「自己管理能力が高いと良いのは分かるけど具体的にどういうことだろう?」
「自己管理能力を高めるって何をしたら高まるのだろう?」
「自己管理能力を高めたいとは思っているけどうまくいったことがない」
このような疑問や悩みを持ったことはないでしょうか。自己管理能力という言葉はよく耳にするけど、実際はよく分からないという方も少なくありません。
この記事では「自己管理能力の種類」「自己管理能力が高い人の特徴」「自己管理能力を高める方法」などを中心に紹介していきます。記事を読むことで、自己管理能力の概要がきちんと理解でき、履歴書や面接等で自分をアピールする際に役立ちます。
紹介する内容を参考に、自己管理能力を高めつつ、転職時に強みをアピールできるようになりましょう。
目次
自己管理そのものの意味
「自己管理」とは、そもそもどのような意味なのでしょうか。自己管理とは、行動や在り方を自分自身でしっかり律し、健康維持・スキル向上・業務効率化などをしっかり遂行できるようにするという意味です。
「セルフマネジメント」と直訳することもできますが、この場合は、目標達成や自己実現を目指して行う自分自身を適切に律する行動そのもの、あるいはそのためスキルを指します。近年、働きやすさや豊かなライフバランスの向上に力を入れる企業が注目するテーマでもあります。
自己管理能力の種類
自己管理能力というと、健康維持を真っ先にイメージする方が多いのではないでしょうか。実は、ビジネスシーンにおける自己管理能力にはいくつかの種類があり、履歴書や面接で自己PRとして活用したい場合には、それぞれの種類によって自己分析する必要があります。
ここでは、自己管理能力の6つの種類について詳しく見ていきましょう。
- 時間を管理する能力
- 健康や体調を管理する能力
- 金銭を管理する能力
- 体型や姿勢を管理する能力
- モチベーションを維持する能力
- 感情をコントロールする能力
1:時間を管理する能力
自己管理能力には「時間を管理する能力」を指す場合があります。ただし、待ち合わせや納期期限などの時間を守るという意味合いだけではなく、限られた時間の中でパフォーマンスを発揮する適切な時間配分能力にもこれに含みます。
総務職といった複数の業務を同時に抱えやすい職種では、時間を自分で管理できる能力が備わっているかがポイントになるでしょう。
2:健康や体調を管理する能力
食事や運動を含めた生活習慣を見直し、肉体を維持していく「健康や体調を管理する能力」も自己管理能力で言い表すことができます。
健康状態が良くないと、業務のパフォーマンスが落ちてしまったり、仕事をよく休みがちになったりします。このような状態は、自己管理能力が低いとみなすことができます。
3:金銭を管理する能力
「金銭を管理する能力」も自己管理能力の種類の一つです。金銭を管理する能力とは、自分の収入に見合った生活をしており、何にお金を使い、どれだけ貯金できたかなどお金の流れを把握し、上手に運用できる能力です。
しっかり収入はあるのに貯金ができない、毎月赤字が続く、クレジットカードで分割払いやリボ払いを繰り返してしまうなど、金銭面で自分を律することができない場合には、管理方法を見直す必要があるでしょう。
4:体型や姿勢を管理する能力
「体型や姿勢を管理する能力」とは文字通り、自身の体型や姿勢といった外見を把握し、見た目を律する能力を指します。体型や姿勢を管理することで、健康を維持しやすいのはもちろんのこと、イキイキとした見た目から同僚や取引先からの信頼に繋がることもあるでしょう。
アメリカでは、自分の体型や姿勢を管理できない人は管理職になれないと言われます。それが事実であるならば、自分の見た目を管理できない人は、人や仕事の管理もできないと思われる可能性があるということになるでしょう。
5:モチベーションを維持する能力
「モチベーションを維持する能力」とは、やりがいを見つけて業務をこなしていったり、キャリア向上のために新たな知識やスキルを学んだりできる統合的動機づけを自ら行える能力を指します。
目標が何もないとモチベーションの維持が難しくなり、仕事の質が低下する可能性があります。モチベーションを常に一定以上保てる人は、安定して仕事に取り組め、さらにはパフォーマンス向上にも繋げることができるでしょう。
6:感情をコントロールする能力
自己管理能力の種類、最後の一つは「感情をコントロールする能力」です。感情をコントロールする能力とは、落ち込むことがあったり、イライラすることがあったりしても自己コントロールができ、目の前のやるべきことに向き合って冷静に対応できる能力を指します。
怒りに任せて相手を罵るような発言してしまったり、休み明けの憂鬱さで仕事が疎かになったりといった行動・態度は、周りにも迷惑をかけてしまう場合があります。人間誰しも、感情の浮き沈みを経験したことはあるでしょう。
しかし、それをコントロールする能力を身につけた人は、自己管理能力が高いと評価されやすくなります。
自己管理能力の高い人が持つ特徴
ここまで、自己管理能力についての概要を説明してきましたが「自己管理能力が高い人」には、どのような特徴があるのでしょうか。
ここでは、自己管理能力の高い人の特徴を6つピックアップして紹介していきます。紹介する特徴を自分と比較しながら、ぜひ読み進めてください。
- 時間の使い方を考えている
- 情や雰囲気に流されることがない
- 浪費と投資に対してメリハリを付けている
- 体調管理に時間とお金をかける
- 睡眠時間を削っていない
- 先送りをしていない
1:時間の使い方を考えている
自己管理能力の高い人は、先の目標や目的を明らかにした上で、時間の使い方を考えていきます。具体的には、やるべきことをリスト化し、必要なタスクを洗い出します。そして、タスクに優先順位をつけ、スケジュールを組んでいきます。
与えられた時間を把握し、無駄な時間を使わないため「やらないことリスト」を作る人もいます。優先順位をさらに細分化することで、時間をより管理しやすくします。
2:雰囲気や情に流されることがない
その場の雰囲気や情に流されにくく、自分にとって不要なことをはっきり断れるのも、自己管理能力の高い人の特徴でしょう。芯がしっかりしていると形容することもできます。
自分の信念に忠実であるため、有益ではないと感じる頼みや誘いにも「No」と言える勇気が備わっています。
3:浪費と投資に対してメリハリをつけている
自己管理能力の高い人は、闇雲に節約をするのではなく「その支出はただの浪費なのか」、それとも「将来に活きる自己投資なのか」をしっかり検討し、メリハリをつけてお金を管理します。
なくても良いものを衝動買いしたり、興味のない飲み会に付き合いで行ったりせず、スキルアップのための書籍購入やキャリアアップのためのセミナー参加など、自己投資への変換を上手に行っていきます。
4:体調管理に時間とお金をかける
自己管理能力の高い人は、体調管理に時間とお金をかけるでしょう。インスタント・レトルト食品ではなく、体に良くて栄養がしっかりとれる健康的な食事であったり、湯舟に浸かって睡眠の質を上げたりすることに意識を向けます。
5:睡眠時間を削っていない
睡眠時間が短くなると、思考能力や生産性が低下します。自己管理能力の高い人は、それを十分に認識しているため、しっかり熟睡できる睡眠時間を確保しようとします。
睡眠時間を削ると、仕事のパフォーマンスが落ちるだけでなく、生活習慣病のリスクを高め、体の不調を悪化させる恐れがあります。
出典:睡眠と生活習慣病との深い関係|e-ヘルスネット(厚生労働省)
6:先送りをしていない
自己管理能力が高い人は、タスクを先送りにしないでしょう。目の前のやるべきことを日頃から把握し、自己を律することができるため、発生したタスクを素早く自分のスケジュールに組み込むことができます。
自己管理能力を高める方法
自己管理能力を高めるためには、具体的にどうしたら良いのでしょうか。目的意識を持つ、達成可能な目標設定をする、自分で決めたルールに沿って行動する、といった方法があげられるでしょう。
ここでは、自己管理能力を高める方法を詳しく紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
- リスト化して予定を立てる
- 自分に厳しくする
- 規則正しい生活を心掛ける
- 継続できる目標を立てる
- 行動は記録しておく
- 誘い事には乗らない
- 働く環境を変える
- 感情をコントロールする
1:リスト化して予定を立てる
まずはタスクを書き出し、リストにすることから始めてみましょう。やるべきことをうっかり忘れてしまったり、漏れてしまったりすることのないように、あらゆるタスクをリスト化し、予定を立てていきます。
毎日リストを更新していきながら、達成した項目にチェックマークをつけていきましょう。こうすることで、達成感も得られ、自己管理の感覚も身につきやすくなるでしょう。
2:自分に厳しくする
自己管理能力を向上させるためには、ある程度の自分への厳しさが必要になります。自分で設定した目標達成のため、やるべきことはやりきる、やるべきことは先送りにしないといった「自分ルール」に対するストイックさを大切にしましょう。
3:規則正しい生活を心掛ける
毎日同じ時間に、同じことをするなど、日々の日常をルーティン化してみましょう。夜更かしをして睡眠不足になると、仕事のパフォーマンスが落ちやすく、夜遅くの飲食を繰り返していると、体型維持も難しくなっていきます。
ルーティン化することで、日々の行動を管理する感覚を身につけられるでしょう。
4:継続できる目標を立てる
継続可能な目標を立てて、自己管理能力を高めていきましょう。叶えたいことや達成したいことがあれば、まずはそれらを目標に設定します。ポジティブな統合的動機であれば目標として継続しやすく、自己管理能力の向上にも繋がるでしょう。
5:行動は記録しておく
自己管理能力を高めるために、手帳やノートなどに日々の行動を記録しておきましょう。記録し続けることで、自分が管理できているところ、できていないところがはっきりと見えてきます。
結果を踏まえて、自己管理ができていない理由を内省し、今後の課題や改善点を前向きに検討していきましょう。
6:誘いごとには乗らない
人からの誘いを断れる力は、自己管理能力を高めるために必要でしょう。自己管理能力の低い人は、誘いごとや頼まれごとを断ることができず、あらゆることを受け入れてしまう傾向にあります。
人間関係を円滑に進めていくため、すべての誘いを断るのは難しいでしょうが、自分の目標達成に必要な時間を確保するために、断る勇気を持つことも大切です。
7:働く環境を変える
自己管理が上手くできないと感じている方は、働く環境を少し変えてみるのも一つの方法でしょう。
リモートワークが増加傾向にある昨今、日々の業務が時間や場所の制約なしに、自分のペースで柔軟に行える環境になりつつあります。それに伴い、タスク管理の重要性も高まり、自己管理能力について改めて見直すことも増えてきたという方も少なくありません。
あえて自己管理せざるを得ない状況に身を置くことで、真剣に自分自身と向き合うことができます。突然大きく変化させる必要はありませんが、現在の働く環境で工夫できそうなところは工夫していくと良いでしょう。
8:感情をコントロールする
感情を自分でコントロールする術を身につけることで、精神面での自己管理能力が高められるでしょう。
周りの状況に振り回されると、感情が乱れやすくなります。そのままネガティブな感情を引きずって仕事をすれば、業務に支障をきたす可能性もあります。自分の軸をしっかり保ち、些細な問題にも振り回されないよう、日頃から感情の変化に目を向ける習慣をつけていきましょう。
自己管理能力を高めることで得られるメリット
社会人に多く求められる自己管理能力は、転職における自己PRにおいて、大いに役立つ可能性があります。
履歴書や職務経歴書の作成、実際の面接で自己PRする際には、抽象的な表現はできるだけ避け、自分の経験に基づいたストーリー展開で具体的にアピールしていきます。「私の強みは自己管理能力です」だけでは、採用担当者の印象に残りにくい場合があります。
持ち前の自己管理能力によって達成したことや周りに影響を与えたことなどをアピールに付け加えると良いでしょう。また、希望する企業や職種に合わせて、その自己管理能力が会社に与えるベネフィットに触れるのもおすすめです。
自己管理能力が低いことによるリスク4つ
目的がなくぼんやりしていて、ルールが守れない、体調をよく崩してしまうなど、自己管理能力が低い場合、どのようなリスクが考えられるでしょうか。
ここでは、自己管理能力が低いままだと起こり得るリスクについて紹介していきます。
- 本来持っている能力を発揮できなくなる
- 周りからの信用に関わる
- 出世の可能性が低くなる
- 病気へのリスクが高まる
1:本来持っている能力を発揮できなくなる
自己管理能力が低いと、寝不足で寝坊や遅刻をしたり、仕事のパフォーマンスに影響したり、本来持っている能力を十分に発揮できなくなる場合があります。
そして、体調を崩しがちになったり、仕事へのモチベーションも低下したりと、さまざまことに波及し、悪循環を生むリスクもあります。
自分の本来持つ能力をしっかり活かすためにも、自己管理できていない部分をぜひ強化していきましょう。
2:周りからの信用に関わる
スケジュール管理が不十分で、提出すべき書類を期限内に用意できなかったり、取引先との打ち合わせ時間に遅刻したりといったことが慢性的に続くと、周りからの信用を次第に失っていくでしょう。
そして、信用を失えば、頼まれる仕事量も減っていき、やりがいを感じられる責任ある業務を任せられなくなります。信用を得るには時間を要するため、気をつけたいリスクの一つと言えるでしょう。
3:出世の可能性が低くなる
自己管理能力が低いことで、自分一人の管理もままならないと思われやすく、出世の機会が次第に遠のいていくでしょう。自己管理能力が低い人に、今より責任ある大きな仕事や、部下を安心して任せられないためです。
高い自己管理能力があれば、より大きな仕事や部下を安心して任せられるという周りからの信用も得やすく、それが社内評価にも良い影響を与え、出世に一歩近づくでしょう。
4:病気へのリスクが高まる
自己管理能力が低いと十分な睡眠や食事がおろそかになりやすく、気づいた時には重大な病気になっているというリスクがあるでしょう。
体調を崩して仕事を休む場合にも、周りの人たちに迷惑をかけることになります。これらを回避するためにも、自己管理能力を高めて、日頃から健康を意識することが大切です。
自己管理能力を高めて有利に転職活動を進めよう
社会人に求められる自己管理能力の高さは、転職の際にアピールできるポイントの一つです。
日頃からどのようなことを意識して過ごしているのか、自分を律することで実際に達成したことなど、自分の経験に基づき具体的にアピールしていきましょう。自己管理能力の高さのお陰で取得できた資格やスキルがあれば、アピールにぜひ加えてみてください。
紹介してきた内容を参考に、まずは自分の現在の「自己管理能力」について分析しましょう。そして、発見した自分の強みを自己PRに盛り込み、転職活動を有利に進めていってください。
監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】
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