はじめに
就職活動における自己PRは、自分自身を企業に紹介する“名刺”のような存在です。
特にエンジニアを目指す方にとっては、技術スキルや論理的思考力、課題解決力などが問われます。
本記事では、自己PRの構成方法や強化のステップを紹介します。前向きに取り組めるヒントをお届けします。
目次
自己PRの基本構成:エンジニア目線で押さえるポイント

強みの一言化
まずは自分の強みを「一言」で表現しましょう。
たとえば「複雑な情報を整理する力」や「やり抜く集中力」などです。
曖昧な表現は避けましょう。「私は〇〇に強みがあります」と明確に伝えることが大切です。
経験に基づく裏付け
職務経験やプロジェクトでの実績を具体的に紹介しましょう。
チームでの課題対応なども効果的です。
「なぜその経験が印象的だったのか」「どんな視点が得られたか」も添えると、人間味が伝わります。
成果と数字で補強
できるだけ「数字」を用いて成果を示しましょう。
「バグを30%削減」「レビュー効率を20%向上」など、具体的な数値は説得力を増します。
数字が出せない場合は、反応や貢献度で補いましょう。
応募先とのつながりを明示
その強みが応募先でどう活かせるかも示しましょう。
「御社の◯◯において、私の□□が貢献できると考えています」など。志望動機と自然に結びつけることがポイントです。
自己PR強化ステップ
ステップ1:自己分析を深める
自己理解がPRの出発点です。「何に価値を感じるか」「どんなときに力を発揮するか」を整理しましょう。
紙に書き出すと頭が整理されます。
筆者も自己PRが得意ではありませんでした。
「周囲の人は自分をどう見ているか」を思い出すと、意外な強みに気づけました。第三者の視点は貴重です。
過去の選択を振り返るのも効果的です。
「なぜその技術を学んだのか」など、価値観や判断軸を探りましょう。
一貫性と納得感のあるPRに繋がります。
ステップ2:経験を棚卸しする
実務経験やプロジェクトを振り返りましょう。
「どんな課題に挑み、どう解決したか」を整理します。「どんな貢献をしたか」も明確にしましょう。
例:「保守運用の中で業務を自動化し、月20時間の工数を削減」。即戦力を示す自己PRになります。
ステップ3:STAR法でストーリー化
自己PRの内容を整理する際には、「STAR法」が非常に有効です。
これは、過去の経験を構造的に伝えるためのフレームワークで、以下の4つの要素で構成されます
・S(Situation):状況 … どんな場面で、どんな背景があったのか?
・T(Task):課題 … その中で、自分に与えられた役割や解決すべき問題は何だったか?
・A(Action):行動 … 具体的にどんな行動をとったのか?どのような工夫をしたのか?
・R(Result):結果 … その結果、どのような成果を上げたのか?数値や周囲の反応なども含めて明確に伝えましょう。
たとえば、
S(状況):自社サービスの問い合わせ対応に時間がかかりすぎていた。
T(課題):問い合わせ対応を効率化し、エンジニアの工数を削減する必要があった。
A(行動):過去の問い合わせ内容を分析し、よくある質問をまとめたFAQシステムを社内に提案・構築。
R(結果):問い合わせ対応時間が約30%短縮され、サポート業務の品質向上にもつながった。
このようにSTAR法でまとめることで、エピソードに筋が通り、読み手にとっても理解しやすくなります。
また、「学び」や「今後への活かし方」を加えると、より深みのある自己PRになります。
ステップ4:言葉を整え、練習する
自己PR文は声に出してチェックしましょう。リズムや説得力を確認できます。
「その結果」「そのとき私は」など、接続詞を工夫すると読みやすくなります。
否定表現を避け、ポジティブな表現を使いましょう。「30秒で話せるバージョン」も用意し、練習しておくと安心です。
ステップ5:フィードバックを活用する
信頼できる人やキャリア支援者に見てもらいましょう。「伝えたいことが伝わっているか」を確認できます。
模擬面接も効果的です。話し方や言葉の調整点が見つかります。
練習を重ね、自信を持って語れるようにしましょう。
季節感を取り入れて印象アップ
季節に合った経験を選ぶと、PRに温かみが加わります。
・春:新しいプロジェクトでのリーダー経験
・夏:繁忙期の開発フェーズでの工夫と工数管理
・秋:年度末に向けたシステム改善提案の実行
・冬:1年の振り返りを活かした来期の目標設定
特にエンジニアにとっては、「技術的にどんな成長を重ねてきたか」を時系列で示すと、成長意欲や継続力が伝わりやすくなります。
小ネタ&現場の声で差をつける
現場では「どう考え、どう行動したか」が重視されます。
技術的に苦戦した話や、仲間と連携した経験は共感を呼びます。
成功体験が浮かばなくても大丈夫です。「誰かに感謝された経験」「褒められた言葉」を思い出しましょう。
それが強みのヒントになります。
技術ブログの購読や、「Open Source Software(オープンソースソフトウェア)」への小さな貢献なども好印象です。
背伸びせず、自分らしさを伝えることが大切です。
まとめ
自己PRは、一朝一夕で完成するものではありません。
何度も考え、言葉を磨き、他者の意見を取り入れながら育てていくものです。大切なのは、自分の経験と真摯に向き合い、ポジティブな言葉で伝える姿勢です。
エンジニア志望の方こそ、自分の技術的なこだわりや考え方、そしてどんなチームでどんな価値を生み出したいのかという想いを、ぜひ自己PRに込めてください。その積み重ねが、必ず未来の扉を開く力になります。
どんな経験も、必ずあなたの強みになります。
焦らず、丁寧に、少しずつ自分を言葉にしていきましょう。応援しています!

監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】
株式会社エーティーエスが運営する本サイト「キャリテ」では、みなさまの「キャリア」「働く」を応援する記事を掲載しています。みなさまのキャリアアップ、より良い「働く」のために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。
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