営業事務とは?仕事内容と一般事務との違いや転職の際に必要なスキルも紹介
「営業事務って一般事務とどう違うんだろう?」
「営業の仕事もするのかな?」
「営業の電話もしなきゃいけないのかな?」
営業事務という仕事の募集をみつけた時、営業事務とはどんな仕事か、その仕事内容やキャリアアップについて、気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、一般事務と営業事務の仕事の違いや、営業事務の仕事の内容について紹介します。さらに、営業事務を目指すメリット、営業事務に求められるスキルや経験について、詳しく解説しています。
さらに営業事務の仕事に役立つ資格として、秘書検定や日商PC、マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)を紹介しています。
本記事を参考に、営業事務の仕事を目指してみてはいかがでしょうか。
目次
営業事務とは?
営業事務の仕事とは、営業担当者の売上向上のためにサポートやバックアップをするというものです。具体的には、顧客対応や資料作成、管理業務などで会社によって異なります。
営業と営業事務の違いから、電話での営業活動や顧客訪問をすることはありませんが、電話対応やメール対応、見積書などの書類発送を通じて、取引先の対応を行います。
一般事務と営業事務の違い
同じ事務職ということで、一般事務と営業事務の違いはあるのでしょうか。一般事務の仕事は、書類作成やデータ入力、営業管理などのパソコンを使った仕事と、電話対応とファイリング、郵便物の発送といった業務は部門を限定せずに幅広く行います。
営業事務は書類の作成など、一般事務と同様の仕事もありますが、営業をサポートするため、取引先との対応が含まれるところが大きな違いで、社内の営業担当者とのコミュニケーションも必要な仕事です。
営業事務の仕事内容は?
営業事務の役割には、受発注業務や入金確認、契約管理や納期・在庫確認といった管理業務や、提案書や見積書、請求書の作成といった書類作成業務があります。
さらにカタログや書類、サンプルの送付といった顧客対応、在庫の問い合わせやクレーム対応といった電話対応も営業事務の仕事と言えるでしょう。さまざまな仕事の内容について、詳しく見ていきましょう。
各種書類の作成
営業事務の仕事とは、営業をバックアップする業務も多くあります。その中の1つが、見積書、納品書、請求書といった各種書類の作成です。
見積書とは、顧客に対して商品やサービスの価格がいくらになるかを、あらかじめ提示するために発行します。顧客は見積書を確認して、購入の検討をするため、重要な書類の1つです。
納品書とは、顧客から注文があった商品やサービスの納入を終えた時点で発行します。この書類で仕事が完了したことを表す書類です。
請求書とは、顧客が商品やサービスに不具合がなく、正しく納品されたことを確認した後で発行します。顧客は請求書に沿って、代金の支払いを行うための書類です。
書類のファイリング
営業活動で出てくる書類を、決められたルールに従って分類し整理する業務です。保管のルールにより、書類を必要なときにはいつでも利用できるようにします。保管する期間は書類により決められています。
資料の作成
営業事務の業務は営業担当者のサポートとしての仕事があり、その1つが資料の作成です。例えば、顧客に商品やサービスを紹介するためのパワーポイントによる資料もその1つと言えるでしょう。
市場の現状分析を行い、そのニーズに合致しているのが自社の製品やサービスである、といった流れでの紹介です。また、顧客向けのみでなく、社内での簡単な会議の資料作成も行います。
顧客の管理
営業をサポートするために、顧客の情報を管理するのも重要な役割です。管理する情報には会社名、住所、電話番号、取引履歴などがあります。
取引の内容により、契約更新が必要な場合は、営業担当者に契約満了前に伝える、あるいは顧客に契約更新案内を送付するという業務も必要となるでしょう。
売上の管理
製品ごと、顧客ごとの売り上げ管理も営業事務の業務の1つです。会社として利益を確保するための売上の目標に対し、その目標を達成するために売上を詳細に数字によって管理します。
在庫の管理
製造業や販売業の会社では、在庫の管理も営業事務の仕事となります。在庫の管理は製品によって異なりますが、毎日または毎月の販売数を記録、管理し、顧客に確実に製品が納品できるように、無駄なく仕入れや生産を行うために重要な業務です。
電話やメールの対応
営業担当者が外出や会議など不在の場合は、営業アシスタント事務として、顧客からの電話やメールに対応します。
営業部門には数多くの電話やメールがあり、担当者への取次のみでなく、内容によっては営業事務の担当者が電話の対応を求められることもあるでしょう。
その他の業務
営業事務の仕事内容には、部署の雑務も含まれます。来客の応対や会議を行う際の会議室の予約、部署で使う備品の管理や発注、郵便物の管理、さらにはお客様からのお土産を配るといった内容です。
業務効率化の推進の一環で、社内の業務システムに変更があった場合に、システム担当者から説明を聞き、営業担当者に使い方を教えるといったことも社内にいる時間が長い、営業事務の業務となることもあるでしょう。
営業事務を目指すメリット
転職活動で営業事務を目指し、営業事務で働くことにはさまざまなメリットがあります。その中から5つの項目をみていきましょう。また、営業事務で学んだことや得られた経験からどのようなキャリアにつながるかも含めて、確認していきます。
- 未経験でもチャレンジしやすい
- 営業事務の経験を次のキャリアに活かすことができる
- 業務のスケジュールを立てやすい
- 基本的なPCスキルを身につけることができる
- 会社へ貢献していることを実感できる
未経験でもチャレンジしやすい
営業事務の仕事は他の仕事に比べると、未経験でも応募できる求人数が多いと言えるでしょう。最低限、パソコンが操作できる必要はありますが、営業事務の経験や特別な資格は不要です。
未経験での応募を受け付けている企業の中には、未経験者のサポートや養成のための取り組みが用意されているところもあり、事務職にチャレンジしたい人には魅力でしょう。
営業事務の経験を次のキャリアに活かすことができる
営業事務の仕事は、会社として重要な営業活動に携わることから、ビジネスに必要な営業感覚を身につけやすく、そのあとのキャリアに活かせるのがメリットの1つです。
また、営業事務を経験することで、他のデスクワークへの転職を狙いやすくなります。例えば、営業事務から総務、経理といった仕事です。事務の仕事の第一歩として、営業事務を経験することで他の事務職への応用ができるスキルを身につけることができるでしょう。
業務のスケジュールを立てやすい
営業事務の仕事は、月末などの繁忙期は仕事の量が多いため、残業が発生することがあるものの、ある程度予測がしやすいことがメリットです。
会社により残業に違いがありますが、定時で帰ることができるように配慮されるため、極端に残業が多くはならず、退出時間も調整しやすいといえるでしょう。そのため、プライベートの時間を大切にできます。
基本的なPCスキルを身につけることができる
営業事務は仕事上、ワードやエクセルといったビジネスでよく使うソフトを活用することが多く、自然とPCスキルを身につけることができます。ワードやエクセルは、あらゆる職場で利用するため、営業事務での経験が将来的にも活かせるでしょう。
会社へ貢献していることを実感できる
営業事務の仕事は、営業のチームの一員として営業活動に貢献し、チームを支える仕事です。仕事の結果が売上の数字として出てくるため、努力の結果が明確となり、やりがいにつながるでしょう。
営業事務に求められるスキルや経験
営業事務の仕事は、どのようなスキルや経験が求められるのでしょうか。営業事務は仕事を探している人からの人気が高いため、面接や応募書類上でもしっかりアピールできるよう、求められるスキルや経験を確認しておきましょう。
コミュニケーションスキル
営業事務の仕事は、顧客など社外の人々とのやり取りが多く、高いコミュニケーションスキルが求められるでしょう。
営業の電話の取次や、来客の対応、問い合わせ対応など、いずれも営業の売上や利益に影響するため、最適な対応を行うことが必要とされます。
Office系ソフトのスキル
営業事務で作成する見積書、納品書、請求書などの書類の作成には、ワードやエクセルが使えるスキルが必須です。
さらに営業担当者が顧客に説明するときの資料や、社内会議用の資料の作成には、パワーポイントを使うこともあるでしょう。
また、売上の管理や分析にエクセルを使う可能性もあります。このようにオフィス系ソフトを使うスキルは、必須と言えるでしょう。
業務を正確かつ早く処理するスキル
営業事務には、見積書、納品書、請求書など、日付や金額、数量、宛先を間違わずに正確に、期日に合わせて早く処理するスキルが必要とされます。
業務を常に見直すように心がけて間違いをなくすよう工夫する、効率化を図って処理時間を短くするなど、事務処理への努力も大切でしょう。
営業の仕事の経験
営業事務職とは、営業をサポートするのが仕事のため、営業の仕事の経験は必須ではないものの、活かすことができるでしょう。営業事務アシスタントとして、営業担当者がどのようなことを求めているかを理解し、気配りすることにつながります。
営業事務の1日の仕事の流れ
営業事務はどのような1日を過ごすのでしょうか、仕事の流れについて見ていきましょう。まずは出社後にパソコンを立ち上げて、メールを確認するとともに、その日の業務を確認します。
営業担当への連絡事項や予定を確認し、営業に出かけるのを見送った後は、顧客からの電話対応をしながら、見積書作成や事務処理といったデスクワークの時間です。
昼休憩後、伝票処理や受注の処理という営業活動に関する業務を行い、営業会議の資料作成等も行います。最後に残った事務処理を行い、日報を書いて業務終了です。仕事が時間内に終われば、定時で退社できます。
営業事務の収入はどのくらい?
厚生労働省が発表を行っている、令和2年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金では、 営業・販売事務従事者の時給換算の基準値が1,239円の記載です。5年の能力・経験指数を乗じた場合は1,666円と書かれています。
企業規模によっても異なりますが、年収が300万円から400万円、月給は20万円を切るくらいから25万円程度、ボーナスが年2回、夏と冬に30万円台から50万円程度と考えられるでしょう。
出典:令和2年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算) |厚生労働省(PDF)
営業事務の仕事に役立つ資格
営業事務という仕事は、就職するのに必要となる資格は特別にはありません。しかしながら、秘書の資格やパソコンに関する資格など、営業事務に関連する資格について、ご紹介します。
秘書検定
秘書検定とは、公益財団法人 実務技能検定協会が行う文部科学省後援ビジネス系検定の1つです。秘書検定は人柄の育成を目指しており、表情や態度、振る舞いや話し方、言葉遣いなど、筆記試験や面接試験を通じて、感じの良さの表し方を提唱しています。
秘書検定は3級、2級、準1級、1級という4段階の検定です。3級では基本的な職場常識が問われます。上司が効率よく仕事ができるように、秘書がどのようなことに気を利かせるか、基本の部分が問われる級です。
2級では、3級よりも複雑になり、上司をサポートするために、優先順位を考える必要があります。
準1級は、物事の判断が求められる中堅秘書を想定したもので、準1級以上では筆記試験に合格後、面接試験が二次試験としてあり、人柄の表現力も問われるでしょう。
1級は、上司の仕事を理解し、秘書が何をしなければいけないかを判断するという、上級の秘書の能力が求められる級です。
日商PC
日本商工会議所および各地の商工会議所では、企業のITの活用の実践的な知識やスキルの修得とともに、ネット社会でのビジネススキルの育成のために、日商PC検定試験を平成18年から行っています。
試験は各地の商工会議所やパソコンスクール、職業訓練校など全国2,000の試験会場で受験でき、試験から採点、合否判定までをインターネットにより行うものです。
検定試験には「日商PC検定試験(文書作成)として、ビジネス文書の作成等を問うもの、「日商PC検定試験(データ活用)」として、業務データの活用等を問うもの、「日商PC検定(プレゼン資料作成)」として、プレゼン資料の作成を問うものに分かれます。
ベーシック、3級、2級、1級の級があり、ベーシック以外の級では、実技科目と知識科目の2科目で判定されます。
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)
ワードやエクセルなど、マイクロソフトのオフィス製品の利用スキルを客観的に証明するための資格が、マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)です。
規定の科目に合格すると「MOS」の称号をもらうことができ、さらに合格科目やオフィスのバージョンにより、マイクロソフト オフィス スペシャリスト エキスパートなどの称号があります。
MOSの取得によってアプリケーションを複数、効果的に使うスキルが身に付き、作業効率がアップできるでしょう。会社でいろいろな仕事を任せられるようになり、上司からの信頼も高まることにつながります。
営業事務に転職を考える際に留意しておくこと
営業事務の仕事とは、会社の中でもスタッフ数が多い営業担当者や顧客と接する時間が長いため、さまざまな人とコミュニケーションを取ることとなります。
中には性格が合わない人や、一緒に仕事をしたくなくなるような態度をとる人もいるでしょう。このような場合に営業事務の仕事の難しさや厳しさを感じることになるかもしれません。あらかじめ留意しておきましょう。
営業事務の仕事について理解を深めよう
いかがでしたでしょうか。この記事では、営業事務の仕事に関して、一般事務との違いや営業事務の仕事内容、営業事務を目指すメリットについて解説しました。
書類の作成などを通して、営業をサポートし、会社の売上に貢献できるのが営業事務の仕事です。営業事務の仕事内容や目指すメリットをみて、ぜひチャレンジしてみたいと思った方は、営業事務職への転職にチャレンジすることをお勧めします。
監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】
株式会社エーティーエスが運営する本サイト「キャリテ」では、みなさまの「キャリア」「働く」を応援する記事を掲載しています。みなさまのキャリアアップ、より良い「働く」のために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。
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