IT事務が行う仕事内容とは?転職するメリットやデメリットも解説
「一般事務とIT事務の違いって?」
「IT事務ってどんな仕事内容なの?」
「IT事務への転職に有利なスキルには何がある?」
このように、IT事務という仕事に興味を持っているという方もいるのではないでしょうか。
本記事では、一般事務とIT事務の職種の違いやIT事務が行う仕事内容などを紹介しています。本記事を読むことで、IT事務という仕事がどのようなものなのか把握できるでしょう。
また、IT事務へ転職するメリットやデメリット、IT事務への転職に有利なスキルなども紹介するため、IT事務への転職を検討している方も参考にできるでしょう。
IT事務が行う仕事内容について詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
一般事務とIT事務は違う職種?
一般事務の仕事内容は、データ入力や書類の作成、整理、電話対応や来客対応など幅広い業務を行い、他の社員のサポートを行う仕事です。
一方、IT事務は一般事務と同じようにデータ入力などの事務作業を行いますが、ITエンジニアのように、簡単なアプリ開発なども行う場合がある仕事となります。そのため、一般事務とIT事務は異なる仕事だと言えるでしょう。
IT事務が行う仕事内容
IT事務の仕事は一般事務と共通しているものもあれば、専門的な知識やスキルが要求されるような仕事もあります。IT事務という仕事に興味がある人の中には、具体的にどのような仕事をしているのか知りたいという人も多いでしょう。
ここでは、IT事務が行う仕事内容について解説していきますので、参考にしてみてください。
IT関連のメールや電話の対応
一般事務でも顧客からのメールや電話に対して問い合わせ対応を行いますが、一般事務と違い、IT事務の場合は問い合わせの中にIT関連の専門用語が登場します。
IT事務としてスムーズな問い合わせ対応を行うためには、業務で使用するIT関連の用語を理解している必要があるでしょう。
IT関連資料の作成
一般事務の仕事でもWordやExcelを使った資料作成がありますが、IT事務の場合はIT関連の資料を作成することになります。</strong
どのような企業に所属するのかにもよりますが、システム開発で使用される「要件定義」や「保守運用」などの用語の意味は理解しておく必要があるでしょう。また、パソコン関連のIT用語の知識が必要になるケースもあります。
PCのキッティング(初期設定・業務用ソフトウェアの導入等)
IT事務の仕事として、新入社員が使用するPCの初期設定などがあります。
購入したPCは、まずはアカウント作成や社内ネットワークへの接続、業務用ソフトウェアの導入、セキュリティ設定といった作業を行うことになります。このように、PCを業務で使用できる状態にすることをキッティングを呼びます。
キッティングは新入社員自身で行うこともありますが、IT事務の仕事として任されるケースもあるでしょう。
印刷業務や備品管理
IT事務は一般事務と同様に、会社の業務で使用する資料の印刷業務や備品管理などの仕事も行います。
会議用の資料を人数分印刷して用意しておく、ボールペンやコピー用紙などの備品が足りなくならないよう管理し必要に応じて発注しておくといった業務は通常の事務と同様です。IT事務も社員がスムーズに業務できるようにサポートを行います。
IT事務で携われる可能性のある業務の例
IT事務としてスキルアップすることにより、ここまで紹介したような業務の他にも様々な業務に携わる可能性があります。中にはITエンジニアのように高度なITスキルが求められる業務もあるため、一般事務よりもやりがいを感じながら仕事ができるでしょう。
ここでは、IT事務で携われる可能性のある業務の例を紹介していきます。
各種の開発プロジェクトに関わる業務
IT事務は様々な開発プロジェクトをサポートする業務に携われる可能性もあります。プロジェクトをスムーズに進めるために、使用するPCのセットアップや必要なアプリのインストールなどを行い、開発がスタートできるような準備を行います。
また、IT事務担当者自身が飲食店や美容院などの予約アプリや企業が使用する業務アプリケーションなどの開発に携わるケースもあるでしょう。
ITインフラに関わる業務
ITインフラに携わるIT事務の場合は、ネットワークエンジニアやサーバーエンジニアのようにITインフラの設計や運用、保守監視といった業務を行います。
IT事務担当者がサーバーやネットワークを安定的に運用できるようにサポートすることで、システム開発をスムーズに進められるようになるでしょう。また、IT事務担当者自身がインフラエンジニアのようにITインフラ環境を構築することもあります。
IT事務へ転職するメリット
IT事務として働くことには様々なメリットがあります。一般事務とIT事務とで迷っている場合は、IT事務へ転職することでどのようなメリットがあるのか知っておくと良いでしょう。
ここでは、IT事務へ転職するメリットを紹介していきます。
- IT業界へのキャリアアップに適している
- 未経験でも転職できる
- ポテンシャル採用を行う企業が多い
- 実力があれば待遇に反映される
IT業界へのキャリアアップに適している
未経験からITエンジニアに就職するよりも、ある程度の実務経験を積んでからITエンジニアになりたいと考えている方も多いでしょう。その点、IT事務はプログラマーやシステムエンジニアなどのIT職種へのキャリアアップの足掛かりとしてもおすすめです。
積極的にIT事務として業務に携わることで、VBAなどを使った業務経験などを積めます。そのため、将来プログラマーなどを目指している場合は、キャリアアップのためにIT事務からキャリアをスタートするのも良いでしょう。
未経験でも転職できる
IT業界は人材不足ということもあり、専門的な知識やスキルが求められるような職種であっても未経験可で募集されているケースがあります。
一般事務は倍率も高いことから、経験者でなければ仕事に就くことは難しいケースも多いですが、IT事務であれば未経験からでも転職できる可能性が高いでしょう。未経験でIT事務の仕事に挑戦したい場合は、未経験歓迎かつ研修制度が整っている企業を探すようにしましょう。
ポテンシャル採用を行う企業が多い
前述のとおり、IT業界は人材不足の状態にあるため、未経験からでも転職できる可能性が高いと言えます。IT企業の中には即戦力となる経験者ばかりを求めているのではなく、未経験でも将来性の高い人材を採用し、育成していこうと考えている企業もあります。
そのため、経験がなくてもポテンシャル採用によって採用してもらえる可能性も高いと言えるでしょう。ポテンシャル採用によってIT事務に転職するには、具体的な将来の目標などを設定し、高いモチベーションを持っていることが大切です。
実力があれば待遇に反映される
IT事務は一般事務で求められるスキルの他に、ExcelのマクロやVBAなどIT寄りのスキルや知識が必要とされます。その分、ITエンジニアと同様に実力さえあれば待遇にも反映されやすいことから、やりがいを持って仕事に取り組めるでしょう。
IT事務としてキャリアを積めばITエンジニアに近い業務を任されることもあるため、しっかりとスキルを身につけていくことが大切です。
IT事務に転職するデメリット
IT事務に転職することには様々なメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。IT事務への転職を検討する場合は、メリットとデメリットを比較してよく検討するようにしましょう。
ここでは、IT事務へ転職するデメリットを紹介していきます。
未経験だとIT用語を理解する必要がある
IT事務の仕事は一般事務の仕事と比べて、IT用語が登場する機会が多いです。むしろIT用語が分からなければ仕事の内容も理解できないため、未経験からIT事務へ転職する場合はIT用語を理解しておくことは必須だと言えるでしょう。
もともとIT業界に興味があれば、問題なく専門用語も覚えられるでしょう。その一方で、IT用語を覚える時点で苦痛を覚えてしまう場合は、向いていないと言えるでしょう。
専門的知識を取得しなければ将来性は期待できない
近年、IT業界の人材不足を解決するために様々な施策が実施されています。小学校からのプログラミング教育もその1つとなっており、今後はプログラマーをはじめとしたIT人材を目指す人も増えていくでしょう。
そのため、IT事務として仕事をするのであれば、積極的に専門的な知識やスキルを習得していく必要があります。スキルを身につけていく向上心がないと、将来的に仕事がなくなってしまう可能性がある点は注意が必要です。
実力がないと評価されづらい
前述のとおり、IT事務は一般事務と比較して実力が評価されやすいという特徴があります。逆に言えば実力がなければ評価されにくいことから、ITエンジニアとして仕事を始めてからもしっかりとIT系のスキルを習得していく必要があるでしょう。
IT事務と一般事務と同様にデータ入力や資料作成、印刷などの雑務を行うことが多いですが、開発プロジェクトのサポートなどを任されるケースもあります。そのため、ITエンジニア寄りの知識を身につけていくことが重要です。
IT事務への転職に有利なスキル
IT事務の仕事をするために必須の資格はありませんが、身につけておくことでIT事務への転職がしやすくなるようなスキルがあります。IT事務として働きたいと考えている場合は、事前にスキルを習得しておくのがおすすめです。
ここでは、IT事務への転職に有利なスキルを紹介していきます。
日商PC 2級
日商PCは、ITを利活用する知識やスキル、ネット社会に対応したビジネススキルの育成を目的とした試験です。
前身である「日本語文書処理技能検定試験」と「ビジネスコンピューティング検定試験」を統合させた検定試験となっており、「日商PC検定試験(文書作成)」、「日商PC検定試験(データ活用)」、「日商PC検定試験(プレゼン資料作成)」の3つの分野の試験が行われます。
ITパスポート試験
ITパスポート試験は、IT関連の基礎知識を学べる国家試験です。経済産業省が認定している情報処理技術者試験の試験区分の1つで、業務でITを利用する人であれば取得しておきたい資格です。
情報処理技術者試験の中でも初心者向けの資格であるため、未経験からでも勉強すれば合格することは難しくないでしょう。未経験からIT業界への転職を検討する場合、まずはITパスポートから取得してみるのも良いでしょう。
VBAやマクロを扱うスキル
VBAやマクロは、Excelを使った業務を効率化するために役立つスキルです。Excelでマクロを利用する場合は、VBAと呼ばれるExcel用のプログラミング言語を使ってコーディングを行うことになります。
VBAやマクロはIT事務の実務でも利用する機会があるため、事前に扱えるスキルを身につけておくと良いでしょう。自分でマクロを組めるレベルまではいかなくても、事前にマクロを触っておくだけで転職時に有利に働くでしょう。
Excel関数を扱うスキル
Excelの関数を扱えれば、業務を効率化できます。四則演算などの関数を活用することで手作業で行う作業が少なくなるため、ヒューマンエラーを減らせるでしょう。
Excelの関数を扱えるスキルがある場合は、IT事務の採用の際にはしっかりアピールすると良いでしょう。習得難易度はVBAやAccessなどと比べても低いため、押さえておくことがおすすめです。
PowerShellを扱うスキル
PowerShellとは、Microsoftが提供しているスクリプト言語と実行環境のことです。Windows 10ではコマンドプロンプトが使用できなくなっているため、PowerShellを使って業務を効率化することになります。
IT事務への転職でもコマンドプロンプトのスキルが評価されていましたが、現在ではPowerShellのスキルの方が評価されやすくなっていると言えるでしょう。
Accessを扱うスキル
AccessはMicrosoft社が提供しているデータベース管理ソフトです。IT事務は一般事務と比較するとデータを扱う機会も多いため、Accessのスキルがあると転職時にも有利に働くでしょう。
AccessのスキルはIT事務に必須というわけではありませんが、ライバルと差別化するためにも押さえておくのがおすすめです。
IT事務へ転職するための志望動機の書き方
IT事務へ転職する場合は、応募先企業が採用したくなるような志望動機を考えておく必要があります。ここでは最後に、IT事務へ転職するための志望動機の書き方を紹介していきます。
会社の強みを接点にして文章を考える
応募先企業の強みを正しく理解し、それを接点にして文章を作ると説得力のある志望動機になります。その企業独自の強みが抜けていると、自社でなくても良いのではないかと思われてしまう可能性があります。
具体的な将来像を考える
IT事務に限らず、志望動機に明確な将来像を記載すると採用担当者にも良い印象を与えられるでしょう。IT事務という仕事を通して将来どうなりたいか、という具体的なビジョンを記載すると良いでしょう。
明確な志望理由にする
志望動機ではありきたりな表現を避け、明確に記載するようにしましょう。応募企業を志望した理由の「なぜ」「どうして」が分かるように、明確な理由を記載することがポイントです。
結論を先に書く
志望動機を記載する際には、まずは結論から先に記載しましょう。はじめに結論を書き、次に具体的な理由を述べていくような構成にすると、相手に伝わりやすい文章になります。
IT事務への転職を目指そう
IT事務は一般事務よりもIT系の業務に携わる機会が多いです。
本記事で紹介したIT事務が行う仕事内容やIT事務への転職に有利なスキルなどを参考に、IT事務への転職を目指してみてはいかがでしょうか。
監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】
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