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振替休日と代休の違いは?労働基準法違反になるケースも詳しく解説

振替休日と代休の違いは?労働基準法違反になるケースも詳しく解説

「振替休日と代休の違いを知りたい」
「振替休日を取得する際に注意すべきことはあるの?」
「トラブルや違反になるケースを知りたい」
このように、振替休日や代休を取得するにあたって、違いが分からず困っていませんか。

また、振替休日や代休に関して現在勤めている会社に対して不満に思っていることがある人の中には、正しく休暇が取得できる会社に転職したいと考えている人もいるでしょう。

この記事では「振替休日」と「代休」の違いについて解説しています。また、振替休日を取得する際に注意すべきことや、よくあるトラブル、労働基準法違反になるケースについても記載しているため、ぜひ参考にしてください。

この記事を読めば「振替休日」と「代休」の違いが分かり、転職の際に注意点やトラブルについて知っておくことで双方の就業規則を正しく運用できます。

「振替休日」と「代休」の違いを知りたい人は、本記事をご覧ください。

振替休日と代休の違いは?

振替休日と代休の違いは?

そもそも「振替休日」と「代休」の違いは何なのでしょうか。

厚生労働省によると「振替休日」とは、あらかじめ休日と定めていた日に働き、その代わりにほかの勤務日を休日にすることを言います。ただし、休日出勤にはならないため割増賃金の支払いは発生しません。

一方「代休」とは、休日出勤があった場合に、休日の代償として特定の勤務日を休みとするものです。休日出勤という事実は残るため割増賃金の支払いが発生します。

出典:振替休日と代休の違いは何か。|厚生労働省

給与の算出方法

「振替休日」と「代休」は給与の算出方法にも違いがあります。

既述したように「振替休日」は休日と勤務日が入れ替わるだけのため、休日手当ではなく通常の給与が支払われます。

ただし、振替休日を取得し1日8時間かつ1週間の労働時間が40時間を超えた場合は、時間外労働とみなされます。割増賃金の対象になるため、転職時にトラブルにならないよう覚えておきましょう。

一方「代休」は休日出勤したという事実があるため、労働基準法によると休日手当として35%以上の割増賃金を支払う必要があります。

出典:労働基準法 – 割増賃金編 「残業手当」 「休日手当」|東京労働局(PDF)

休みを取るタイミング

「振替休日」と「代休」とでは、休みを取るタイミングにも違いがあります。

「振替休日」は、休日と入れ替える勤務日を前もって決めておかなければいけません。

例えば、土曜日が休みで翌週水曜日(勤務日)と入れ替えるとしましょう。一般的には勤務する前日までに決めておかなければならないため、この場合は土曜日までに通知しておく必要があります。

一方「代休」は先に休日出勤を済ませ、あとから都合のよいタイミングで休日を取得できるのです。

振替休日を取得する際に注意すべきこと

振替休日を取得する際に注意すべきこと

では、振替休日を取得するにあたって注意すべきこととは一体何なのでしょうか。

双方の違いを理解していても、注意点を知らなければトラブルに発展する可能性があります。注意点をよく理解して、「振替休日」と「代休」を活用しましょう。

ここからは、振替休日を取得する際に注意すべきことについて説明します。

既に休日出勤した場合は代休になる

「振替休日」は事前に休日と勤務日を入れ替えることを言います。つまり、既に休日出勤した場合は代休扱いになります。

既述したように、前日の勤務終了時までに振替出勤してほしいことを伝えなければなりません。例えば、土曜日に振替出勤する場合は金曜日の勤務終了時までです。

出勤日および休日をあらかじめ設定しておくことが「振替休日」ですから、決め忘れのないようにしましょう。

割増賃金が発生するケースもある

「振替休日」を取得した場合、通常の給与が支払われると述べました。ただし、これはあくまでも同一週内に振替をおこなった場合のみです。

もし、週をまたいで勤務日と休日を入れ替えた場合は、時間外手当の対象となり、割増賃金の支払いが発生します。

例えば、月曜日から金曜日まで毎日8時間(計40時間)働き、土曜日を勤務日とした場合は+8時間(計48時間)です。この時点で休日は翌週に取得するしかありません。

この場合、追加された8時間に対しては労働基準法により25%以上の割増賃金が必要になります。

出典:労働基準法 – 割増賃金編 「残業手当」 「休日手当」|東京労働局(PDF)

取得期限について

「振替休日」は事前に休日を決めておくのが一般的なため、明確な取得期限はありません。

労働基準法第115条においては、2年で時効を迎え、休みを取得する権利が消滅すると記載されています。しかし、2年はこの場合あまりにも長すぎるため、1ヶ月以内に休日を取得するとよいでしょう。

また、給与締日に間に合うよう、就業規則に則り休日を設定するのも1つの方法です。

出典:労働基準法 | e-Gov法令検索

振替休日・代休取得でよくあるトラブル

振替休日・代休取得でよくあるトラブル

つづいては、振替休日・代休取得でよくあるトラブルについて説明します。

注意点を理解していても、休みを取得するにあたって起こり得るトラブルを知らなければ、対処はできないでしょう。

正しく運用していくために、よくあるトラブルについてぜひ知っておいてください。

振替勤務中に実働時間が8時間超えてしまう

振替出勤するにあたって、実働時間が8時間を超えた場合は割増賃金が発生します。そのことを知らず、雇用側と従業員側でトラブルになるケースは少なくありません。

振替出勤の割増賃金は、法律で定められた休日「法定休日(日曜日等)」に出勤した場合は35%以上の割増です。

また、会社が定めた休日「所定休日(土曜日等)」に出勤し、1日8時間かつ週の労働時間が40時間を超えた場合は25%以上の割増となります。

出典:法定労働時間と割増賃金について教えてください。|厚生労働省

振替休日を有給休暇にしたいと申し出る

振替出勤するにあたって、振替休日を有給休暇にしたいと申し出た場合、どのような対応になるのでしょうか。

有給休暇の申し出は承認されるのが妥当と言えます。

給与が発生しない振替休日と給与が発生する有給休暇、これは転職時のトラブルとして多いとされている原因の1つです。休日と言っても、従業員側からすれば少しでも多くの給与をもらいたいでしょう。一方、雇用側は人件費を抑えたいと思っています。

しかし、会社の就業規則に振替休日についての記載がない場合、強制的に振替休日を取得させることはできません。現在働いている会社でこのようなトラブルを経験した人は、もし転職する場合は転職先の就業規則をよく確認しておきましょう。

繁忙期で振替休日が決まらない

会社が繫忙期で振替休日が決まらない場合もトラブルになりやすいです。この場合、就業規則に従うのがよいでしょう。

例えば「1ヶ月以内に振り替える」「一定期間を過ぎた場合は休日手当で対応する」といった規則が定められているなら、上司にそのことを伝え休日を決めましょう。

そのようにすれば、以降の繫忙期以外の場合でも振替休日を決めやすいです。

労働基準法違反になるケースとは?

労働基準法違反になるケースとは?

では振替休日を取得するにあたって、どのような場合に労働基準法違反になるのでしょうか。ここでは2つのケースを紹介します。

現在あるいは以前勤めていた会社で、休日取得を巡るトラブルを経験したことがあるという人もいらっしゃるのでないでしょうか。会社側が法律に違反していると気づけるよう、よく理解しておきましょう。

振替休日を取らせてもらえない

振替出勤したのであれば、その代わりとなる休日を取らなければなりません。もし振替休日を取らせてもらえなかった場合は、会社側の労働基準法違反となります。

振替休日を取得するタイミングは就業規則に従うのが一般的です。原則として、出勤日の直前または直後に振替休日を取得することが望ましいでしょう。

割増賃金が支払われない

同一週内で振替休日を取得した場合を除き、それ以外は割増賃金が発生します。

深夜手当や休日手当などで割増賃金が発生しているにもかかわらず支払われなかった場合は、労働基準法違反となります。

出典:労働基準法|e-Gov法令検索

振替休日と代休の違いをしっかり理解しておこう

振替休日と代休の違いをしっかり理解しておこう

この記事では「振替休日」と「代休」について解説してきました。

2つの違いをまとめると、「振替休日」は出勤日と休日を入れ替えること、「代休」は休日出勤した代わりに休みを取ることです。

また、事前に振替日を設定しておくのか、出勤したあとで休みを取るのか、休日を取得するタイミングにも違いがあります。

どちらにしても、割増賃金が支払われる可能性があるため、現在あるいは以前の会社で休日を巡るトラブルを経験した人は、両者の違いをしっかり理解して転職活動にも活かしましょう。

※初回公開日:2023年7月24日

監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】

株式会社エーティーエスが運営する本サイト「キャリテ」では、みなさまの「キャリア」「働く」を応援する記事を掲載しています。みなさまのキャリアアップ、より良い「働く」のために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。

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