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エンジニアの“自己PR”はどこに書く?職務経歴書・履歴書・ESに活かす実践ガイド

はじめに

エンジニアとして転職や就職活動を始めるとき、「自己PRってどこに書けばいいの?」という疑問を持つ方は少なくありません。

実は自己PRは、それ単体で存在するものではなく、職務経歴書や履歴書、エントリーシート(ES)などの書類全体の“軸”になる要素です。つまり、自己PRは目的ではなく「選ばれるための設計図」なのです。

数多くのエンジニア面談・書類選考を支援してきた人材紹介の現場担当者ならではの視点から、
職務経歴書・履歴書・ESで“採用担当者に響く自己PR”をどう設計すればよいかを、具体的に解説します。



テクパス

自己PR=職務経歴書の「設計軸」になる

● 書類の中で自己PRはどのように活かされる?

  • 履歴書:限られたスペースで端的に人柄・強みを伝える。自己PR欄があればそのまま活用。
  • 職務経歴書:エピソードや成果で「再現性」を見せる
  • ES(エントリーシート):価値観や将来像、成長意欲を表現する

どのフォーマットでも、自己PRは「自分の強みを“相手目線”で言語化したもの」であることが重要です。

たとえば、“技術力”を語るだけではなく、「どんな課題にどう向き合い、どう貢献できたのか」を整理して伝えることがポイントです。

書類に活かす!エンジニア自己PRの基本構成

自己PRの強化方法:就職活動に役立つ自己PRのコツ
1:強みを「一言」で伝える

まずは自分の強みを「一言」で表現しましょう。
たとえば
「複雑な仕様を理解し、要件を明確にする力」
「継続的にやり抜く実行力」
などです。
抽象的な曖昧な表現は避けましょう。「私は〇〇に強みがあります」と明確に具体的に伝えることが大切です。

2:経験に基づく裏付け

職務経験やプロジェクトでの実績を具体的に紹介しましょう。
チームでの課題対応なども効果的です。
「3か月で問い合わせ管理システムを刷新し、対応工数を25%削減」
「保守案件で属人化していた手順を標準化、他メンバーでも対応可能に」
どの様に行動をし、どう評価されたのかも添えると具体性・信憑性があがります。

3:成果と数字で補強

できるだけ「数字」を用いて成果を示しましょう。
「バグを30%削減」
「レビュー効率を20%向上」
など、具体的な数値は説得力を増します。
数字が出せない場合は、
「仮説検証の可視化を評価されプロジェクト継続に貢献」
「詳細な進捗報告により、顧客満足度が向上」
反応や貢献度で補いましょう。

4:応募先とのつながりを明示

その強みが応募先でどう活かせるかも示しましょう。
「御社の◯◯において、私の□□が貢献できると考えています」
「顧客志向のあるチームでこそ、自分の改善提案力が活きると実感」
など。志望動機と自然に結びつけることがポイントです。

自己PR強化ステップ:5つの実践ポイント

ステップ1:自己分析を深める

自己理解がPRの出発点です。「何に価値を感じるか」「どんなときに力を発揮するか」を整理しましょう。
紙に書き出すと頭が整理されます。

筆者も自己PRが得意ではありませんでした。
「周囲の人は自分をどう見ているか」を思い出すと、意外な強みに気づけました。第三者の視点は貴重です。

過去の選択を振り返るのも効果的です。
「なぜその技術を学んだのか」など、価値観や判断軸を探りましょう。
一貫性と納得感のあるPRに繋がります。

ステップ2:経験を棚卸しする

実務経験やプロジェクトを振り返りましょう。
「どんな課題に挑み、どう解決したか」を整理します。「どんな貢献をしたか」も明確にしましょう。

例:「保守運用の中で業務を自動化し、月20時間の工数を削減」。即戦力を示す自己PRになります。

ステップ3:STAR法でストーリー化

自己PRの内容を整理する際には、「STAR法」が非常に有効です。
これは、過去の経験を構造的に伝えるためのフレームワークで、以下の4つの要素で構成されます

・S(Situation):状況 … どんな場面で、どんな背景があったのか?

・T(Task):課題 … その中で、自分に与えられた役割や解決すべき問題は何だったか?

・A(Action):行動 … 具体的にどんな行動をとったのか?どのような工夫をしたのか?

・R(Result):結果 … その結果、どのような成果を上げたのか?数値や周囲の反応なども含めて明確に伝えましょう。

たとえば、

S(状況):自社サービスの問い合わせ対応に時間がかかりすぎていた。
T(課題):問い合わせ対応を効率化し、エンジニアの工数を削減する必要があった。
A(行動):過去の問い合わせ内容を分析し、よくある質問をまとめたFAQシステムを社内に提案・構築。
R(結果):問い合わせ対応時間が約30%短縮され、サポート業務の品質向上にもつながった。

このようにSTAR法でまとめることで、エピソードに筋が通り、読み手にとっても理解しやすくなります。
また、「学び」や「今後への活かし方」を加えると、より深みのある自己PRになります。

ステップ4:言葉を整え、練習する

自己PR文は声に出してチェックしましょう。リズムや説得力を確認できます。
「その結果」「そのとき私は」など、接続詞を工夫すると読みやすくなります。

否定表現を避け、ポジティブな表現を使いましょう。「30秒で話せるバージョン」も用意し、練習しておくと安心です。

ステップ5:フィードバックを活用する

自己PRの強化方法:就職活動に役立つ自己PRのコツ
信頼できる人やキャリア支援者に見てもらいましょう。「伝えたいことが伝わっているか」を確認できます。

模擬面接も効果的です。話し方や言葉の調整点が見つかります。
練習を重ね、自信を持って語れるようにしましょう。

季節感を取り入れて印象アップ

自己PRに時系列や季節感を織り交ぜることで、“積み重ね”や“成長”が伝わります。

・春:新しいプロジェクトでのリーダー経験

・夏:繁忙期の開発フェーズでの工夫と工数管理

・秋:年度末に向けたシステム改善提案の実行

・冬:1年の振り返りを活かした来期の目標設定

特にエンジニアにとっては、「技術的にどんな成長を重ねてきたか」を時系列で示すと、成長意欲や継続力が伝わりやすくなります。
テクパス

差がつく!等身大エピソードの活かし方:小ネタ&現場の声で差をつける

現場では「どう考え、どう行動したか」が重視されます。
技術的に苦戦した話や、仲間と連携した経験は共感を呼びます。

成功体験が浮かばなくても大丈夫です。「誰かに感謝された経験」「褒められた言葉」を思い出しましょう。
それが強みのヒントになります。

「大きな成果がない」「派手な経験がない」場合も問題ありません。

  • 「メンバーから感謝された」「地味だけど欠かせない作業を継続した」
  • 「技術ブログを読み続けて知見を得ている」
  • 「OSSに小さな貢献をしている」

こうした“積み重ね”が「一緒に働きたい人」としての評価につながります。
背伸びせず、自分らしさを伝えることが大切です。

まとめ

自己PRは、一朝一夕で完成するものではありません。
何度も考え、言葉を磨き、他者の意見を取り入れながら育てていくものです。大切なのは、自分の経験と真摯に向き合い、ポジティブな言葉で伝える姿勢です。

エンジニア志望の方こそ、自分の技術的なこだわりや考え方、そしてどんなチームでどんな価値を生み出したいのかという想いを、ぜひ自己PRに込めてください。その積み重ねが、必ず未来の扉を開く力になります。

どんな経験も、必ずあなたの強みになります。
焦らず、丁寧に、少しずつ自分を言葉にしていきましょう。あなたのキャリアに合った“伝わる自己PR”は、きっと未来の扉を開く鍵になります。応援しています!

 

監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】

株式会社エーティーエスが運営する本サイト「キャリテ」では、みなさまの「キャリア」「働く」を応援する記事を掲載しています。みなさまのキャリアアップ、より良い「働く」のために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。

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