雑所得に該当する場合が多いです。ただし、副業の方法によっては当てはまらないケースがあることにも注意が必要です。
事業所得か雑所得かは、事業規模や反復継続して行われる仕事かどうかといった観点から、総合的に判断されます。本業としての収入源がある会社員が副業で行っているものは、雑所得として扱われることが多いでしょう。
本業を持ちながら副業で収入を得ている人は、申告時に雑所得として計上すること忘れないようにしてください。
事業所得と認められなかったケース例
事業所得として認められなかったケースとして、有価証券・商品先物取引売買やFX取引に関する事例がよく挙げられます。
これらの取引は事業所得の判断基準である、反復継続して行われるものではあるものの、投機性が強く、安定した収入を得る可能性が低いことなどを理由として、事業所得と認められないケースが多いです。
このため、所得金額が不安定であるものに関しては、雑所得になりやすい傾向があるといえるでしょう。
出典:有価証券の継続的売買による所得 | 公表裁決事例等の紹介|国税不服審判所
副業を事業所得として青色申告するメリット
副業で収入を得た以上は、確定申告を行わなければなりません。確定申告の方法には通常の白色申告と、個人事業主にとっては定番の青色申告があります。
副業を事業所得として青色申告すると、様々なメリットが得られます。ここでは、青色申告にどのようなメリットがあるのかを紹介します。
- 青色申告特別控除を適用できる
- 純損失の繰越しと繰戻しができる
- 30万円未満の少額減価償却資産の特例が利用できる
- 青色事業専従者給与
- 貸倒引当金
- 給与所得などと損益通算できる
- 白色申告でも事業専従者控除の特例を使える場合がある
青色申告特別控除を適用できる
青色申告特別控除とは、個人事業で得た所得の中から一定の控除額を差し引く制度で、青色申告を行うことによって収める税金の額を軽減できます。青色申告特別控除額は一律ではなく、10万円〜55万円と所得によって控除額が変動することも特徴の制度です。
出典:令和2年分の所得税確定申告から青色申告特別控除額が変わります!!|国税庁(PDF)
純損失の繰越しと繰戻しができる
本来であれば、申告を行った時点で純損失と呼ばれる赤字の状態であったとしても、繰越しはできません。
しかし、青色申告では事業の純損失を3年間所得から差し引くか、利益の出た前年度分の所得に繰り戻して還付を受けられます。
3年間の枠の中で利益と損失を相殺し合いながら、税金を最小限に抑えることができるのが大きなメリットです。
出典:青色申告と白色申告の違いとは?2つの確定申告方法のメリット・デメリット|L&Bヨシダ税理士法人
30万円未満の少額減価償却資産の特例が利用できる
青色申告を行うと、業務上で購入した30万円未満の固定資産に対して、一定の要件に該当していれば経費として計上できる制度があります。
例えば、通常であれば、車や建物などの資産は10万円を超えると分割しながら経費計上しなければならず、年度途中で購入した場合は全額を経費で落としきれない場合があります。
しかし青色申告を行った場合は、30万円未満であれば年間合計300万円まで経費に計上できます。
経費に上げることで課税対象の所得が減り、節税効果を得やすくなるでしょう。
出典:No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例|国税庁
青色事業専従者給与
青色申告では配偶者や親族が事業を手伝っている際、その給与を必要経費として事業の所得から控除することができます。青色申告の場合は控除額に限度が定まっていないため、個人の能力に応じた給与を支払うことができます。
一方、白色申告にも事業専従者控除というものがありますが、こちらは限度額が決まっているのが特徴です。
家族で事業を行う際にはメリットが大きい制度ですが、家族を青色事業専従者にする場合はいくつかの条件を満たした上で、税務署へ専従者給与に関する届出書を提出する必要があります。
出典:No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除|国税庁
貸倒引当金
青色申告事業者の特権として、貸倒れによる損失見込額として、年末の貸金の帳簿価額合計額の5.5%(金融業は3.3%)以下の金額が必要経費として認められています。
貸倒引当金を経費として所得から差し引くことで、課税額を軽減できる点もメリットです。
給与所得などと損益通算できる
青色申告では、所得の中でさらに細かく分けられた区分の中で、黒字と赤字の部分を通算し合わせる損益通算が可能です。
損益通算とは、事業所得や不動産所得など、黒字の所得で赤字の所得を相殺しながら計算していき、赤字を減らしていく仕組みです。雑所得は、給与所得など他の所得と損益通算できませんが、事業所得は青色申告でも白色申告でも損益通算できます。
黒字の所得を赤字の所得と相殺することで、所得金額が減り、結果的に節税につながります。
白色申告でも事業専従者控除の特例を使える場合がある
前述でも少し触れましたが、白色申告でも家族経営の事業を行うにあたって、事業専従者控除の特例を使える場合があります。具体的には、所得金額や事業に専ら従事する家族従業員数などに応じて計算される金額を必要経費とみなし、事業専従者控除を受けられる制度です。
青色申告は家族従業員の給与が経費となるのに対し、白色申告では一定額の控除となるのが大きな違いです。白色申告では規定によって控除額が決まりますが、控除を受けるためには手続きなどは必要なく、白色申告書に必要事項を忘れずに記入するだけです。
出典:No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除|国税庁
サラリーマンも事業所得などの副収入があれば確定申告すべきか?
サラリーマンでも、副収入があれば確定申告をする必要があるのではないかと考える人も多いでしょうか。しかし、サラリーマンは年末調整を受けていれば、基本的に確定申告する義務はありません。
しかし、副収入である雑所得や事業所得などが20万円を超えている人に限っては、確定申告の義務が生じます。
副業を行うにあたっては、どれくらいの収入があるのかをしっかり把握し、必要に応じて確定申告を行いましょう。
事業所得のメリットを活用しよう
事業所得を計上する際には、経費をもれなく差し引くことや青色申告と合わせて行うことで多くのメリットが得られます。
個人事業者に対する制度は、企業の制度より優遇されている部分も多いため、現在では誰もが個人事業者になれるチャンスを持っているといえるでしょう。
これから副業を始めたいと思っている人や、個人事業を始めたいと思っている人は、事業所得の仕組みを最大限に活用してみてはいかがでしょうか。
※初回公開日:2023年2月14日
監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】
株式会社エーティーエスが運営する本サイト「キャリテ」では、みなさまの「キャリア」「働く」を応援する記事を掲載しています。みなさまのキャリアアップ、より良い「働く」のために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。
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