飛び込み営業とは?成功させるためのコツや向いている人の特徴も解説
「飛び込み営業って、実際どんなことをするの?」
「飛び込み営業ってキツイって本当?」
「飛び込み営業が向いている人ってどんな人?」
飛び込み営業と聞くと、内容は知らなくても辛いイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
この記事では、飛び込み営業についての基本的な内容や経験することで得られるメリットのほか、飛び込み営業を成功させるためのコツを紹介しています。
この記事を読むことで、飛び込み営業の仕事内容や必要なスキル、事前に注意しておきたい点がイメージできるようになります。また、自分が飛び込み営業が向いているかどうかの指標としても役立ちます。
飛び込み営業に興味を持っている方はもちろん、現在飛び込み営業をしていて更にスキルアップを目指す方もぜひ参考にしてみてください。
目次
飛び込み営業とは?
飛び込み営業とは、新規の顧客をアポなしで訪問する営業スタイルのことを言います。
話を聞いてもらうためのテクニックはもちろん、相手にメリットを感じさせるような提案ができるスキルが必要となります。
事前に自社や自社製品について顧客に認知してもらったうえで訪問する電話営業もありますが、何の情報もない初対面の人に商品を売り込むという点で、難易度は飛び込み営業の方が高いと言えます。
飛び込み営業をするメリット
ネットが主流の今、古臭いと思われがちな飛び込み営業にもメリットがあります。
・重要な人物に会える
・自分や自分の会社を覚えてもらいやすい
・顧客の要望を聞き、的確な提案ができる
飛び込み営業のメリットは、電話では取り次いでもらえない相手に偶然会えることがある点です。
また、訪問することで自分や会社を印象付けられる点や、親しくなって顧客の要望を聞き出し、商品の売り込みや提案ができる点もメリットです。
飛び込み営業を成功させるためのコツ
飛び込み営業は、文字どおりアポもなくいきなり顧客のところへ訪問するため、迷惑がられることが多いのが事実です。
飛び込み営業は、ただ準備も戦略もなく訪問していてはいつまでたっても成果は出ません。突然の訪問にもかかわらず歓迎してもらえる営業マンは、これらのコツを基本的なこととして行っているのです。
以下では、飛び込み営業を成功させるための15のコツを紹介します。
- 営業先に関して下調べをしておく
- 営業先をリストアップしておく
- 話題をたくさん考えておく
- 身だしなみを整える
- 重要な部分はトーク内容を考えておく
- 相手のことを考えた時間帯に訪問する
- ビジネスマナーを守る
- 多くの場所を訪問する
- 相手が興味のある話題から話す
- できるだけ次のアポをその場で取る
- 最初から売り込まない
- ロジックを大切にして話す
- 相手のことを自然に褒める
- ゆっくりと落ち着いたトーンで話す
- 受付の人に顔を覚えてもらう
営業先に関して下調べをしておく
営業先に関する調査をしっかりしておきましょう。今はネットで顧客の情報(会社の規模、業種、必要とするであろう製品やサービス)が分かります。下調べすることで心理的な安心感を得られるだけでなく、相手との会話の糸口にもなります。
逆に、下調べをしていないと話すら聞いてもらえないこともあります。
自社の商品やサービスを売り込む際には、営業先がメリットに感じるであろう点を調べておくと、興味を持ってもらえる確率も高まります。
営業先をリストアップしておく
飛び込み営業を成功させるには、できるだけ多く訪問できるよう、事前に営業先をリストアップしておきましょう。
慣れないうちは、先入観を持たないためにも多くの企業を訪問する必要があります。慣れてきたらやみくもに訪問せず、自社商品のニーズがありそうな業種や業態の会社をリサーチしておくことで無駄が省けます。
話題をたくさん考えておく
飛び込み営業をするなら、話題をたくさん考えておくことも重要です。見ず知らずの相手が突然現れて自社の商品を売り込まれても、話を聞きたいと思う人は少ないでしょう。
自分と共通点のある人と話をすることでこの人の話を聞こうかな、と思えるようになるものです。自社の商品を説明する前段階として、まずは相手に興味を持ってもらえるような話題をいくつか用意しておくことが成功の秘訣です。
身だしなみを整える
身だしなみを整えることは社会人としての基本です。顧客からすると、面識もない人が突然やってきた時点でマイナスのイメージがあるため、せめて身なりはしっかりと整えておきましょう。
また、ビジネス書などでおなじみのメラビアンの法則によると、人は矛盾した情報を与えられると55%の割合で視覚情報を優先するという結果が出ています。
緊張のあまり、話の内容に矛盾が生じたとしても身だしなみを整えておくと何かと有利です。
重要な部分はトーク内容を考えておく
飛び込み営業において、重要な部分は予め例文などを作ってトーク内容を考えておくようにします。商品や自社の説明は、シンプルかつ短時間で伝えられるよう練習しましょう。
自社の商品を使うことのメリットなどをスムースに話せるようトーク内容を考えておけば、落ち着いて説得力を持って話ができます。
相手のことを考えた時間帯に訪問する
飛び込み営業をするには、相手のことを考えた時間帯に訪問しましょう。顧客が話を聞いてくれそうな時間帯を想定して動くことが大事です。
法人なら
・午前10時半~11時半
・午後13時~16時半
朝の時間帯や終業間際は慌ただしいため、話を聞いてもらいにくい時間帯なので注意しましょう。
個人宅なら
・午前10時~11時半
・午後13時~15時
家事が一段落した時間帯や、ごはんの準備に取り掛かる前の時間帯がおすすめです。
ビジネスマナーを守る
飛び込み営業の際は、いつも以上にビジネスマナーを守ることが大切です。なぜなら、アポなしで訪問する時点でマイナスのイメージを持つ人がいるためです。
明るく元気な挨拶に始まり、身なりや言葉遣い、仕草などの基本的なことはもちろん、相手の時間をもらっている意識を持って、自社の商品についてしっかり説明できるよう準備しておくことが大切です。
好印象を持ってもらえるように謙虚な姿勢で要件を端的に話す練習も必要です。
多くの場所を訪問する
飛び込み営業は訪問数×成約率で売り上げが決まるため、効率よく多くの場所を訪問する必要があります。
契約に至らなくても、多くの場所を訪問してたくさんの人に顔を覚えてもらい、話す機会を増やすことで自社の商品を売り込むチャンスに繋がります。
営業マン自身も訪問数を増やすことで自分の強みやアピールすべき点、顧客に合わせた対応ができるようになります。
エリアを絞って移動時間を減らし1件でも多く訪問しましょう。
相手が興味のある話題から話す
初対面の相手に、いきなり商品の売り込みをしても聞いてもらえることはほぼありません。まずは、相手に興味を持ってもらえるような話題から話すことで打ち解ける必要があります。
例えば、相手の持ち物や服装から推測して共通の話題に持っていくのも良いですし、相手が取り扱っている商品について聞くのも良いでしょう。
相手が忙しそうにしていれば、無理に話を続けず切り上げて、次回のアポをとりつけるようにします。
できるだけ次のアポをその場で取る
飛び込み営業では、突然の訪問ということもあり、話を十分に聞いてもらう時間がありません。
担当者と名刺交換ができたらその場で必ず2回目の訪問のアポを取ります。
後からアポを取ろうとしても後回しにされることがあるのです。また、アポまでに日にちがあいてしまうと、予期せぬ予定が入ったときに、相手から優先度の低いアポはキャンセルされることがあることも理由です。
アポ取りの日程としては、なるべく翌々日までに設定しましょう。
最初から売り込まない
チャンスを逃すまいと、最初から売り込まないようにしましょう。
突然現れた見知らぬ人からいきなり自社の商品を売り込まれても、相手は話を聞くどころか警戒してしまいます。
まずは信頼関係を構築することを目標として、2回目、3回目のアポを取っていくことが重要です。少しずつ顧客のニーズや問題点を聞き出せるような関係性を作っていきましょう。
ロジックを大切にして話す
飛び込み営業では、ロジカルに分かりやすく話すことが大切です。相手に時間的な余裕があるかは分からないため、ダラダラと話すことはNGです。
相手の時間をもらっている意識を大切にし、分かりやすく丁寧に話しましょう。
相手のことを自然に褒める
訪問先で出会った相手のことを自然に褒めることもコツの1つです。ただ、大げさに褒めると不快感を示す人もいますし、内容によってはセクハラと捉える人もいるので異性を褒めるときには注意しましょう。
褒めるポイントとしては、相手の持ち物や服装、言葉遣い、対応などその人が身に着けているものや行動を褒めると自然です。褒めてくれた相手のことは、会社名と共にとても印象に残ることでしょう。
ゆっくりと落ち着いたトーンで話す
相手に伝わるようゆっくりと落ち着いたトーンで話すよう心がけましょう。早口で話したり小さな声で話したりすると、相手は聞き取りづらく話を聞きたいと思えなくなります。
自信なさげにボソボソと話すよりも落ち着いたトーンで話す方が、相手に誠実さと安心感を与えます。この営業マンから話を聞いてみたい、と思えるような調子で話すことを心がけましょう。
受付の人に顔を覚えてもらう
企業訪問の難関の1つが受付を突破することです。受付の人を味方にするには、顔を覚えてもらうことが早道です。
受付の人も人間です。飛び込み営業を一切断るよう指示を受けていたとしても、一生懸命に頑張っている相手には何かしら協力したくなるでしょう。
何度も足を運んで顔を覚えてもらうことで、受付の人から、決裁者に会える時間帯など有利な情報をくれる人もいるということを覚えておきましょう。
飛び込み営業に向いている人の特徴
ハードなイメージがつきものの飛び込み営業ですが、どの仕事も最初からうまくできるわけではありません。ただ、飛び込み営業にも適性があることは確かです。
以下では、飛び込み営業に向いている人の特徴を5つ紹介します。自分が元々持っている性格もありますが、努力してカバーができる部分はとことん磨いていきましょう。
- メンタルが強く諦めない人
- 気持ちの切り替えが早い人
- 体力があり疲れにくい人
- 気が利く人
- 営業の駆け引きを楽しめる人
メンタルが強く諦めない人
飛び込み営業は、断られることが基本の仕事です。1回断られたとしても、話を聞いてもらえるまで2回、3回と諦めずに訪問するメンタルの強さが必要です。
状況によっては、罵声を浴びせられることもある仕事ですがそれを気にせず、契約という目的に向かって次へと進んでいける精神の持ち主が向いています。
気持ちの切り替えが早い人
飛び込み営業が向いている人の特徴は、気持ちの切り替えの早さです。飛び込み営業は、人から迷惑がられることや、拒絶されることがほとんどなので、その度に落ち込んでいては次へ進めません。
前に起きた負の感情に影響されず、常に気持ちを切り替えて、前進できるような切り替えの早い人が向いています。
体力があり疲れにくい人
飛び込み営業は、訪問数がものを言います。1日何十件もの訪問となるとさすがに疲れて頭が回らなくなります。
訪問先によっては徒歩でしか行けなかったり坂や階段がきついところがあります。炎天下や極寒の中で体力が奪われることもあります。
そんな中でも笑顔で爽やかに訪問し、顧客のことを考え、的確な提案ができるような人はこの仕事が向いています。普段から体力がないと感じる人は栄養のある食事と運動を心がけましょう。
気が利く人
気が利く人は、初対面の人や初めて訪れる環境でも自分がどういう言動をすべきかが分かります。
言い換えると相手のニーズを読み取り、臨機応変な対応ができるということです。断っているところに無理やり営業をかけるのではなく、その場に応じた対応ができます。
飛び込み営業は、どんな立場のどんな性格かも全く分からない人を相手に話をするため、瞬時に相手と状況にあった対応ができる気が利く人が向いています。
営業の駆け引きを楽しめる人
飛び込み営業の醍醐味は、駆け引きで成約率が上がるところです。
飛び込み営業は、訪問先それぞれが状況や反応が異なるため正確な答えがありません。訪問する時間帯や誰にどんなアプローチして、どんな話をするかを考え、相手の表情や状況を見極め、駆け引きながら成約に繋げていく過程を楽しめる人が向いています。
飛び込み営業に向いていない人の特徴
どんな仕事にも向き、不向きはあります。飛び込み営業に向いていない人は一体どんな特徴を持っているのでしょうか。
また、自分では飛び込み営業が向いていると思っていたのになぜかうまくいかない、と思う人もいるでしょう。
以下では飛び込み営業に向いていない人の特徴を5つ挙げてみました。日々の自分の言動や心の持ちようと照らし合わせて振り返ってみましょう。
- プライドが高い人
- 失敗を引きずる人
- 真面目すぎる人
- 感情的になってしまう人
- 人見知りしてしまう人
プライドが高い人
プライドが高い人は、顧客から自分が思った通りの反応がもらえないと顧客や自社の商品に非があると決めつけ、自分に原因があることを認められません。
普段の生活で味わうことのない冷たい対応や門前払いにプライドが傷つき、飛び込み営業の仕事自体を見下してしまうようなこともあるかもしれません。
自分の仕事を振り返り、自分のアプローチや提案が顧客のニーズとマッチしていたかを考え、次回に活かせるような謙虚さを持ちましょう。
失敗を引きずる人
失敗を引きずることも営業に向いていない人の特徴です。気持ちがうまく切り替えられないため、チャンスに巡りあっても失敗を引きずって、次の訪問先でも成果が出せません。
飛び込み営業では門前払いは当たり前にあることで、冷たい態度をとられることも多々あります。その度に落ち込むのではなく、こういう仕事なのだと割り切って改善策を考える必要があります。
真面目すぎる人
真面目すぎるのも飛び込み営業に向いていない人の特徴です。断られ続けることに気を病んで、休むことや手を抜くことができず、心身ともに消耗してしまうからです。
休むことも仕事のうちと認識して、しっかりと休養を取りましょう。
感情的になってしまう人
感情的になってしまう人は、その場に適した対応よりも感情を優先するため、顧客と冷静に話ができません。
顧客に対して口調を荒らげたり逆ギレしたりする人もいますが、これでは商品を売り込むどころか会社のイメージダウンになってしまいます。怒りの感情がすぐに出る人には向いていません。
キツイ言葉を浴びせられてもひどい対応をされても、平常心でいられるメンタルが必要になります。
人見知りしてしまう人
飛び込み営業は、初対面の人と話すのが仕事です。アポなしでやってきた営業マンが緊張して何も話せないようでは相手から呆れられますし、自分自身も辛い思いをします。
緊張して自分を売り込めなければ、自分の商品を売るどころか相手に何も伝えられません。
とはいえ、飛び込み営業も慣れれば人見知りでも続けられます。初めから自分には向いていないと諦める必要はありません。
飛び込み営業を楽しむポイント
飛び込み営業は、門前払いやお断りされることが多く精神的なダメージが多い業種です。ただ、飛び込み営業を楽しむことができればアポなし訪問もストレスなく続けられます。
以下では、飛び込み営業を楽しむポイントを紹介しています。
- 取引先での会話を楽しむ
- 成果がなくても得た情報を大切にする
- 断られても落ち込まない
取引先での会話を楽しむ
飛び込み営業を楽しむためには、取引先での会話を楽しむことです。
仕事の話を一切しなくても、まずは人との会話やコミュニケーションを楽しむことで相手に安心感を与えられます。
信頼関係を構築できたら、話の流れで上手に商品を売り込んでいけるようになると仕事が更に楽しくなります。
成果がなくても得た情報を大切にする
飛び込み営業を楽しむためには、成果の有無にかかわらず、現場で得られた知識を大切にすることにあります。
少し話しただけで断られたり、担当者に会えなかったりすると何も得られていないように思いがちです。
しかし、訪問先の室内の様子や雰囲気、車の有無や環境など現場で得た情報が役に立つことがあります。
どんな小さなことも契約に繋がっていると信じて情報をどんどん取り入れていきましょう。
断られても落ち込まない
飛び込み営業は断られることが当たり前だと思って、落ち込まないようにすることも重要です。全く知らない人がいきなりやってきて、その人から商品を購入するということはあまり考えられません。
たとえ、相手からひどい対応をされたとしても、あなたを否定しているわけではないので落ち込む必要はありません。
辛いときは同僚や先輩に話を聞いてもらいましょう。むしろ、辛いエピソード大会を開いて笑い飛ばしましょう。
飛び込み営業後に大切なこと
飛び込み営業では、自分の思い通りに行ったときもそうでないときも、営業後に必ずやっておきたい大切なことがあります。
どんな小さなことも次へ繋げるチャンスだと思って、以下の2つをぜひ実行してみてください。
訪問後はお礼の連絡を入れる
顧客を訪問した後は、必ず当日中にお礼メールを入れましょう。突然の訪問に対する謝罪とお礼を伝えることで相手に誠実な印象を与えられますし、数ある訪問者の中でも自分の顔や会社を覚えてもらえるからです。
1度や2度の訪問ではなかなか信頼関係は築けません。こういった、顧客との少ない接点を逃さないようにしたいものです。
自分の営業活動を振り返り今後へ活かす
自分の営業活動を振り返り、今後へ活かしましょう。断られたら、何が理由で断られたのかを考えて、次回も同じ失敗をしないように気をつけることが大事です。逆に、うまくいった場合は何が良かったのかを分析し、他の訪問先でも活かせるようにします。
最終ゴールは契約を取ることですが、どうしてもすぐに結果が見えず挫折しがちです。そこに至るまでの小さな目標を設定することで達成感ややりがいを感じられるようになります。
飛び込み営業をするときは事前準備をしっかりしよう
飛び込み営業は、事前の約束なしに相手先へ訪問するため警戒されがちです。だからこそ、商品の知識だけでなく、身なりや言葉遣い、気配りなどに気を配り、顧客に好印象を与える努力が必要です。
また、日々の営業の振り返りと改善はもちろん、より多くの顧客を訪問できるようルートの確認や、顧客との会話の中でニーズを引き出せるような会話の練習など、事前準備ができると良いでしょう。
監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】
株式会社エーティーエスが運営する本サイト「キャリテ」では、みなさまの「キャリア」「働く」を応援する記事を掲載しています。みなさまのキャリアアップ、より良い「働く」のために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。
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